「日の照った、あるあかるい六月の朝、
ひとりの、からだが大きくてがっしりとした、
この土地のむすめが、
このせまい山道をのぼってゆきました。
ひとりの子どもの手をひいていましたが、
その子のほおは、たいへんほてっていました。
・ ・・・
それもそのはずです。
こんなに暑い六月の太陽が照っているのに、
この子は、まるで冬のような、厚着をしていたからです。」
「おばさんのデーテが、こうすれば、
だれも着物をはこばなくてもすむと思って、
ぶたん着の上に、晴着まで着せておいたのです。
・ ・・ハイジは、軽い下着だけになって立って、
短い袖から、はだかの両腕を、
さも気もちよさそうに大気の中にさしのばしました。」
竹山道雄訳「ハイジ」の第一章「山のおじさん」。
そのはじまりの箇所。
初めて読む「ハイジ」は、
六月の朝からはじまっていたのでした。
ひとりの、からだが大きくてがっしりとした、
この土地のむすめが、
このせまい山道をのぼってゆきました。
ひとりの子どもの手をひいていましたが、
その子のほおは、たいへんほてっていました。
・ ・・・
それもそのはずです。
こんなに暑い六月の太陽が照っているのに、
この子は、まるで冬のような、厚着をしていたからです。」
「おばさんのデーテが、こうすれば、
だれも着物をはこばなくてもすむと思って、
ぶたん着の上に、晴着まで着せておいたのです。
・ ・・ハイジは、軽い下着だけになって立って、
短い袖から、はだかの両腕を、
さも気もちよさそうに大気の中にさしのばしました。」
竹山道雄訳「ハイジ」の第一章「山のおじさん」。
そのはじまりの箇所。
初めて読む「ハイジ」は、
六月の朝からはじまっていたのでした。