和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

職員たちを引っ張る求心力。

2024-06-09 | 産経新聞
産経新聞6月9日(日曜日)の読書欄
「花田紀凱(かずよし)の週刊誌ウォッチング」は
「蓮舫氏が名乗りを上げた都知事選。」とはじまっておりました。
そこに週刊文春からの引用がありましたので、その孫引き。

「 立憲議員の蓮舫評。
『 都合が悪くなると、周りのせいにしてしまう。責任転嫁の名人(中略)
  自分から周囲に気を遣ったり、妥協する協調力がゼロ。   』

  政治部デスク。
『 知事には約3万人の職員たちを引っ張る求心力も、
  議会との調整力も欠かせません。いずれも
  蓮舫氏が最も不得手としてきたところ。・・・  』   」


はい。私はといえば、『安房郡の関東大震災』をテーマに、
安房郡長大橋高四郎に焦点をあてているのですが、

次回は、関東大震災に際しての
安房郡長と吏員とのつながりを具体的に名前をあげ、
その他の方々の名前もとりあえず列挙してみたいと思います。

ちょっと、その前に、後藤新平に登場していただきます。

渡辺利夫氏は『 後藤新平は「危機の指導者」である。 』として
明治29年(1896)に初めて台湾の地を踏んでから指摘のなかに

「・・諸事情のための人材抜擢、
   抜擢された人間への全幅の信頼、
   信頼に応える技術者、官僚の後藤への献身が
   台湾統治成功の物語を彩っている。・・ 」

      ( 当ブログの、2024年1月26日に関連記載あり )
コメント (2)
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新聞と古典教養。

2024-02-29 | 産経新聞
新聞を開き、そこに古典が紹介されていたりすると、
何だか、得した気分になるのは、私だけでしょうか?

産経新聞2024年2月29日(木)のオピニオン欄『正論』は、
平川祐弘氏で、題が「与謝野晶子を作った『源氏物語』」。

はい。一読楽しくなったので引用を試みることに。

「『みだれ髪』を出版、世間を驚かせた。・・・
 晶子の歌には原色のフォーヴの油絵のどぎつさがあった。・・
 三ヶ島葭子(明治19-昭和2年)の歌は水彩画のすなおさだ。・・

 女流歌人は次々とデビューした。だが誰も
 晶子のようには論壇で長く活躍できなかった。

 なぜか。違いは晶子には古典の教養が血肉化していたことで、
 そのために次々と新しい生活信条を述べ得たのである。」

はい。産経新聞も新聞論壇で長く活躍できますように。
そんな願いもこの『正論』欄には込められているかも。
つい。そんなたわいもないことまでも連想してしまう。
『古典の教養が血肉化』した文を読んでいたいと思う。

さてっと、平川祐弘氏は、この文の最後の方に、
谷崎潤一郎訳『源氏物語』のことに触れてます。
谷崎訳の過程をとりあげております。その引用。

「その際、谷崎は、誤訳批判を気にして、
 一度ゲラとして印刷された自分の訳の校閲を
 国文学者の山田孝雄に頼み、それをもとにまた朱を入れた。

 だがそれで文章が間延びした。
 力の抜けた文章だから谷崎訳源氏は日本の名文選に入らない。

 大出版社の古典大系の古文にはおおむね国文学者たちの新訳が添えられるが、
 正確な解釈を期すために文章がトランスレーショニーズと呼ばれる文体となっている。

 原文従属で味気ない。
 これは誤訳の減点をおそれる受験生が、
 日本語らしからぬ日本語で英文和訳の答案を書くのと同じ心理で、
 原文本位の翻訳者や学者先生もとかくそうなりがちだ。 」

はい。そのあとに、与謝野晶子へもどり終っておりました。
しめくくりも、引用しなくちゃね。

「だが晶子は違った。数ある解釈から自分が良しとする解釈を
 自己責任ではっきり選び、力強く語る。だから晶子の源氏訳には
 熱い血が流れ、心のときめきが感じられる。・・・・・

