ときどき、本がつながってゆくような、
そんな、快感を味わうことがあります。
あなたも、きっとそういう場面があるかと思います。
今回は、こんなつながりでした。
関容子著「舞台の神に愛される男たち」(講談社)に
13人の俳優やらが登場しているのでした。
そこに、山田太一氏も出てきます。
そこからすこし、関容子さんの語りを引用してみます。
「・・山田さんの描く浅草がなぜそんなに私の心に沁みるのかと言えば、山田さんは浅草、千束の生まれで、私は隅田川を隔てた本所の生まれだし、山田さんの浅草が本物なのがよくわかるからだろう。もう一つ浅草と私のつながりを言うと、生粋の浅草っ子女優の沢村貞子さんとは生前親しいおつきあいだったが、あるとき沢村家の本棚にズラリと山田さんの本が並んでいるのを見て、やっぱり同郷のよしみでお好きなんだなぁ、と思ったものだった。」(p283~284)
この箇所を読んでから、
新刊の「沢村貞子の献立日記」(とんぼの本・新潮社)をひらくと、
そこには山田太一氏の文章が載っているのでした。
まあ、そこから古本を注文して、
沢村貞子著「老いの道づれ」(岩波書店)を読むと、
どうやら、沢村さんのご主人・大橋恭彦氏が
山田太一氏を褒めていらしたことがわかるのでした。
ということで、
光文社文庫の大橋恭彦著「テレビ注文帖」を
古本で注文
花木堂書店(愛知県蒲郡市)
700円+送料100円=800円
それが、今日とどく。
「テレビ注文帖」のまえがきに
「・・失意の底にいたある日、思いがけなく『暮しの手帖』の花森安治さんにお目にかかる機会に恵まれた。・・初対面の日から数日後、『うちの雑誌でテレビ番組について何か書いてみては・・』というお勧めをうけた。私は一瞬絶句した。永年、映画ジャーナリストとしてその末席を汚してはきたが、ことテレビに関しては何の知識もない。・・・・私が茶の間のテレビの前で終日坐りつづける孤独で寡黙な生活をはじめたのは、その翌日からである。そして十五年の歳月が流れた。ジャン・ギャバンを魅力的で粋な俳優だったとその死を悼み、相当な映画ファンでもあった当の花森さんも先年、亡くなられた。・・・」
この文庫には、後半に山田太一についての文が続くのでした。
そこから、すこし
「数日前、テレビドラマの優秀作を選ぶ批評家集団の予選があって、山田太一の≪ふぞろいの林檎たち≫が、有力候補にあげられているという話をきいた。・・私もひと足早く、十一月末の時点で東京新聞に書いた年間回顧の小文で、同じ山田作品≪早春スケッチブック≫の斬新なモチーフを、その構成手法の卓抜さなどを高く評価して第一位に推した。」
そして、山田作品を
「発表される一作一作の発想に、きわだった独創性があり、つねに視る者の心をゆさぶり、あつい共感をよびおこし、それが次第にある種の感動にまで高められてゆく――この山田太一のオリジナル・ドラマの作劇術に、もしも秘訣のようなものがあるとしたら、それはなんだろう。私はこの数年、ドラマ好きの一人の視聴者として、そのことを考えつづけてきた。・・」
こうして、「独創・山田太一のドラマ」という文は、
「早春スケッチブック」と「ふぞろいの林檎たち」の場面を再現してゆくのでした。
さて、ここから、「早春スケッチブック」へと、
つい、触手を伸ばしたくなるのですが、
深追いは禁物。ここまで(笑)。
いつか、
「早春スケッチブック」を読みたくなる機会が
くるかもしれませんが。今回は、
この地点から、きびすを返すことに。
そんな、快感を味わうことがあります。
あなたも、きっとそういう場面があるかと思います。
今回は、こんなつながりでした。
関容子著「舞台の神に愛される男たち」(講談社)に
13人の俳優やらが登場しているのでした。
そこに、山田太一氏も出てきます。
そこからすこし、関容子さんの語りを引用してみます。
「・・山田さんの描く浅草がなぜそんなに私の心に沁みるのかと言えば、山田さんは浅草、千束の生まれで、私は隅田川を隔てた本所の生まれだし、山田さんの浅草が本物なのがよくわかるからだろう。もう一つ浅草と私のつながりを言うと、生粋の浅草っ子女優の沢村貞子さんとは生前親しいおつきあいだったが、あるとき沢村家の本棚にズラリと山田さんの本が並んでいるのを見て、やっぱり同郷のよしみでお好きなんだなぁ、と思ったものだった。」(p283~284)
この箇所を読んでから、
新刊の「沢村貞子の献立日記」(とんぼの本・新潮社)をひらくと、
そこには山田太一氏の文章が載っているのでした。
まあ、そこから古本を注文して、
沢村貞子著「老いの道づれ」(岩波書店)を読むと、
どうやら、沢村さんのご主人・大橋恭彦氏が
山田太一氏を褒めていらしたことがわかるのでした。
ということで、
光文社文庫の大橋恭彦著「テレビ注文帖」を
古本で注文
花木堂書店(愛知県蒲郡市)
700円+送料100円=800円
それが、今日とどく。
「テレビ注文帖」のまえがきに
「・・失意の底にいたある日、思いがけなく『暮しの手帖』の花森安治さんにお目にかかる機会に恵まれた。・・初対面の日から数日後、『うちの雑誌でテレビ番組について何か書いてみては・・』というお勧めをうけた。私は一瞬絶句した。永年、映画ジャーナリストとしてその末席を汚してはきたが、ことテレビに関しては何の知識もない。・・・・私が茶の間のテレビの前で終日坐りつづける孤独で寡黙な生活をはじめたのは、その翌日からである。そして十五年の歳月が流れた。ジャン・ギャバンを魅力的で粋な俳優だったとその死を悼み、相当な映画ファンでもあった当の花森さんも先年、亡くなられた。・・・」
この文庫には、後半に山田太一についての文が続くのでした。
そこから、すこし
「数日前、テレビドラマの優秀作を選ぶ批評家集団の予選があって、山田太一の≪ふぞろいの林檎たち≫が、有力候補にあげられているという話をきいた。・・私もひと足早く、十一月末の時点で東京新聞に書いた年間回顧の小文で、同じ山田作品≪早春スケッチブック≫の斬新なモチーフを、その構成手法の卓抜さなどを高く評価して第一位に推した。」
そして、山田作品を
「発表される一作一作の発想に、きわだった独創性があり、つねに視る者の心をゆさぶり、あつい共感をよびおこし、それが次第にある種の感動にまで高められてゆく――この山田太一のオリジナル・ドラマの作劇術に、もしも秘訣のようなものがあるとしたら、それはなんだろう。私はこの数年、ドラマ好きの一人の視聴者として、そのことを考えつづけてきた。・・」
こうして、「独創・山田太一のドラマ」という文は、
「早春スケッチブック」と「ふぞろいの林檎たち」の場面を再現してゆくのでした。
さて、ここから、「早春スケッチブック」へと、
つい、触手を伸ばしたくなるのですが、
深追いは禁物。ここまで(笑)。
いつか、
「早春スケッチブック」を読みたくなる機会が
くるかもしれませんが。今回は、
この地点から、きびすを返すことに。