■ 松本市に境を接する朝日村、その山際の集落の道路沿いに不動尊碑、二拾三夜塔、庚申塔などの石仏が祀られていることに先日気がついた。今日改めて出かけてきた。
存在感のある庚申塔だ。高さ140cm、幅80cmの大きさ。石面いっぱいに彫り込んである楷書の文字から実直な人柄がうかがえる。
文字の上のふたつの○。よく見ると左は月だと分かる。月と日、それに猿と鶏は庚申塔に欠かせないアイテムだ。右側に寛政十二年 上講中、左側に十二月十二日 とある。
この年は西暦1800年。庚申の年で、江戸時代が終わるおよそ70年前。この石塔はもうそのころにはこの地に集落か形成されていたということを示している。
自然に同化する茅葺きの民家、美しい光景だっただろう。そして、そこには人々の素朴な暮らしがあった・・・。