 一冊の古典は昨今の平板な一流の大学に優(まさ)る。」


はい。今進行中のNHK 大河ドラマの源氏物語と、受験シーズンの大学と、
さらには新聞の文章までも含めた見識に満ちたご意見番のオピニオンとして読みました。


ちなみに、月刊Hanada4月号の平川祐弘氏の連載「詩を読んで史を語る」は、
「鴎外訳『ファウスト』など」という題。その最初の方にこんな箇所。

「ゲーテは、若い頃に書き始めた『ファウスト』を
 80を過ぎた最晩年にいたるまで推敲を重ねる。・・・」(p316)
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となると。

2024-02-04 | 産経新聞
何年ぶりだろう、飲み会。
知り合いの奥さんは、70代のなかば。
朝日新聞を購読していて、知り合いによると、
隅から隅まで読んでいるのだそうです。
そうか、こういう方もいるのだなあ。
身近にいると、いろいろと気になるものです。

さてっと、産経新聞2024年2月4日の「産経書房」。
「花田紀凱の週刊誌ウォッチング」。その途中から引用。

「 週刊誌界を代表する2誌が、こんなことばかり
  やっていていいのだろうか。正直、うんざり。 」

このあとに、ニューズウィーク日本版2月6日号の
「大特集『チャットGPTを生んだ男サム・アルトマン』
 19㌻はさすがに読み応えがある。・・・」

うん。そこから

「そもそも世の中の人が気にするのは、
 AIが自分のために役立つかどうかってことだろう?(中略)
 今のシステムには大きな弱点がある。
 個人的にはまだ問題ありだと思う」

「 何が問題なのか。
 『 今のシステムは、まだ推論が苦手だ。
   人間のやる有益なことの多くは、
   ある程度の複雑な推論を必要としている(中略)

   例えばGPT-4は、知識の量に関してはすこぶる超人的。
   ただ、その知識をどう使うかが問題だ。
   GPT-4はそういう基本的な推論ができない。
   だから、どんな人間よりも多くの知識を持っているのに、
   時には人間なら絶対しないような間違いをしでかしてしまう』

  日本の週刊誌になぜこういう記事ができないのか。 」


はい。さっそくニューズウィーク日本版を注文しました。

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丹念に取材し。

2024-01-15 | 産経新聞
産経新聞2024年1月14日の
『 花田紀凱(かずよし)の週刊誌ウォッチング 』。

「能登大地震」と「JAL機炎上」をとりあげ、
 週刊文春と週刊新潮を比べながら、
「 両誌とも丹念に取材し中身が濃い。 」
 と指摘されておりました。

地元の本屋に両誌を注文。届けてくれる。

もどって、花田氏の文の最後にはこんな箇所。

「『文春』の名物コラム『新聞不信』では各紙の社説をバッサリ。
≪ 社説の出来が酷(ひど)い。
  見出しからして言わずもがなのものばかり。
  読む気が失せる。
 「 人命救助と支援を全力で 」   (毎日)
 「 倒壊家屋の捜索に全力を尽くせ 」(読売)
 「 人命救助と支援に全力を 」   (朝日)
  いつもそうだが、
  毎日と朝日は相談して作っているのだろうか ≫ ・・」


はい。週刊文春1月18日号は、480円。
週刊新潮1月18日迎春増大号、510円。
買っても読みたいそういう記事を読む。
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『春の朝』

2024-01-08 | 産経新聞
産経新聞2024年1月8日の、正論オピニオン欄。
平川祐弘氏が「和訳『春の朝』に神道的畏敬の念」という
見出しの文を載せております。

ちなみに、平川祐弘氏は1931年11月生まれ。現在は92歳。
ご自身の娘さんたちが、小・中学生の頃のことが語られておりました。

「 家内は昔この訳詩(「春の朝」)と原詩を三人の
  小・中学生の私の娘たちに暗唱させた。私も時々和した。 」

原詩は、ロバート・ブラウニング(1812~1889)。
訳詩は、上田敏。二つ並べてみます。

 時は春、          The year’s at the spring
 日は朝(あした)      And day’s at the morn;  
 朝は七時          Morning’s at seven;
 片岡に露みちて、      The hill-side’s dew-pearled;
 揚雲雀なのりいで、     The lark's on the wing;
 蝸牛枝に這ひ、       The snail’s on  the thorn:
 神、そらに知ろしめす。   God's in his heavenー
 すべて世は事も無し。    All’s right with the  world!


