「新潮45」4月号。
曽野綾子氏の連載のはじまりは
「2017年2月3日に死去した夫の三浦朱門という人は、
家の中で常に笑いの中心であった。」
今回の連載のさいごは
「ワルクチの謂い放題をしながら、
朱門は決して誰かに本気で悪意を持たなかった。
死後思い出そうとしても、朱門に深く嫌われていた人を
私は思い出せない。小出しにワルクチを言うことが、
彼の誠実のあり方だったのかもしれない。」(p21)
ひとつ引用。
「朱門には旧制高校時代の親しい友達がいた。
そのうちの一人は優しい誠実な性格で、
いつも朱門の荒っぽい、投げやりな性格の
『尻拭い』をしてくれていた。
或る日朱門はその人に殊勝なことを言った。
『友人は皆死なないでほしいな』
『君、今日は珍しく優しいことを言うね』
『いや、皆がいないと、俺の葬式だすのに困るからさ』」
曽野綾子氏の連載のはじまりは
「2017年2月3日に死去した夫の三浦朱門という人は、
家の中で常に笑いの中心であった。」
今回の連載のさいごは
「ワルクチの謂い放題をしながら、
朱門は決して誰かに本気で悪意を持たなかった。
死後思い出そうとしても、朱門に深く嫌われていた人を
私は思い出せない。小出しにワルクチを言うことが、
彼の誠実のあり方だったのかもしれない。」(p21)
ひとつ引用。
「朱門には旧制高校時代の親しい友達がいた。
そのうちの一人は優しい誠実な性格で、
いつも朱門の荒っぽい、投げやりな性格の
『尻拭い』をしてくれていた。
或る日朱門はその人に殊勝なことを言った。
『友人は皆死なないでほしいな』
『君、今日は珍しく優しいことを言うね』
『いや、皆がいないと、俺の葬式だすのに困るからさ』」