講談社「人類の知的遺産」シリーズの中に、
⑯「ダルマ」(柳田聖山著)がある。
うん。古本で購入してありました。
その時は、函入で300円。
その「まえがき」紹介。
「わたしたちの日常に、ダルマがとけこんで久しい。
あらためて、禅宗の開山などいう野暮なことはいわぬがよい。
ちっとも宗祖らしくないのが、日本のダルマの特色である。
礼拝、信仰、帰依、祈り、修行、およそ宗教行事とは関係なし、
ただ、ひたすら縁起を祝う。何の神とも、七福神ともちがう。
福ということすら、表面にこないのが、めでたい。」(p2)
うん。こころよい『まえがき』なので、
もうすこし引用。
「・・日本常民の信仰は、昔から今まで、大半がはっきりしない
のではないか。さりとて無宗教、無神論というのでもない。
死人を仏という。これもまたテレビの捕物番組をみていて、
ふしぎにおもう人はかえって少ないだろう。
言葉だけといえばそれまでだが、言葉があれば信仰がある。
そんな日本人の宗教的野放図さ、よくいうならば
多宗教への寛容性が、さまざまの風習をはぐくむ。
初うま、天神まつり、涅槃会、地蔵盆、お大師さん
の縁日は、すでに季節の行事となっている。
ダルマは、地蔵さんよりも七福神よりも、さらに
徹底しているようにおもわれる。この人には、
縁日というものがない。毎日が、ダルマ日よりである。」
(p3~4)
はい。わたしは「まえがき」で満腹・満足。
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