この最後の行を、指摘して、

「私は自分が英詩の最終行を All’s well with the world.
 と勝手に読みかえていたことに今度気がついた。

 すると、
『 well の方が right のような正義の押し付けでなくていい 』
 と三女が言った。

『 英詩の方の「 すべて世はこれで良し 」の
  積極的強調はキリスト教のゴッドの世界だが、
  
  訳詩の「 すべて世は事も無し 」の
  天下泰平は神道の神様の世界だな 』

 と私が言うと、娘もうなずいた。  」

そうして、詳しく付け足したあとに、こう指摘されております。

「 世間はうすうす感じつつ、
  このような違いがあることを口にせずにきた。

  何語で読むかで、詩の雰囲気が
  キリスト教から神道に変わる。

  近年の日本語訳の『聖書』では
  jealous God がかつてのように
 『 嫉妬(ねたむ)神 』でなく『 熱情の神 』と表現される。 」


うん。この文の最後には、山本七平が語られておりました。
最後は、そこの箇所も引用してしまいます。


「 大学入試に
 『 jealous God について
   次の三つの訳のうち一つは誤りである。

   A 嫉妬する神   B ねたむ神   C 熱情の神  』 

  という問題を出せば、受験者の多数はCを誤りと認定するだろう。

  かつて評論家、山本七平は
  日本人キリスト教徒と西洋人キリスト教徒との違いにふれ、
  前者は『 日本教徒のキリスト派だ 』と指摘した。

  日本人の仏教徒も似たもので、
  日本教徒の仏教派と指摘できることは多い。
  例えば、遺体を『 仏さん 』と呼ぶ仏教圏は日本のほかにない。

  霊(みたま)を尊ぶ昔ながらの日本の神道的感覚が
  死後も霊が宿る遺体を大切に扱うことを求める。

  仏教で一番尊い『 仏さん 』のお名前で
  ご遺体を呼ぶのはその故であろう。   」


この結論に、いろいろなご意見もでるでしょうが、
なによりも、めでたいのは、今年1月そうそうに、
産経新聞で、平川祐弘氏の文が読めたということ。
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ガンバレ産経新聞

2023-12-26 | 産経新聞
産経新聞を購読させてもらっております。
昔、家では朝日新聞をとっておりました。

いつ頃だったか、朝日新聞を読んでいると
何だかイライラしてきてしょうがなかった。
うん。それから毎日読売産経などあれこれ
取っておりました。毎日は丸谷才一氏が
読書欄を充実させていて、ファンでした。
読売は、この中では一番充実してました。
読売歌壇・俳壇は、そこだけでも楽しい。
それと比べると、産経は少し落ちる感じ。
けれど、一紙購読するとなって産経にしました。
そして、今も続いて購読しているのは産経新聞。

はい。こんなことを書いているのは、
産経新聞12月25日の正論欄・藤岡信勝氏の文を読んで
書いてみたくなりました。題は「ラムザイヤー教授の不屈の言論」。
ここには、その藤岡氏の文の最後を引用。

「・・・翌年(2021年)1月、英語発信メディアの『ジャパン・フォワード』
 が報じ、産経新聞が要旨を掲載すると、韓米両国でラムザイヤー教授に
 対する猛烈な非難と迫害、人格攻撃が起った。
 
 彼らにとって、ハーバード大学の教授が、
 『 日本軍慰安婦は売春婦であって性奴隷ではない 』という趣旨の
 学術論文を書くことは予想外のことであり、致命傷となる出来事だった。

