透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

虹を見る

2006-06-27 | A あれこれ
しばらく前に友人がブログに「虹が見えた」ことを書いていた。虹は気象条件が整えば出現するが、その虹が見えるためには更に条件が付加される。都心部ではビルなどに視界を遮られてしまって虹が見えないことも少なくないだろう。だからビルとビルの間に虹が見えたとなるとなんだかハッピー!という気持ちになるのも頷ける。

きれい! 虹をそう見るのは感性による知覚だが、虹を七色と見るのは知性による知覚だ。虹は空気中の細かな水滴によって太陽光が分光された結果出現するもので、色は連続的に変化していくから無数にあるはずだ。それを便宜的に七色と「みなしている」に過ぎない。虹は七色という知識によってそう知覚しているだけなのだ。

七色を赤橙黄緑青藍紫(せきとうおうりょくせいらんし)と教わった。もし藍という名前がなくて六色と教わっていれば、六色しか「見えない」はずだ。 前に建築に限らず「もの」は知性と感性とによって受容されると書いたが虹はそのことを示す好例だと思う。