久しぶりに「文芸春秋」を買う。
はい。5月号。読んだのは
北原百代(ももよ)さんの「カイロで共に暮らした友への手紙」。
はい。10ページほどの文です。
「 日本人で初めてカイロ大学を卒業した、
大東文化大学名誉教授の小笠原良治さんは
留学生の中では抜群の語学力だと言われましたが、
彼でも卒業までに7年かかったほどでした。 」(p112)
「 あなたは、冗談を言って人を喜ばせたり、
驚かせたりすることが大好きだし、得意でした。・・ 」(p114)
「 〇〇さんの顔写真が大きく載っている記事を読み始め、私は驚きました。
『 カイロ大学文学部社会学科を日本人女性として初めて卒業した 』
などと紹介されていたからです(「サンケイ新聞」1976年10月22日)。
私は思わず尋ねました。
『 そういうことにしちゃったの? 』
あなたは、 『 うん 』と、屈託なく言いましたね。 」(p114)
うん。丁寧に引用していると、全文引用したくなりますので、
最後は、ここを引用。
「 久しぶりに帰ってきた日本のメディアの報道を見ていると、
不思議に思うことばかりでした。
テレビは政治家の政策や人となりを調べて報じるのではなく、
ファッションや、面白おかしいエピソードや
駄洒落を取り上げてばかりいました。 」( p117~118 )
そういえばと、曽野綾子さんのエッセイをひらいて見たくなりました。
とりあえず、ひらいて見たページにはこうあります。
「テレビやインターネットでは
『 紙に印刷された文字から思考するという上等の間 』がもてない。
新聞には時々、すばらしい写真が載る。写真は真なることを写す
ことになっているから私は好きなのだが、
写真なら信用していいというわけでもない。 」
( p195 曽野綾子著「不幸は人生の財産」小学館 )
さて、これからテレビやネットに写り映えする小池都知事なのでしょうが、
『文芸春秋』5月号では、こんな言葉が拾えましたという紹介をしました。