 1日目に77通のヘイトレターが届いた。
 殺人を予告するものさえあった。攻撃は3ヵ月やまなかった。
 学問的反論ではなく論文の撤回を求める署名に
 参加した文系学者の数は3500に達した。

 しかし、教授は屈服しなかった。同年(2021年)4月、
 ラムザイヤー教授を支援する集会が日本で開催された。

 ビデオメッセージで教授は
 『 あんたはネットで言われているほどくだらない人間じゃないよ 』
 と言い続けてくれた友人がいなければ
 自分は絶対に生き残ることはできなかった。と述べた。

 この12月から来年の1月にかけて、日本語・韓国語・英語の3つの言語、
 3つの国でラムザイヤー教授の慰安婦論が単行本として出版される。

 日本語版には1991年の論文も翻訳掲載されている。
 吉田清治のつくり話の出版から40年、
 政治的に屈服した禍根の『河野談話』から30年にして、
 慰安婦をめぐる国際歴史論戦はやっと結末を迎えようとしている。」


「慰安婦性奴隷説をラムザイヤー教授が完全論破」(ハート出版)
は2023年12月13日発行されたばかり。

思い浮かんだのは、シェークスピアのソネット集でした。
その第90番の詩の最初と最後とを引用することに。

  いつでも 今でも ぼくがいやならさっさと見切りをつけたまえ
  いま 世間は一体になって ぼくのやることに邪魔をしている
  だから意地わるい運命に加担して ぼくに 参ったと言わせたまえ
  勝負がついてから のこのこ顔を出すのはよしてもらいたい

  ・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・・

  いまは不幸と見える 数かずのなやみや苦しみも
  君を失う不幸にくらべたら ものの数ではないのだ

         ( 中西信太郎完訳「シェイクスピアソネット集」英宝社・昭和51年 )


はい。「産経新聞が読めなくなる不幸にくらべたら」としたくなりました。
ガンバレ 産経新聞。
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50代以上女性向け。

2023-12-24 | 産経新聞
産経新聞12月24日(日曜日)をひらく、
読書欄の「花田紀凱の週刊誌ウォッチング」を見ると、

「 いちばん驚いたのは、ついに雑誌の王者
 『文芸春秋』が20万部を切ったこと。16万5794部。
  今も平台に山積みにしている書店が多いが、
  実売率は50%を切っているのではないか。残念だ。」

ちなみに、週刊誌の『AERA』は、3万4570。
来期から、公表をやめてしまいかねない部数。

「 今期も雑誌のなかで、最大部数は50代以上女性向け
  の実用誌『ハルメク』で、46万4717。 」

読書欄は、「令和5年私の3冊」という特集。
取りあえず、気になる2冊に線をひいてみる。


追記。きさらさんからコメントを頂いたので、
今日のブログの追加文を以下に。

『週刊朝日』は、もう朝日新聞で廃刊にしちゃったようですが、
『週刊朝日』といえば、私には編集長だった扇谷正造の名が思い浮かびます。

はい。浮かぶだけじゃしかたないので、
本からの紹介。昭和22年7月であったと扇谷さんは回想しております。

「ある日、私は、・・2人に呼ばれた。
 広いガランとした部屋には3人しかいなかった。
 2人は、何とかして『週刊朝日』を強い雑誌にしてほしいという。
 
 『・・・今や3万5000部。どうか30万部にして下さい。・・ 』」

「・・・ある日、私は大阪へ出かけた。
 販売店の人たちに集まってもらい、いったい、
 どういう雑誌をつくればいいか、ご意見をきくことになった。
 たしか北尾さんといった。大阪での有力販売店主の方である。

『 扇谷さん、あなた、人を訪問される時、どこからお入りになりますか 』

 ときく。『 ええ、玄関からです 』

『 そうですか。私たちは勝手口から入ります。
  そこで、新聞代金をいただく。・・パッとお金を払ってくださる。
  それに『週刊朝日』が20円ありますが・・・、といいかけると、
  パチンとひらいて、しばらく考えてから払ってくださる。

