透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

法隆寺の謎を解く

2006-06-18 | A 読書日記

 今夜はサッカー、クロアチア戦。夜はブログが書けないから、朝書いておこう。

世界最古の木造建築、法隆寺には謎が多いらしい。例えば、焼失して再建されたのかどうか。このことについて、論争が続いていたらしいが、発掘調査などにより今日では再建説で決着しているようだ。

『法隆寺の謎を解く』武澤秀一/ちくま新書   書店に平積みされていた。

この手の本を見つけるとうれしい。創建当時の法隆寺は塔や金堂などの伽藍配置が縦一列だったことが発掘調査で分かっている。ところが再建されて今日に残る法隆寺では金堂と、塔が横に並んでいる。縦から横へ配置を変えたのは一体何故か。そこには一体どんな意図があったのか・・・。

そういえば「前方後円墳」について松本清張は□と○が前後ではなく横に並んでいると捉えるべき、と唱えていたと何かで読んだ。縦と横の配置上の違い、この意味は大きい。

著者は法隆寺の中門の中央に柱があることにも注目して、伽藍配置の変更の謎について空間論的な視点も取り入れて解釈を試みている。その結論はここには書かない、推理小説の犯人やトリックを書いてしまうのと同じ事になるから・・・。

それにしても、法隆寺の中門だけが何故、中央に柱があるのか。梅原猛や伊東忠太ら、多くの人たちが唱えるいくつかの説を紹介しているが、著者の説は私を十分に説得してくれた。

縦から横への変更についての見解にも説得力があって、なるほど!と納得した。歴史ミステリーに関心のある方にはおすすめの一冊。

オーストラリア戦はアサヒで×だった、今夜はキリンで応援しよう!


もっとコロッケな日本語を

2006-06-18 | A 読書日記
『もっとコロッケな日本語を』東海林さだお/文春文庫 漫画とエッセイ、ふたつの分野で活躍しているショージさんのユーモアあふれるエッセイ集。タイトルに惹かれて購入。収録されているどのエッセイも面白い。

○ドーダの人々「ドーダ!」の自慢話をする人たちの観察記。銀座のクラブには、「ドーダの人々」が集まって「ドーダ博」が開催されている、とショージさんは書く。飲食費がべらぼうに高いから、功成り名遂げた人しか入場できない、とショージさんは続ける。客の一人が自慢話をして、「ドーダ」、もう一人の客が「こんなドーダは、ドーダ」と応じる・・・。

○野菜株式会社 リストラ篇会社の役員がカボチャやジャガイモ、モヤシなど野菜社員をリストラするために会議を開く。会議で交わされる会話の記録。

モヤシ役員A モヤシというのはどうかね。
役員C 日陰で育ったんだろ。
役員D 体弱そうだよね。
ニラ役員D あれ、日もちしないよね。社長  レバーなんかとイチャイチャすんじゃねーよ。
キュウリ役員E 栄養とかあるのか、おまえは。
役員C ワカメとキュウリの酢のものくらいでいい気になるんじゃねーよ。
社長  おいしいけどね。 

*以上本文から適宜省略して引用。 ○青春の辞典これはここには書けないな~。放送コードじゃないや、なんていうのかな・・・ 何とかに触れる・・・書店で手にとってみて下さいな。 それにしてもショージさん、本いっぱい出してるナ~ッ!