映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「インディジョーンズ 運命のダイヤル」 ハリソンフォード

2023-07-03 06:00:39 | 映画(洋画:2022年以降主演男性)
映画「インディジョーンズ 運命のダイヤル」を映画館で観てきました。


映画「インディジョーンズ 運命のダイヤル」ハリソンフォードの人気シリーズの新作だ。前作から15年ぶりになる。「ブレードランナー」の続編を2017年に公開した時と同様に今や80歳になるハリソンフォードが,現役最後を意識してかの登場である。これは見逃せない。

インディジョーンズシリーズはこれまでスティーヴン・スピルバーグがメガホンを持っていたが,今回は「フォード&フェラーリ」「ナイト&デイ」等でスリリングなアクション映画を作っているジェームズ・マンゴールド監督に交代してスピルバーグはプロデュースに回る。ジョンウィリアムズのおなじみのテーマソングが鳴るだけでリアルタイムで観てきた自分はワクワクしてしまう。ディズニーシーのアトラクションに行った時にしか聞けない曲だったのに、映画館の大画面を見ながら体感するのは快感だ。

1945年の映像からスタートする。ナチスドイツが世界大戦に敗れてヒトラーが自ら命を絶った後、ナチスの残党たちがアルプスを走る列車に乗って戦果品として奪った骨董品を持って逃走している。そこにはドイツの物理学者フォラー博士(マッツミケルセン)が乗り合わせていた。考古学者のバジル(トビージョーンズ)とインディジョーンズ(ハリソンフォード)はナチス残党にいいように奪われまいとする。そこで運命のダイアルの一部を持ち去る。

冒頭いきなりのアクションシーンである。例によっての活劇的躍動感を感じる。ナチス残党を相手にインディジョーンズはこれでもかとピンチに見舞われる。おそらくはCG処理されたと思われる昔の顔でハリソン・フォードが登場する。ジョン・ウィリアムスの音楽がうるさすぎる位に高らかに流れ、ハラハラドキドキの興奮を増長させる。


時代はアポロ計画で月面着陸に成功した1969年に移る。インディジョーンズは大学の考古学の教授になっていた。学生たちのやる気のなさに嫌気がさしてそろそろ辞職しようとしていた時、講義でジョーンズの質問に答える女子学生がいた。旧友ですでに亡くなっていたバジルの娘ヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)だった。倉庫にあった運命のダイアルを旧友の娘とついつい気を許してしまいカネに強欲なヘレナに持ち逃げされる。

世界の各地にロケ地を移してくれて視覚的に楽しく観れた。
ディズニーとパラマウント映画が組んで、いかにもカネがかかっている作品ですべてに余裕を感じられる。モロッコ、ギリシャエーゲ海、シチリアと場所を移す。いきなり映る列車の上での逃走劇は、同じようなアクション映画で観てきたようなものと文法的に同じで既視感がある。それでも楽しい。

それよりも映画の中でもっとも興奮したのは、宇宙飛行士の歓迎パレードで馬に乗るハリソンフォードのシーンとモロッコの街角でのカーチェイスだ。これには度肝を抜かれる。

⒈度肝を抜かれるシーン
ナチスのロケット開発に携わっていたことで、戦後アメリカの宇宙計画のために引っ張られたフォラー博士(マッツミケルセン)は月面着陸の功績で大統領に招かれていたにもかかわらず、「運命のダイアル」を奪いとるのを優先する。月面着陸に成功した宇宙飛行士を歓迎するパレードのど真ん中で、インディジョーンズは馬を走らせて逃げまくる。地下鉄の線路の中で馬を走らせるシーンはスタントを使ったり、VFXで調整したりしていてもすごい。

あとはモロッコのタンジェの細い道を追いかけっこするシーンは実に痛快で、撮影の難易度は高い。モロッコのカーチェイスも「007シリーズ」や「ボーンシリーズ」での既視感はあってもすごい。ドキドキするというより思わず吹き出してしまう。モロッコは映画界に開放的な国で、別の中東の国を舞台にした設定でも多くのアクション映画がモロッコで撮られている。懐の深さを感じる。


⒉豪華な脇役
デンマークの名優マッツミケルセンは007のカジノロワイヤルで名を売ってから、メジャー映画から声が掛かるようになった。でも、昔ほど得体のしれない怖さが半減しているので、この映画でも悪役的凄みが弱いのが残念。スペインのアントニオバンテラスをエーゲ海の海底の秘宝を探るダイバーとして登場させた。「え!これだけ」という登場の仕方にしたのはぜいたくな金の使い方としかいいようにない。ミケルセンもバンテラスはいずれも母国映画では主演しかない存在だ。

⒊元ナチスでアポロ計画を仕切った科学者
今回アポロ計画でフォラー教授が協力していたというストーリーになっている。これって大丈夫なの?と思ってしまう。アポロが月面着陸した翌年1970年の大阪万博では月の石をみるために小学生だった自分も大行列に並んだ。むろん月面着陸のTV放送は家族そろってどこの家でも見ていたし当時の日本では大騒ぎだった。


当時の少年向けの雑誌では、戦前ナチスドイツでV2ロケットを開発したブラウン博士が、その能力をかわれてアメリカに行きアポロ計画に大きく関与した記事が取り上げられていた。ドイツ人のブラウン博士のおかげで月面着陸できたのは当時の日本人で知っている人は少なくないはずだ。明らかなモデルがいるのに、悪者にしてしまって大丈夫かと思うのである。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画「トゥ レスリー」アン... | トップ | 映画「無情の世界」 唐田えりか »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画(洋画:2022年以降主演男性)」カテゴリの最新記事