  その時間は3分か4分かも知れない。けれども、
  私たちには20分にも30分にも感じられる。

  どうか、扇谷さん、『週刊朝日』を
  パチン、パッという雑誌にしてください。 』

 ・・・・ さて、どうつくればいいか。
 このことばをめぐって、ずいぶん、私は考えた。

 ・・・・そのころから漠然とだが、
 ≪ 平均的読者像 ≫ということを考えた。
 それは

『  旧制女学校卒の読解力プラス人生経験10年  』ということで、
 私の『週刊朝日』の時代は、一貫して編集の骨子をそこにおいた。・・」

   ( p246~255 扇谷正造著「夜郎自大」TBSブリタニカ・1982年 )


はい。
「 今期も雑誌のなかで、最大部数は
  50代以上女性向けの実用誌『ハルメク』で、46万4717。 」

この言葉から、私に思い浮かんできたのが、扇谷正造さんでした。

扇谷さんの「 旧制女学校卒の読解力プラス人生経験10年 」を
ハルメクさんは「 50代以上女性向けの実用誌 」としたとしたら
現代的年齢判断で、これはこれで何とも分かりやすいと思いました。

 
コメント (6)
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消えた『インド太平洋』

2023-12-22 | 産経新聞
曽野綾子さんが、産経新聞紙上で健筆をふるっていた頃、
たとえば、産経抄の言葉などを受けて、曽野さんが紙上コラムで
その言葉をさらに展開させていたのでした。
そんな箇所を読めるのを、私は楽しみにしておりました。

はい。こんなことを思い浮かべたのは、
12月17日産経新聞一面左に谷口智彦氏が「日曜コラム」で、
「消えた『インド太平洋』」と題し書かれていたのでした。

すると、夕刊フジ12月21日に、高橋洋一氏の連載「『日本』の解き方」が、
その谷口氏の文を受けて引き続けて書いておりました。
高橋氏のはじまりはこうです。

「元内閣官房参与の谷口智彦氏が産経新聞への寄稿で、
 安倍晋三元首相が掲げた『自由で開かれたインド太平洋』
 という言葉が、岸田文雄政権で使われなくなっていると指摘した。」

ここには、高橋氏のこの連載を引用したくなりました。

「岸田政権における『自由で開かれたインド太平洋』と
 『自由で開かれた国際社会』の使い分けをみると、さすがに、

 日米豪印に関わる演説では『自由で開かれたインド太平洋』が使われているが、
 そのほかでは『自由で開かれた国際秩序』となっているようだ。

 この用法の使い分けで残念なのは、直近の12月16日のASEAN(東南アジア諸国連合)
 首脳会議での岸田首相のあいさつで・・・・・・・  」


うん。高橋氏のこの文の最後を引用したくなりました。

「谷口氏はコラムで岸田政権の用語の変化を中国は歓迎しているはずだという。
 外交は言葉の一つ一つを慎重に吟味して使い、
 外交文書上での言葉のバトルを行うので、
 この谷口氏の指摘は妥当のように著者には思えるがどうだろうか。・・・ 」

ちなみに、この高橋氏の文の見出しは
「 『自由で開かれたインド太平洋』
   岸田首相の使用頻度なぜ減った中国は用語の変化歓迎している 」とありました。

そういえば、月間Hanada2月号の対談「蒟蒻問答」のこの言葉が印象的でした。

堤堯】 だけど、岸田は改憲はやらないだろうね。
   『 私の任期中に憲法改正をやる 』と言ったけど、

    それを聞いた瞬間、こいつはやらないなと思った。
    やる気があるなら、いつの国会で、いつまでに国民投票を、
    などと時期を明示するはずだからね    (p125)




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6人くらい読むかも

2023-12-18 | 産経新聞
ラムザイヤー氏の翻訳本がハート出版からでて注文。

8ページの論文を2020年に発表した時に、
友人から評された言葉からはじまっておりました。

「ある友人はこれを評して、
『 6人くらいの専門家と君のお母さんなら読むかも知れない論文 』
 と言った。

 その時は、それが当たっているように思えた。
 私が書いた論文のほとんどについて言えることだが、
 6人もの人が読んでくれれば上出来としなければならない。

 その上、母は今回の論文には興味を示さないだろう
 ことを私はわきまえていた。・・・・

 年が明けて1月31日、産経新聞が私の論文の
 見事な紹介記事を掲載した。・・・・     」(p22)
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時代の終わりと始まり。

