モダン ガウディ
■ 今年の7月にJR中央線の武蔵境駅前にオープンした「武蔵野プレイス」はユニークなデザインの外観だ(写真上)。近未来的なデザインを見ていて、これは「モダン ガウディ」だと思った。
内部は、壁から天井に連続的につながる「かまくら」のような空間。風除室も「かまくら」のようにコーナーが丸い空間だ(写真下)。「かまくら」は連続的につながっていてそれぞれ閉じてはいないのに人を包み込むような空間で実に落ち着く。
1階の中央部分の大きなホールはカフェと図書の貸出コーナーが一体になった空間。この組み合わせはユニークだ。心地よいざわめきの中で、ある人はコーヒーを飲み、ある人は雑誌を読んで、休日のひと時を過ごしている。
設計者(kwhgアーキテクツ 川原田康子+比嘉武彦)は武蔵野プレイスについて**4つの機能(図書館・生涯学習・市民活動・青少年活動)をあえて入り混じったものとして配置することによって、さまざまな人が集まりやすい場所をつくろうという試みである。** と雑誌「新建築」に書いている。
機能によって空間をきちんと分節するという従来の建築のような空間構成を採らず、曖昧に混ぜてしまおうという発想、設計意図がうまく具現化されている、と私はみた。
しばらく前にkwhgアーキテクツによる安曇野市庁舎のプロポーザルのプレゼンテーションを見たが、コンセプトをかなり直接的に建築にした提案はなかなか面白かった。