■ 今月13、14日に東京方面に出かけたことは既に書いた通り。その際、電車内で『昨日みた夢』宇江佐真理/角川文庫を読んだ。
**市井人情小説の名手が渾身の筆で描ききった江戸のお仕事小説**とカバー裏面にある。
主人公のおふくの父親は馬喰町で口入れ屋(周旋業)を双子の兄と営んでいる。おふくは言わばつなぎ役であちこちに派遣される。派遣先でおふくが目にする様々な人間模様が連作短篇で綴られている。「江戸版 家政婦は見た!」
印象に残る作品は表題作「昨日みた夢」。津軽から江戸に出稼ぎに出る兄についてきたかよは武家のお屋敷に女中奉公することに。それはかよの不幸な人生の始まりだった・・・。
このお屋敷に派遣されたおふくがかよの人生の軌道修正の手助けをする物語。