山文彦著「大津波を生きる 巨大防潮堤と田老百年のいとなみ」(新潮社)を読む。すんなりと内容がはいってくる。よく咀嚼された内容が、読みやすく一冊にまとめられており、たいへんにありがたい。
吉村昭著「三陸海岸大津波」(文春文庫)の解説を書いておられた方として、この本を買いました。
まあ、もう一度読み直すとして(笑)。
ここでは、とりあえず一か所だけ引用。
第四章「関東大震災」に
「相模湾を震源とする大地震は、おびただしい余震をひき起こした。三分後には揺り返しの大地震が起こり、午後1時半までに強烈な地震が7回にわたって襲い、その後も夕方まで3度の強震があった。そうした強震以外にも軽度の地震が絶え間なくつづき、12時間後の午前零時までに総計128回の余震が被災地を揺らしつづけた。
翌2日午前11時46分には、前日の大地震につぐ強烈な地震が起こり、きのうの最初の一撃とほぼ同じ時刻に大きな揺れが来たものだから、人びとは恐怖に震えあがった。これは房総半島勝浦沖を震源地とするもので、相模湾を震源とした前日の大地震に誘発されたものだったが、このふたつの震源地から発する余震が入り乱れて幾日も被災地を襲ったのである。」(p111)
うん。地震は一回では終わらない。
と、漠然とは思っているのですが、
こうして書かれた余震のなかにわが身を置くことを、
あらためて、思い描くのでした。