2023-12-02 | 産経新聞
この頃、ユーチューブで高橋洋一さんとか、
さまざまな方の話を聞かなくなって久しい。
その方々の活字を読めばよいのでしょうが、
それも怠っており、すこしは読まなくては。

江崎道朗氏が産経新聞12月1日の正論オピニオン欄に
顔写真入りで書いておられました。ここには、最初と最後とを引用。

「いまの防衛力のままでは日本を守り抜くことはできない。
 ・・・日本政府が有事への準備を始めた。

 昨年12月16日、国家安全保障戦略など『安保3文書』と、
 5年間の防衛関連経費を43兆円程度とすることを閣議決定した際に、
 岸田文雄首相はこう述べた。

『 今回、防衛力強化を検討する際には、各種事態を想定し、
  相手の能力や新しい戦い方を踏まえて、現在の自衛隊の
  能力で我が国に対する脅威を抑止できるか、
  脅威が現実となったときにこの国を守り抜くことができるのか。

  極めて現実的なシミュレーションを行いました。
  率直に申し上げて、現状は十分ではありません。 』

 毎年5兆円もの予算をつぎ込んできたが、
『 脅威が現実となった 』ときに現状の防衛力では、
 不十分だと言ったのだ。・・・           」

真ん中を端折って、つぎは、最後の箇所です。

「 一方、『国民保護のための体制の強化』という項目も新設され、
  武力攻撃の前に『南西地域を含む住民の迅速な避難を実現すべく・・』
  方針が打ち出された。

  これを受けて政府と沖縄県は3月17日、有事の際に、
  台湾に近い先島諸島(宮古島市、石垣市、竹富町、与那国町、多良間村)
  の住民ら約12万人を九州各県に避難させることを想定した、
  初めての図上訓練を行った。そして10月17日、
  松野博一官房長官は避難先の九州各県に対して  
  宿泊先や医療、食料の確保などの初期的計画をつくるよう
  求めるとともに、政府としても先島諸島12万人避難計画を、
  来年(令和6年)度中にもまとめる方針を明らかにしている。

  以上のように、政府主導で地方公共団体との
  連携による『 有事準備 』が始まった。

  戦争や有事などは考えたくないとして、
  軍事を忌避する時代は終わったのだ。   」

ついつい、楽しいことにかまけて日々過ごす自分がおります。
情けないけども、知ろうせずボヤケたままの情報があります。


そういえば、臼井史朗著「疾風時代の編集者日記」(淡交社)に
『時代』ということで、臼井氏が吉田光邦氏と対話した箇所がありました。

「 昭和58年4月16日
  情報メカの極端なる発達について。メカニズムのみが発達するため、
  いかなるものも情報として手に入れることが出来、
  また情報として産業化可能になる。

  ・・・・・・・・

  そのため、情報過剰―不消化の時代―たれ流し時代となる。
  結論としては思想の整理のみに追われて思考を生み出すことが不可能となる。
  思想の残酷時代となる。資本主義の末路にかわるものは何か。
  現代は模索の時代であるということ。      」(p90)

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犬養毅・安倍晋三。

2023-07-09 | 産経新聞
産経新聞7月9日の一面は『安倍元首相銃撃1年』と出ておりました。
阿比留瑠比氏の署名記事でした。
「 ・・・安倍晋三元首相が暗殺された奈良市の
  近鉄大和西大寺駅前を、一周忌の8日に訪れた。
  歴史に残る事件の痕跡も、憲政史上で最長の首相だった
  安倍氏の生涯を表す物も何もないことに無常感を覚えた。
  ただ、ささやかな献花台に訪れた人たちが静かに生花を
  たむけ、祈りをささげていた。・・  」

