映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

中山美穂 love letter

2010-08-06 18:51:53 | 映画(自分好みベスト100)
「Love Letter」(ラヴレター)は、1995年公開された岩井俊二監督の日本映画である。 中山美穂、豊川悦司主演。死んだ元恋人の住所に宛てた恋文からはじまる、雪の小樽と神戸を舞台にした素敵なラブストーリーである。傑作という噂にもかかわらず、DVDレンタル化されていなかった。今回中山美穂久々の主演「サヨナライツカ」と一緒にレンタル化された。
ストーリー、俳優、演出、音楽、撮影ともすばらしい傑作である。

中山美穂は2年前に亡くなった元恋人の3回忌に出席していた。帰りに元恋人の家に寄ったときに、中学の卒業アルバムを母親の加賀まり子から見せてもらった。アルバムに記されていた恋人「藤井樹」の小樽時代の住所へと封書を出した。母からは道路立ち退きでその住所に家はないと聞いていた。しかし、小樽では一人二役となる「藤井樹」こと中山美穂が封書を受取った。彼女は縁のない神戸から、見ず知らぬ名前の手紙が来て驚いたが、逆に不審に思い返事を書いた。もっと驚いたのは神戸の美穂だ。昔からの知り合いの陶芸家である豊川悦司にその話をした。
つまり中山美穂が卒業アルバムの住所を写したのは、同姓同名の「藤井樹」の住所で二人は中学の同級生であったのである。。。。そして奇妙な文通が始まるのである。

小樽が実に美しい。父の故郷である小樽を冬に訪れた事はない。父も小学校1年に東京に引っ越してきたこともあり、長くは住んでいない。数度の訪問はいずれも夏であった。青春時代を映し出す小樽の街も趣きがある。小学校1年に最初に行ったとき、戦前に父が祖父たちと住んでいた家を見た。そのあと14年ほどたって再度訪れた。その家も街の様子もまったく変わっていないので驚いた。最近は変わったとの話も聞くが、戦前に満州、樺太貿易で全盛時代を迎えた小樽の歴史は長い間止まったままだったのであろう。



音楽が非常にしっとりしている。雪景色にあっている。実に美しい画像だ。
青春時代の映像もいい。純愛映画というべきであろう。
そこに映し出される感情が純粋だけにハートに染みいる。久しぶりの感動だ。

雪景色に同化する中山美穂が素敵だ。今から16年前というときは、彼女にとってピークであったと思う。常にヒットチャート上位に入って、トレンディードラマも連続で出ているころだった。このころの中山美穂の歌はほぼ歌える。「サヨナライツカ」の彼女もきれいかもしれない。でも相応の年に純愛を演じる彼女の可憐さにはかなわない。
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しあわせの隠れ場所  サンドラブロック

2010-08-06 09:03:58 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
スラム街に生まれ、ホームレスのような生活を送っていた人並み外れて巨漢の黒人青年が、裕福な白人女性サンドラブロックの一家に家族として迎え入れられ、アメフト選手としての才能を開花させていく姿を描く。アメリカンドリームというべきなのであろうか?いや違う。リッチマンがペットのように貧しい青年を育て上げていく信じられないような心温まる作品だ。



肉親兄弟と生き別れになった一人の黒人の若者は白人中心の名門ハイスクールに入学する。しかし学力は最低レベルだった。真冬の寒い夜に半袖短パン姿で歩いていた彼を見かけたサンドラ・ブロックは彼を自宅へと連れ帰る。サンドラには同じハイスクールに通う娘とまだ小学生の息子ががいた。夫はスーパーのチェーン店を手広く経営していた。応接間のソファーに彼を寝かしたサンドラだが翌朝起きてみると彼はこっそり出て行こうとしていた。彼女は彼を引き留め数日後には彼のための部屋に新しいベッドを用意する。これに対してマイケルがベッドが初めてだと述べたことに対してサンドラは驚き、周囲の反対を押し切り、自分の身内のように育てようとするが。。。。



このあと彼はアメリカンフットボール選手としてのキャリアを積んでいく。しかし、成績はよくないので、プレイヤーとしての能力があっても下手をすると大学に行けなくなってしまう。そこで登場するのが家庭教師キャシー・ベイツだ。映画「ミザリー」の彼女を想うドッキリとするが、いつもながらの安定感のある演技であった。

まだ貧しかったころの日本では、地元の素封家がスポンサーとして優秀な学生を書生として育て上げていくのが当たり前のようにあったらしい。誰もが一定以上の収入を得ることが可能になった日本では、こういう話は信じられないことのようだ。しかし、貧富の激しいアメリカ社会では、明らかな下層社会がまだ存在する。そういう層をを助けようとする人たちがいることには驚かされる。今の日本よりハートフルではないか?

サンドラブロックは言い出したら聞かない強情な中年女性をいかにも「らしく」演じている。この作品で念願のオスカー主演女優賞をとった。作品の内容にも恵まれたのかもしれない。こういったハートフルな映画は安心して見ていられる。ヒットしたのもうなずけられる。
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