昨日から今日まで、
高速バスで一泊旅行へ。
とりあえず、本を一冊持っていこうと、
寺田寅彦著「柿の種」(ワイド版岩波文庫)を
持っていきました。
二人でしたので、本は読まずにすみました。
とりあえずは、
「柿の種」の栞が最初に挟んである箇所を
読んだだけで、あとは、
御馳走を食べたことがお腹に残りました(笑)。
ということで、文庫「柿の種」は、
大正10年12月「渋柿」に掲載された短章の
1ページを読んだだけで鞄にしまわれておりました。
その箇所は、というと、
「田端の停車場から出て、路線を横ぎる
陸橋のほうへと下りて行く坂道がある。」と
はじまる道路商人をとりあげた箇所なのでした。
昨日から今日にかけて、私が読んだのは、
ここだけなので、ひきつづき引用してみます。
「そこの道ばたに、小さなふろしきを一枚しいて、
その上にがま口を五つ六つ並べ、そのそばにしゃがんで、
何かしきりにしゃべっている男があった。
往来人はおりからまれで、たまに通りかかる人も、
だれ一人、この商人を見向いて見ようとはしなかった。
それでも、この男は、
あたかも自分の前に少なくも五、六人の顧客を
控えてでもいるような意気込みでしゃべっていた。
・・・・・・・・・・
この男の心持ちを
想像しようとしてみたができなかった。
しかし、めったに人の評価してくれない、
あるいは見てもくれない文章をかいたり
絵をかいたりするのも、考えてみれば、
やはりこの道路商人のひとり言と同じようなものである。」
うん。ほとんど引用してしまいました。
高速バスで一泊旅行へ。
とりあえず、本を一冊持っていこうと、
寺田寅彦著「柿の種」(ワイド版岩波文庫)を
持っていきました。
二人でしたので、本は読まずにすみました。
とりあえずは、
「柿の種」の栞が最初に挟んである箇所を
読んだだけで、あとは、
御馳走を食べたことがお腹に残りました(笑)。
ということで、文庫「柿の種」は、
大正10年12月「渋柿」に掲載された短章の
1ページを読んだだけで鞄にしまわれておりました。
その箇所は、というと、
「田端の停車場から出て、路線を横ぎる
陸橋のほうへと下りて行く坂道がある。」と
はじまる道路商人をとりあげた箇所なのでした。
昨日から今日にかけて、私が読んだのは、
ここだけなので、ひきつづき引用してみます。
「そこの道ばたに、小さなふろしきを一枚しいて、
その上にがま口を五つ六つ並べ、そのそばにしゃがんで、
何かしきりにしゃべっている男があった。
往来人はおりからまれで、たまに通りかかる人も、
だれ一人、この商人を見向いて見ようとはしなかった。
それでも、この男は、
あたかも自分の前に少なくも五、六人の顧客を
控えてでもいるような意気込みでしゃべっていた。
・・・・・・・・・・
この男の心持ちを
想像しようとしてみたができなかった。
しかし、めったに人の評価してくれない、
あるいは見てもくれない文章をかいたり
絵をかいたりするのも、考えてみれば、
やはりこの道路商人のひとり言と同じようなものである。」
うん。ほとんど引用してしまいました。