桑田忠親著「定本千利休」(角川文庫)を
パラパラとひらいているのですが、茶道の素人の門外漢には、
はじめの方に、印象深い箇所があるのでした。
おそらく再度読めばちがう所へと興味がうつるのでしょうが、
最初に読むと、こんな箇所が私の印象に残るという
そんな箇所を引用しておくことに。
まずは、茶壺。
「 ・・・精選し燻製された葉茶を茶壺に保存し、
季節と時期とを考えて茶壺の口を切り、
葉茶を茶臼でひいて粉末とし、その抹茶を
茶杓(ちゃしゃく)で茶碗にすくい入れ、
熱湯を注ぎ、茶筅(ちゃせん)で練り、
またはかきまわして泡をたて、それを
神仏にそなえたり、来客にすすめたりする。
これをいただくお客の方も、
清純な気持で、その泡だった緑色のお茶を飲む。
それをたててくださった亭主の厚いこころを汲みとり、
緑の抹茶をば、ゆっくりとすすり味わいながらいただくことになる。 」
茶杓の記述も印象に残ります。
「 茶の湯に用いる抹茶式飲茶法を宋からはじめて
わが国に伝えたのは栄西禅師であった。・・・・
鎌倉三代将軍源実朝が、宴会で酒を飲みすぎて
二日酔いで苦しんだ際に、治療剤として栄西が
抹茶を進めたところが、ほどなく快癒したので、
実朝はひじょうに喜んだ。そこで栄西は、
『喫茶養生記』を献上し、抹茶の薬用的価値を
説明したということが、『吾妻鏡』に見えている。
抹茶がもともと薬剤として用いられたのは、
古い形式の茶杓が薬匙(やくひ)の形である
ことによっても知られよう。・・・ 」(~p11)
うん。このあと明恵上人へとつながるのですが、
また、長くなるのでこのくらいにしておきます。