透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

対馬の民家

2013-10-26 | A あれこれ


民家 昔の記録  対馬の民家 撮影日19810928

 福岡で行われた学会に出席した後、対馬に飛んだのは1981年9月のことだった。台風が接近していて小型飛行機が大きく揺れ続け、シートベルトを外さなかったことを覚えている。

対馬は九州と朝鮮半島との中間に位置し、古くは海上交通の要所だった。集落内に石置き屋根の板倉が点在していたが、柱のモジュールなどが他の地方とは違っていた。朝鮮半島の影響を受けているのかもしれない。上の写真は米や麦の他に衣類なども保管する倉を写したもの。石を葺いた屋根は珍しくはないが、これほど大きな石板を載せた屋根を他所で見たことはない。棟には何層にも細長く加工した石板を重ね、周到に雨仕舞をしている。対馬は多雨の島だ。



これは民家の妻面を写したもの。 雨囲い(妻だれ)で妻壁を覆っている。よく見ると母屋や棟木の小口を板で塞いでいることがわかる。多雨地域の雨対策。民家は地産地消、その地方の材料を使い、その地方の気候に合わせた設えをしてあるから、地方によって姿・形は様々。これこそ民家巡りが楽しい理由。


 


岩波書店創業100年記念講演会

2013-10-26 | A あれこれ



■ 今朝(26日)の信濃毎日新聞にも案内が載っていますが、11月4日に松本のMウイングで岩波書店創業100年記念講演会が開催されます(長野県外の方には申し訳ありませんがローカルな話題です)。

中島岳志さん(北大大学院准教授)の講演を是非聴きたいと思いまして、過日聴講を申し込みました。昨日(25日)聴講券が届きました。

中島さんはNHKで放送されていた「週刊ブックレビュー」にゲスト出演したことがあります。司会者の質問に理路整然と答える中島さん。そのとき名前を覚えました。

その中島さんの講演会のことを先日知ったのです。演題は「信州が生んだ出版人 岩波茂雄のメッセージ」です。

講演の後、岩波書店社長・岡本 厚さんとの対談も予定されています。楽しみです。


 

中島さんの著書『中村屋のボース』白水社を以前読みました。過去ログ1過去ログ2

大仏次郎論壇賞とアジア太平洋賞を同時受賞した本書を小熊英二さんは**インドと日本をまたぐ「国際思想史」の研究書であると同時に、数奇な運命を歩んだ人物のヒューマン・ドキュメントとしても読める。これほど興味深い本にはめったに出会えるのもではない**と激賞しています。