透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

記念館はドーダの展示館?

2007-08-18 | A あれこれ

 酒田市にある土門拳記念館を訪ねたのはもう随分昔のことだ。この記念館は谷口吉生さんの設計。谷口さんの建築はとにかく端正で美しい。ひたすら建築に「美」を追求する谷口さん、槇さんと作風が似ているが谷口さんのデザインの方がシャープ。

長野市にある東山魁夷館、この美術館も谷口さんの作品だが、やはり美しい。余分なものを創らない、引き算の美。

谷口さんは風景と建築との間に美しい関係を創る。



これは豊田市美術館の外観だがこのように前景に「水庭」を配することも。先のふたつの記念館にも「水庭」がある。

香川県の猪熊弦一郎美術館も谷口さんの設計。この建築は市街地というロケーションをハンディともしないでうまくデザインしている。この頃の建築のように街との関係を断ち切って自閉させることもなく街と呼応させている。残念ながらこの美術館は観ていない。

安藤忠雄さん設計の司馬遼太郎記念館、宮本忠長さん設計の森鴎外記念館、松本清張記念館。遠藤周作記念館は長崎だったかな。 行ってみたいと思う記念館は皆遠い。

ところで、今回記念館のことを書いたのは先日コメントしていただいたじゅんさんのブログを見たから。↓

http://june2007.cocolog-nifty.com/blog/

ここはどこだろう・・・。誰だろう・・・。 




斎藤茂吉記念館(山形県)。
 
この記念館を訪ねたことはないが、なんとなく茂吉像ではないかと思った。なんとなく。ただ茂吉はもっと痩せていたような気がしないでもないが・・・。

山形県といえば数年後には藤沢周平の記念館ができると聞いた。誰がどんな設計をするんだろう・・・。


絶筆 100人の終止符。

2007-08-18 | A あれこれ


 画家が生涯最後に描いた作品、これが「絶筆」の定義だと思うが、どうやらそんなに単純なものではないらしい。最後の展覧会出品作だとか、画家の死後「絶筆」だと敢えて決めた作品、アトリエで複数の未完作品が見つかったりすることもある。説明文を読んでなるほどと納得。

「絶筆」の多様性を浮き上がらせるのがねらいだという展覧会を観た。日本の近代画家百余名の「絶筆」。

過日ブリヂストン美術館で観た「海の幸」、青木繁の絶筆「朝日」 松本俊介の「建物(茶)」 秋野不矩の「アフリカの民家」 猪熊弦一郎の「ダボとカガシ」・・・。

人生最後の作品。

病魔に襲われ覚悟した自身の終止符、「その日」まで絵筆を持ちつづけた画家の「絶筆」、突然の終止符によって「絶筆」となった未完の作品・・・。

「絶筆」が最高傑作と評される画家。明るい雰囲気を漂わせた「絶筆」。それぞれの終止符、それぞれの絶筆。 

最後の1枚の絵に凝縮された画家の人生。なるほどこういう切り口の企画があったのか・・・。

松本市美術館では本日(18日)が最終日。