一面の写真は、その献花台に列して黙祷されている方々の姿がありました。

一面のコラム『産経抄』は、こうはじまっておりました。

「 犬養毅首相を海軍の青年将校が暗殺した『五・一五事件』では、
  すべての被告が極刑を免れている。

  当時の新聞は、偏った立場で裁判を報じた。
  『 動機に至っては、憂国の純情そのもの 』
  『 その悲壮な国士的精神、犠牲的精神の純真さに感動を禁じ得ない 』。

  筒井清忠著『 戦前日本のポピュリズム 』から孫引きした
  複数の新聞記事は、浪花節的な筆致が驚くほどに似ている。・・・

  ・・当時の世情の荒(すさ)みは、想像に難くない。
  裁判からおよそ90年、同じ轍は踏まない――
  と高をくくってはいられないようである。

  安倍晋三元首相を暗殺した男に対し、
  支援の動きが続いているという。・・・・

  言論の自由とは、何を言っても許されることではない。
 『暗殺が成功してよかった』(島田雅彦法政大学教授)と口走ることでもない。
  旧統一教会との関わりに巻き込まれた男の不遇も
  事件を正当化する理由にはならない。・・・      」


はい。あらためて、黙禱とともに、
筒井清忠著「戦前日本のポピュリズム」を注文することに。
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安倍晋三氏の街頭演説。

2023-06-25 | 産経新聞
産経新聞を購読しております。といっても
見出しだけパラパラ見て、テレビ欄を見る程度です。
一面コラム「産経抄」も、ほとんど読みません。

けれど、2023年6月24日の産経抄は忘れたくない。
それでここに再録しておきます。コラムの最後は、

「 安部氏が街頭演説中に凶弾に倒れて、もう1年が経とうとしている。 」

はじまりの方からも適宜引用をしてゆくことに。

「・・・令和元年夏の参院選で安部氏の街頭演説中に
 『辞めろ』『帰れ』などと大声でやじを飛ばし、
 北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた
 訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は22日、男性への
 賠償命令を取り消した。当然だといえる。

 男性は警官の警告を無視して大声での連呼をやめず、
 演説車両に向かって突然走り出すなどしていたのである。

 道警の対応を違法として賠償を命じた昨年3月の1審判決には、
 強い危惧を抱いた。・・警察を、さらに萎縮させると。

 元年7月13日の小欄は、同じ参院選で東京都中野区での
 安部氏の街頭演説中に起きた事件の顛末を紹介している。

 やはり『安部氏辞めろ』と騒いでいた一団が、
 女性に『演説が聞こえない』と注意されても静まらず、果てに
 女性のスマートフォンを取り上げ、地面にたたきつけて壊したのだった。
 ・・・・・

 民主主義の原点といえる街頭演説の邪魔をする『こんな人たち』・・

 1審判決は、演説妨害の過激化や警察警備の弱体化を予感させた。・・ 」
 
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塾と園芸科。

2023-01-06 | 産経新聞
産経新聞2022年12月27日のオピニオン『正論』は、
平川祐弘氏が『英語塾と予備校の過去と現在』と題して書いてました。

うん。一読印象に残っていたのですこし引用することに。

6段ある文の最初の段には、こうあります。

「 能力別教育反対が建前の文科省官僚も子供を塾へ通わせている。 」

こうして、自身の昭和20年代のことを記しております。

「 私も塾で教えた。・・大学院有志が・・
  学期中は日曜日(夏休み中は毎日)、
  数百人の高校生に受験科目を教えた。 」

はい。4段目には、その生徒をとりあげるなかに

「 恵泉女学園の生徒も目立った。
  個性があり、英語力がある。・・  」

はい。ここから『恵泉女学園』へと話しがひろがり
そこが、はじめて知ることなので印象に残りました。

「 塾の草創期、指導者の個性が刻印され、熱気を帯びる。
  恵泉は河井道(1877~1953)が米国留学から帰国して、
  50過ぎて創立したキリスト教主義の英語塾だが、
  後に女子農業専門学校として寮生活をさせた。

