■ 「君の名は。」を観た。 ピュアな恋愛をファンタジックに描いた作品、と括っておく。
飛騨の田舎の女子高生・三葉と東京の男子高生・瀧の身体、いや心か、が入れ替わるという設定で、人と人とが知り合い、心を通わせ合うことの喜びを伝えている。
リアルな背景描写が話題だが、アングルが実に好い。特に空を見上げるようなアッパー気味のアングルが好い。
関心のあることには気がつく。田舎町に立つ防災行政無線が出てくる。東京の街のマンホール蓋が出てくる。田舎町に火の見櫓が立っていたら嬉しかっただろうが、風景の中に見つけることができなかった。
映画で描かれる高校生の生活ぶりや、先に書いたピュアな恋愛は、おじ(い)さん、おば(あ)さんでも、遠い記憶を探って同じような経験を思い起こすことになれば、懐かしく、嬉しく思うに違いない。この映画は観ても心が若くないと物語に同調しにくいだろうし、感動も薄いだろう。そう、心の劣化度を知る映画と言える。どうやら私の心はそれなりに劣化しているようだ。
ということで、話題の映画を観たというだけで満足することに。