月刊雑誌「VOICE」。その「巻頭の言葉」は古森義久氏が連載しております。2007年11月号は「疑惑のチャイナ・マネー」と題して、ノーマン・シューという全米でもトップ級の献金者について解説しております。じつはノーマン・シューは1992年に詐欺や窃盗で禁固3年の実刑判決をうけながら、服役直前に逃亡したままの有罪被告であること。それが解説によると「いやはや、単独の人物による民主党側に絞っての、まさに洪水のような献金なのだ」とあります。誰に献金していたのか。「・・慰安婦決議案のマイク・ホンダ下院議員、さらにはエド・レンデル・ペンシルベニア州知事から民主党全国委員会まで、じつに数が多い。」。そして「アメリカの選挙がきわめてオープンであり、その資金提供には中国政府ときずなをもつような怪人物でも容易に参加できることをあらためて印象づけた。外国勢力がアメリカの政策や態度を自国に利益となる方向へ動かすことが、政治献金という方法で可能なのである。慰安婦決議案に対するホンダ議員の動きなど、いかにもそのメカニズムの機能をうかがわさせる。外国の機関や個人からの政治献金は法律で禁じられているとはいえ、中間にシュー氏のようなクッションを置けば、それも可能になる。・・・」
これについては、産経新聞2007年10月13日「緯度経度」の古森義久氏の文もあります。
さて、2007年11月30日つまり今日の産経新聞をひらいたら、ワシントン・山本秀也氏の署名記事で「カナダ下院、慰安婦決議を採択」とあります。記事のはじめはこうです
「カナダ下院本会議は28日、いわゆる慰安婦問題で日本政府に対して、『公式かつ誠意ある謝罪』を要求する決議を全会一致で採択した。慰安婦問題をめぐる対日非難決議の採択は、米下院、オランダ下院に続き、主要国で3例目となった。・・・」
記事の最後には「決議は米国などと同様、法的な拘束力はない。審議過程での修正によって、決議には戦後日本の国際貢献などの評価も併記された。カナダ下院の決議は、野党・新民主党所属の中国系女性議員、オリビア・チョウ氏らが提案した。」
これに関して、国として対処の仕方が異なるトルコの場合が日本には大変参考になります。
2007年10月10日産経新聞。
古森義久氏の記事。見出しは「アルメニア人虐殺非難決議案 トルコ猛反発 「慰安婦」日本と対応に差」。
そして2007年10月28日産経新聞「日曜日に書く」。ワシントン支局長・山本秀也「非難決議で見えた外交の差」と題してトルコ政府の警告を示しております。ここでは、山本氏の文章から引用してみます。
「1915年に始まる『アルメニア人大虐殺』をめぐり、オスマン・トルコ帝国の歴史責任を追及する米下院の非難決議案である。・・・・嫌でも思いだすのが、下院本会議で採択された慰安婦問題をめぐる対日非難決議だ。結果において対照的となったふたつの決議案だが、その様相や狙いは、もう双子といえるほどの共通項にあふれている。すなわち、
①米国の忠実な同盟国が標的となっている。
②数世代を隔てた歴史責任を現在の政府、国民に問う内容
③歴史の細部に関する議論を避け、「人権」「女性」といった【錦の御旗】に等しい今日的な価値観へのすりかえ――などであある。
いずれの決議案も、セミの冬眠なみに長く下院内でくすぶってきた。今年になって飛翔の機会を得た背景には、昨年の中間選挙における民主党の大勝がある。ブッシュ政権を追い詰める党略が見え隠れしている。・・・・ここで指摘したいのは、当事国ですらない米国の議会が、後付けの正義を振りかざして歴史を裁く愚かさである。歴史に仮託して日本をたたく米国経由の決議攻撃は、今後も繰り返されよう。日米同盟堅持に立つ限り、日本が自国の「重要性」や「魅力」を米国に向けて発信する国を挙げての表現力が求められる。トルコ外交の表現力を見ていて、つくづくそう思う。」
(トルコ外交の表現力について、あまり日本では関心がなさそうなので、あらてめて引用はしませんでした)
これについては、産経新聞2007年10月13日「緯度経度」の古森義久氏の文もあります。
さて、2007年11月30日つまり今日の産経新聞をひらいたら、ワシントン・山本秀也氏の署名記事で「カナダ下院、慰安婦決議を採択」とあります。記事のはじめはこうです
「カナダ下院本会議は28日、いわゆる慰安婦問題で日本政府に対して、『公式かつ誠意ある謝罪』を要求する決議を全会一致で採択した。慰安婦問題をめぐる対日非難決議の採択は、米下院、オランダ下院に続き、主要国で3例目となった。・・・」
記事の最後には「決議は米国などと同様、法的な拘束力はない。審議過程での修正によって、決議には戦後日本の国際貢献などの評価も併記された。カナダ下院の決議は、野党・新民主党所属の中国系女性議員、オリビア・チョウ氏らが提案した。」
これに関して、国として対処の仕方が異なるトルコの場合が日本には大変参考になります。
2007年10月10日産経新聞。
古森義久氏の記事。見出しは「アルメニア人虐殺非難決議案 トルコ猛反発 「慰安婦」日本と対応に差」。
そして2007年10月28日産経新聞「日曜日に書く」。ワシントン支局長・山本秀也「非難決議で見えた外交の差」と題してトルコ政府の警告を示しております。ここでは、山本氏の文章から引用してみます。
「1915年に始まる『アルメニア人大虐殺』をめぐり、オスマン・トルコ帝国の歴史責任を追及する米下院の非難決議案である。・・・・嫌でも思いだすのが、下院本会議で採択された慰安婦問題をめぐる対日非難決議だ。結果において対照的となったふたつの決議案だが、その様相や狙いは、もう双子といえるほどの共通項にあふれている。すなわち、
①米国の忠実な同盟国が標的となっている。
②数世代を隔てた歴史責任を現在の政府、国民に問う内容
③歴史の細部に関する議論を避け、「人権」「女性」といった【錦の御旗】に等しい今日的な価値観へのすりかえ――などであある。
いずれの決議案も、セミの冬眠なみに長く下院内でくすぶってきた。今年になって飛翔の機会を得た背景には、昨年の中間選挙における民主党の大勝がある。ブッシュ政権を追い詰める党略が見え隠れしている。・・・・ここで指摘したいのは、当事国ですらない米国の議会が、後付けの正義を振りかざして歴史を裁く愚かさである。歴史に仮託して日本をたたく米国経由の決議攻撃は、今後も繰り返されよう。日米同盟堅持に立つ限り、日本が自国の「重要性」や「魅力」を米国に向けて発信する国を挙げての表現力が求められる。トルコ外交の表現力を見ていて、つくづくそう思う。」
(トルコ外交の表現力について、あまり日本では関心がなさそうなので、あらてめて引用はしませんでした)