映画とライフデザイン

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映画「リアル  完全なる首長竜の日」 佐藤健&綾瀬はるか

2013-06-05 17:50:46 | 映画(日本 2013年以降主演男性)
映画「リアル 完全なる首長竜の日」を劇場で見た。

当代きっての人気俳優佐藤健と綾瀬はるかの主演作。なぜか2人の作品は相性悪くない。
予備知識なしにみた黒沢清監督の映画だ。途中まで凡長と思える部分も多く
一瞬眠くなる場面もあったが、ラスト20分一気に目が覚めた。この展開はなかなかだ。

まず恋人同士の浩市(佐藤健)と淳美(綾瀬はるか)2人を映す。2人は小学校の同級生で離島で小さい頃一緒だった。
漫画家の淳美は1年前に自殺未遂で昏睡状態に陥り、いまも眠り続けていた。浩市は淳美を目覚めさせるため、「センシング」という最新医療技術を使って淳美の意識の中へ入り込む。彼女がなぜ自殺を図ったのかは不明であり、その原因を探らなくては、仮に意識を取り戻したとしても再び自殺を繰り返す恐れがあると、担当する精神科医・相原(中谷美紀)から言われていた。

センシングは何度も続く。中で出会った淳美は、浩市に「小学校の時見た首長竜の絵を探してきてほしい」と頼む。浩市はその絵を探すために一緒に暮らしていない母親(小泉今日子)の元をおとづれた。見つからない。しかし、センシングを繰り返すうちに、浩市は少年の幻覚を見るようになったが。。。

映画を見て途中までは、自主映画を見ているような錯覚にとらわれた。
ゾンビが出てきたとき、いかにも学生の素人がつくる映画のような変装だし、佐藤健が自動車に乗っている姿を映す時も、車窓の外が50年代の映画を見るような稚拙さで素人作りのような印象を得た。
アメリカ映画などに比べて稚拙な装置には呆れるしかない。
それくらい予算がない映画なのであろうか?

ほとんどが医療先進技術の機械「センシング」により、佐藤健が綾瀬はるかの意識の中に入る映像である。2人の会話が中心だが、漫画雑誌の編集部のオダギリジョーや染谷君がからんでくる。綾瀬が自殺未遂をして一年たって、連載をどうするなんて話を何度も相談している。
そんな話も見ているうちに疲れてきて、少し眠くなってきた。


そんな時それまでの前提が大きく変わる。数学でいう180度の一次変換だ。
突如目が覚める。
何これ?!

そこから急に緊張感が高まる。
しかも、1年間昏睡が続いたあとで危篤状態になるのである。心臓も停止する。もうだめなのかと思った後で、脳波だけは動いているだろうということで再度「センシング」にトライするのだ。そしてこだわりの原因がわかってくるのである。そして、意外な展開に進む。
ネタばれで言えないのが残念だが、思わず座席でのけぞるような感じになってしまった。どうラストを持っていくのか?ドキドキしてしまった。
この映画は先入観なしで見た方が楽しめるかもしれない。


お互いの意識の中に入れるというのが実現するようになるのであろうか?
これはいずれできそうな気もする。

母親が死ぬ前、モルヒネの注入もあり意識がなくなった。
目を開けようとしているのであるが、白目にしかならない。何かを訴えているような気もするがわからない。そんな状態になったときに何を考えているのか聞きたい気もした。
こういうとき意識の中に入っても不満ばかりが出てくるような気もするが、思っていることを探ってみたい気もした。言い残したこと、いってくれるかもしれない。

終わりよければそれでよし。そんな言葉が似合う映画だ。
コメント
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