透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

弘前はどうか

2017-04-07 | A あれこれ

■ 弘前には私が魅力的なまちに欠かせない要素として挙げている次の5項目が当て嵌まるだろうか。

①まちが小規模なこと
②まちの全体像が把握できる「俯瞰場」があること
③まちなかを川が流れていること
④まちにシンボル・ランドマークがあること
⑤まちに歴史的な重層性があること

前稿で取り上げた『スケッチ 全国町並み見学』片寄俊秀/岩波ジュニア新書には弘前も載っているが、どのように紹介されているだろう。上の5項目に関する記述があるだろうか。

**市街地のどこからでも岩木山をあおぎ見ることができるように考えられたスケールの大きい都市構想にもとづいており、それが他都市にはない風格をこの町にもたらしているように思われます。**(209頁)弘前のシンボルとして岩木山がある、という指摘は④。いわゆる山あてとして都市計画がなされているのかどうか、これは現地で確認したい。

**魅力的な町並みとしては、(中略)市内各所に点在しているハイカラな明治洋風建築があげられます。(中略)この町には歴史の積み重ねがそっくりそのまま残されており(後略)**(209、210頁)これは⑤に相当する指摘。

弘前に①は当て嵌まらないかもしれない。③は岩木川があるが、この川が弘前のまちの空間的構造を知る手掛かりとして有効なのかどうか、このことも現地で確認したい。弘前を一望できる俯瞰場②はあるだろうか。岩木山を弘前の俯瞰場とするのは、松本の俯瞰場として常念岳を挙げるようなもの、これは無理。もっと容易に行くことができる場所でないと。そう、松本の城山公園のような。


 追記: 角館には②があるようだ。ぜひ現地で確認したい。

 


角館はどうか

2017-04-07 | A あれこれ



 今月27日から2泊3日で東北は黒石・弘前・角館に出かける。既に宿の予約もし、列車のきっぷも買い求めた。弘前と角館は桜が有名なまち、開花予想ではちょうど満開だ。

旅行目的については既に書いた。それはまちの魅力に欠かせない要素として私が挙げていることを現地で確認すること。

弘前と角館の下調べをしようと30代の時に読んだ『スケッチ 全国町並み見学』片寄俊秀/岩波ジュニア新書を書棚から取り出し、カバーのイラストを見て火の見櫓が描かれていることに気がついた。20代、30代のころは民家には興味があったものの、火の見櫓には全く興味がなかったから気がついていなかったと思う。

あの頃から火の見櫓に興味を持っていれば、と思うととても残念な気がする。茅葺きの民家と火の見櫓のツーショットが撮れただろうに・・・。安芸の野良時計(*1)の近くの火の見櫓もきっちり見てきただろうに・・・。


*1 高知県安芸市の野良時計 撮影 1980年4月

弘前のまちなかに火の見櫓が何基か立っていることは既に調べて分かっている。マンホール蓋もあるだろう・・・。いやいや、今回の旅行の目的はあくまでもまちの魅力に欠かせない要素として私が挙げている項目の確認だ。

ところで、上掲書の角館の節には次のような記述がある。**この新城下町の特色は、檜木内川にそった細長い土地という条件もあって、城を中心にそれをとりかこむようにして家臣団の住居を配置するという一般的な形はとらず、城、武家屋敷地区、町人町地区を直線的に配置している点にあり、しかも、武家屋敷と町人町との間には「火除け」と呼ばれる幅二一メートルの空位を設け、その中央に高さ約三メートルの土塁を築いて両者の分離を図りました。(後略)**(205、6頁)

あの広い通りに土塁が築かれていたなんて知らなかった。その事を確認できる資料や遺構などが残っていないのかな。


付記 かつて松本城の周りにも土塁が築かれていたことが知られているが、明治初期に撮影された下の写真に土塁が写っている。


松本深志高校創立140周年企画展 会場にて