■ 『吾輩は猫である』再読中。昭和41年発行の古い文庫だ。
**人間もかようにうじゃうじゃいるが同じ顔をしている者は世界じゅうに一人もいない。顔の道具はむろんきまっている。大きさも大概は似たり寄ったりである。(中略)同じ材料でできているにもかかわらず一人も同じ結果にできあがっておらん。よくまああれだけの簡単な材料でかくまで異様な顔を思いつくものだと思うと、製造家の伎倆に感服せざるをえない。**(164頁)
以前、「火の見櫓を構成する要素はそれほど多くないのに、デザインは実に多様だと実感する。」(過去ログ)と書いた。
自然のデザイン力について、漱石が同じことをこの小説で書いていたことに今回の再読で気がついて驚いた。
長編なのでいつ読了できるか、分からない・・・。