  70年前に教えた生徒は(ここは、平川氏が塾で教えた生徒のこと)
  河井女史の謦咳(けいがい)に接した最後の世代だから、
  キラキラしていたのだろう。

  学園の雰囲気はたちまち変わる。
  娘(平川氏の娘さん)は神奈川県伊勢原市にあった
  園芸科の寮で暮らし、五月の学園祭でメイ・クイーン
  に選ばれ、女王の冠を着けて野外で踊ったが、
  惜しいことに園芸科は廃止された。  」

このあとに『河井道』にふれられております。
河井道は

「 伊勢山田の神職の娘だが、
  父は維新後の生活になじめず、一家は北海道に移住、
  道はミス・スミスの宣教師の塾で苦楽を共に生活した。  」

そうして、最後には、岡本嗣郎氏の本を必読文献としてあげてます。

気になっていたので12月28日に注文し、新年になって届く。
 岡本嗣郎著「終戦のエンペラー」(集英社文庫)。
 送料とも320円。滑らかな文章で読みやすそうです。

はい。平川氏の新聞の文の最後を引用しておくことに。

「 9人の生徒を中核に創られた恵泉(けいせん)は、
  昭和の初め畳敷きの英語塾だったが、いつか、
  ひっそり世界を照らすランターンとなった。  」

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夕刊フジを一ケ月講読。

2022-11-10 | 産経新聞
ネットで、文化人放送局を拝見しております。
そうすると、『夕刊フジ』が気になっておりました。
そこでこの11月は一カ月間定期講読してみることに。

ちなみに、新書は、もちろん題名に魅かれて買うこともあり、
新書の小見出しが、スラスラと読めるかどうかの目当てです。
そういう新書読みの私にとって、新聞の見出しも大切になる。

どうも、何を言いたいのか分からない新聞の見出しよりも、
だからって、慰安婦問題や、沖縄サンゴのKY事件など、
どうみても間違っているのに、見出しが躍ると引き寄せられる。
一面でも、二面でも家庭欄でも、社会面でも川柳でも、声欄でも、
新聞のどこのページでも、売れない雑誌AERAの広告見出しでも、
新聞の紙面という紙面をつかうのはどこの新聞社だったでしょう。

いけない。いけない。夕刊フジでした。
11月10日の一面見出しは『防衛費2%増 見せかけ』とある。
うん。なかなか、全国紙では、とんと見かけない見出しです。
こういう見出しが、読みたかったんだ。
私は、これだけで満足してしまいます。
やっぱり活字で読むのは、違いますね。
『見せかけ』の防衛費は、一体何だい。
うん。新聞はこうじゃなくちゃ。

夕刊フジには、どうみてもハニートラップに対する、
免疫効果抜群のページもある。高橋洋一氏の連載も、
全国紙新聞一面コラムよりためになること請け合い。
虎ノ門ニュースが、見れなくなるのは悲しいけれど、
夕刊フジをカンフル剤しようと思う今日この頃です。




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7月9日産経新聞一面。

2022-07-09 | 産経新聞
「 8日午前11時半ごろ、奈良市西大寺東町の
  近鉄大和西大寺駅で、参院選の応援で街頭演説していた
  自民党の安倍晋三元首相(67)が、銃撃された。

  消防などによると、安倍氏は首などから血を流して倒れ、
  心肺停止状態で救急搬送されたが、・・午後5時3分に
  死亡が確認された。

  奈良県警は殺人未遂容疑で奈良市大宮町の職業不詳、
  山上徹也容疑者(41)を現行犯逮捕・・・」

テレビでは、銃撃直前の安倍氏の街頭演説が流れておりました。
淡々と今できる最善をこなしている安倍氏の笑顔がそこにありました。

安倍政権の時もそうであり、岸田政権になってからも
ご自身のできるかぎりを自然体で突き進んでいた姿が
かわらずにあったことが、あらためて思い浮かんできます。
ご冥福をお祈りいたします。

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