透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「乳と卵」

2008-01-18 | A 読書日記
 アルコールな夜。

川上未映子さんの「わたくし率イン歯ー、または世界」は前回の芥川賞の候補作品となった。が、受賞を逃している。今回、川上さんは二作目の「乳と卵」でめでたく受賞した。 

前回の選評で黒井千次さんは**次作への期待を抱かせる力量を備えている。**と川上さんを評していた。

芥川賞の受賞作品が決まったというニュースを一昨日の夜かな、ラジオで聞いた。「チチトラン」というタイトルを聞いて「父と蘭? 乱? ラン?・・・」  チチが乳でランが卵だとは思わなかった。先日ブログに候補作品を書いたが、このタイトルのことをすっかり忘れていた。

今日の朝刊の「時の顔」というコーナーに川上さんとこの受賞作品のことが紹介されている。

東京で暮らす女性と彼女の姉、姉の娘つまり姪、女性三人の物語だという。姉は豊胸を望み、姪は思春期の入り口にいるという設定だそうだ。なるほど「乳と卵」というタイトルが分かるような気がする。そうタマゴではなくてランだから・・・。

前回の選評で石原さんは作品を表象する題名を付けよという意味のことを書いていた。このタイトル、石原さんの要求に応えたのかもしれない。

この作家も川上さんか・・・。