■ 弘前には私が魅力的なまちに欠かせない要素として挙げている次の5項目が当て嵌まるだろうか。
①まちが小規模なこと
②まちの全体像が把握できる「俯瞰場」があること
③まちなかを川が流れていること
④まちにシンボル・ランドマークがあること
⑤まちに歴史的な重層性があること
前稿で取り上げた『スケッチ 全国町並み見学』片寄俊秀/岩波ジュニア新書には弘前も載っているが、どのように紹介されているだろう。上の5項目に関する記述があるだろうか。
**市街地のどこからでも岩木山をあおぎ見ることができるように考えられたスケールの大きい都市構想にもとづいており、それが他都市にはない風格をこの町にもたらしているように思われます。**(209頁)弘前のシンボルとして岩木山がある、という指摘は④。いわゆる山あてとして都市計画がなされているのかどうか、これは現地で確認したい。
**魅力的な町並みとしては、(中略)市内各所に点在しているハイカラな明治洋風建築があげられます。(中略)この町には歴史の積み重ねがそっくりそのまま残されており(後略)**(209、210頁)これは⑤に相当する指摘。
弘前に①は当て嵌まらないかもしれない。③は岩木川があるが、この川が弘前のまちの空間的構造を知る手掛かりとして有効なのかどうか、このことも現地で確認したい。弘前を一望できる俯瞰場②はあるだろうか。岩木山を弘前の俯瞰場とするのは、松本の俯瞰場として常念岳を挙げるようなもの、これは無理。もっと容易に行くことができる場所でないと。そう、松本の城山公園のような。
追記: 角館には②があるようだ。ぜひ現地で確認したい。