映画「PERFECT DAYS」を映画館で観てきました。
映画「perfect days 」はドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督の作品で役所広司がカンヌ映画祭主演男優賞を受賞した作品である。ヴィムヴェンダースの監督作品ではロードムービーの名作「パリテキサス」が好きだ。ジンワリと心に残る。オール東京ロケで言語は日本語、役所広司はトイレ清掃員を演じる。トイレ清掃に従事している役所広司を映し出している予告編を観たけど、まさか清掃作業のルーティンだけのストーリーではないだろう。先入観なく映画館に向かう。
見上げると東京スカイツリーが見える古いアパートの一室に住む平山(役所広司)は東京の公衆トイレの清掃員だ。朝早く起きて軽のバンに乗って、各地のトイレをまわって清掃作業をする。仕事は丁寧だ。平山の日常生活と、同僚や行きつけの飲み屋などでの触れ合い、家出してきた姪との交情を淡々と描いていく。
シンプルな佳作だ。
セリフは少ない。ほぼオールロケで、役所広司の動静をカメラが追っていく。役所広司が清掃にいく公園などにある公衆トイレの建物のデザインがいずれも斬新なので驚く。便器も最新式でウォシュレットもつく。普通街の公衆トイレはこんなにきれいではない。その一方で、役所広司が住むアパートは昭和40年代に建てられたと思しき風呂なしの古いアパートで、本とカセット以外は荷物も少ないシンプルな部屋だ。
朝目覚めて出発の準備をした後でバンを運転しながらカセットテープの古い洋楽に耳を傾ける。曲の選択のセンスは抜群だ。現地での休息時にはフィルムカメラで写真を撮る。トイレ清掃作業した後は、銭湯で身を清めて、浅草駅地下の一杯飲み屋でハイボールを飲む。たまに美人ママのいる居酒屋にも寄り、帰るとフォークナーや幸田文の文庫本を読みながら静かに寝る。そんな毎日に少しづつ変化がある。小さなエピソードを積み上げる。
自分がもしこれから1人住まいをするなら、こんな生活をするのかな?と感じていた。映画を観ながら、遠方に行くというわけでないけれど、ロードムービー的な感覚があるなとも感じる。役所広司はほぼ出ずっぱり。あえて類似している映画をあげるとジム・ジャームッシュ監督の「パターソン」かな。バス運転手の日常を日めくりで静かに追っていくその映像作りに似ている。
山田洋次と吉永小百合が組んだ「こんにちは、母さん」も東京スカイツリーを見渡す隅田川沿いの光景が再三映り、この映画と似たようなロケ地だ。隅田川に架ける桜橋を自転車で渡る役所広司の表情が清々しい。吉永小百合も銭湯に行っていたな。ホームレスを田中泯が演じるのは両作で共通する。
この映画を観て驚いたことがいくつもある。こんなにハイセンスな公衆トイレがあるとは知らなかった。調べると、渋谷区がユニクロなどと組んだプロジェクトのようだ。隈研吾などの日本を代表する建築家が設計している。恵比寿駅前のトイレだけは知っていた。それと、古いカセットテープの買取価格がそんなに高いのかと驚く。
後は、石川さゆりが出てきた時も驚いた。役所広司が常連の店に入った時、着物姿の美人女将がいる。アレ!石川さゆりかな?、声がちょっと違うかな?そう思っていたら、歌い始めて背筋がゾクッとした。間違いない。「朝日のあたる家」を歌う石川さゆりに感動した。こんな店あったら週3行くな。元夫役で三浦友和がでてくる。出番は少ない。
すごい傑作とまでは思わない。でも、無口な中年の役所広司の少ないセリフと妹に再会した時の感極まる姿がジンワリと心に残る。
映画「perfect days 」はドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督の作品で役所広司がカンヌ映画祭主演男優賞を受賞した作品である。ヴィムヴェンダースの監督作品ではロードムービーの名作「パリテキサス」が好きだ。ジンワリと心に残る。オール東京ロケで言語は日本語、役所広司はトイレ清掃員を演じる。トイレ清掃に従事している役所広司を映し出している予告編を観たけど、まさか清掃作業のルーティンだけのストーリーではないだろう。先入観なく映画館に向かう。
見上げると東京スカイツリーが見える古いアパートの一室に住む平山(役所広司)は東京の公衆トイレの清掃員だ。朝早く起きて軽のバンに乗って、各地のトイレをまわって清掃作業をする。仕事は丁寧だ。平山の日常生活と、同僚や行きつけの飲み屋などでの触れ合い、家出してきた姪との交情を淡々と描いていく。
シンプルな佳作だ。
セリフは少ない。ほぼオールロケで、役所広司の動静をカメラが追っていく。役所広司が清掃にいく公園などにある公衆トイレの建物のデザインがいずれも斬新なので驚く。便器も最新式でウォシュレットもつく。普通街の公衆トイレはこんなにきれいではない。その一方で、役所広司が住むアパートは昭和40年代に建てられたと思しき風呂なしの古いアパートで、本とカセット以外は荷物も少ないシンプルな部屋だ。
朝目覚めて出発の準備をした後でバンを運転しながらカセットテープの古い洋楽に耳を傾ける。曲の選択のセンスは抜群だ。現地での休息時にはフィルムカメラで写真を撮る。トイレ清掃作業した後は、銭湯で身を清めて、浅草駅地下の一杯飲み屋でハイボールを飲む。たまに美人ママのいる居酒屋にも寄り、帰るとフォークナーや幸田文の文庫本を読みながら静かに寝る。そんな毎日に少しづつ変化がある。小さなエピソードを積み上げる。
自分がもしこれから1人住まいをするなら、こんな生活をするのかな?と感じていた。映画を観ながら、遠方に行くというわけでないけれど、ロードムービー的な感覚があるなとも感じる。役所広司はほぼ出ずっぱり。あえて類似している映画をあげるとジム・ジャームッシュ監督の「パターソン」かな。バス運転手の日常を日めくりで静かに追っていくその映像作りに似ている。
山田洋次と吉永小百合が組んだ「こんにちは、母さん」も東京スカイツリーを見渡す隅田川沿いの光景が再三映り、この映画と似たようなロケ地だ。隅田川に架ける桜橋を自転車で渡る役所広司の表情が清々しい。吉永小百合も銭湯に行っていたな。ホームレスを田中泯が演じるのは両作で共通する。
この映画を観て驚いたことがいくつもある。こんなにハイセンスな公衆トイレがあるとは知らなかった。調べると、渋谷区がユニクロなどと組んだプロジェクトのようだ。隈研吾などの日本を代表する建築家が設計している。恵比寿駅前のトイレだけは知っていた。それと、古いカセットテープの買取価格がそんなに高いのかと驚く。
後は、石川さゆりが出てきた時も驚いた。役所広司が常連の店に入った時、着物姿の美人女将がいる。アレ!石川さゆりかな?、声がちょっと違うかな?そう思っていたら、歌い始めて背筋がゾクッとした。間違いない。「朝日のあたる家」を歌う石川さゆりに感動した。こんな店あったら週3行くな。元夫役で三浦友和がでてくる。出番は少ない。
すごい傑作とまでは思わない。でも、無口な中年の役所広司の少ないセリフと妹に再会した時の感極まる姿がジンワリと心に残る。