透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

芥川賞候補作の題名

2008-01-07 | A あれこれ

■ 今日の朝刊に第138回芥川、直木賞の候補作が決まった、という記事が載っていた。

「文藝春秋」の昨年の9月号に前回の選評と受賞作品、諏訪哲史さんの『アサッテの人』が掲載されている。選考委員の一人、石原慎太郎さんが「文学の、言葉の不毛」と題する厳しい選評を書いていたことを思い出した。以下にその一部を引用する。

**大体、作品の表題がいい加減で、内容を集約表現しているとも思えない。自分が苦労?して書いた作品を表象する題名も付けられぬ者にどんな文章が書けるものかと思わざるをえない。**

この後、石原さんは「わたくし率イン歯ー、または世界」などの候補作品の題名を挙げて次のように選評を結んでいる。

**いいかげんにしてもらいたい。**

今回の芥川賞の候補作のタイトルは「乳と卵」「切れた鎖」「空で歌う」「ワンちゃん」など前回に比べるとまとも?だ。作家も選考委員も前回の石原さんの手厳しい選評を意識したのかもしれない。今朝新聞を読んでそう思った。

さて、どの作品が選ばれるだろう。石原さんは、川上さんは、今回どんな選評を書くだろう・・・。楽しみだ。