映画「サタデーナイト・フィーバー」は1977年のアメリカ映画、日本では1978年(昭和53年)公開
Netflixにサタデーナイトフィーバーが見れることに気づく。ロードショーしてすぐに観てからはや43年、あの衝撃をいまだ引きずっている。丸13 年ブログをやって、どこかで紹介した気もしたが、記事が見当たらない。ここで一旦振り返ってみる。ストーリーの大枠は頭に入っている。まあ、誰もが知っているストーリーなので、ネタバレも構わないであろう。
ステインアライブの曲に乗せてさっそうとジョントラボルタが登場する。おなじみのシーンだ。このシーンを見ているだけで気分は高揚する。ベトナム戦争も終戦に至った後の、能天気なアメリカの雰囲気がお気楽な感じで良い。
⒈ブルックリンのイタリアン移民とトラボルタ
家族の中での会話がどうだったかは覚えていなかった。久々見ると、へーそうだっけという感じだ。家族の仲は良いが、いくつも問題を抱えている。父親は失業中、兄貴は教会の神父だったが、やめてしまう。それを聞いて父母ともにがっかりだ。19才のトラボルタは塗装店で勤めている。ペンキ職人ではない。気楽な職場のようだ。すべては週末のディスコで踊ることにかけている生活だ。アルパチーノとブルースリーのポスターが貼ってある部屋でビシッと髪を決めていざ週末のディスコに出発だ。
⒉アネット(トラボルタにすり寄る女)
トラボルタとその不良グループにつきまとう女の子だ。コンテストもトラボルタと一緒に出ようと望んでいる。映画がはじまりすぐ「ディスコインフェルノ」でペアで踊る。常にトラボルタに抱いてもらいたくて仕方がない。トラボルタにその気はないが、無理やり車の中でやってくれアネットがと誘う。その時にトラボルタに聞かれる。避妊具あるのって?
仲間の1人がはらませちゃってということもあるが、トラボルタも妙に慎重だ。ないという言葉に興ざめする。それでも、アネットの方はあきらめない。別の機会にきっちりコンドームを用意する。その時は別のダンスパートナーに気持ちが向かっているので、トラボルタはその気にならない。
何気ないそのシーンだけど、今から40年以上前、この女の子の気持ちってよくわかるわよ。と当時20代になる寸前の数人の女の子に言われた。好きな男のためになんとかしてあげようという気持ちって当時青二才の自分には意味不明だったが、歳をとるうちにわかるのかな?
⒊ステファニー(トラボルタとコンテストにでる女)
トラボルタとその仲間が常連のディスコに突如現れた周囲と違うタッチのダンスを踊る女である。トラボルタも一気に惹かれる。でも、この男格下だわという蔑んだ目をトラボルタに浴びせる。ところが、ディスコのDJがやっているダンス教室で偶然出会うのだ。いったんはふられても猛烈アタック。結局パートナーになる。
マンハッタンで働いているらしい。やれキャットスチーブンスにあったとか、ローレンスオリビエにあって話したとか見栄っ張りである。近々マンハッタンに住むんだと自慢げに話す。トラボルタも「気取り屋」だと思っているが、まずはパートナーになってもらうのが先決と聞き流す。
こういう女のキャラを映画を見た大学生時代はよく理解できなかった。今となってみれば、なんじゃこの女偉そうにという感じである。そういう女を対比に登場させるというシナリオに深みを感じる。実は、トラボルタは突っ張ってそうで自分の立場を理解して意外に謙虚である。大学へ行って立身出世しようなんて気持ちも偉ぶっているところはまったくない。
この辺りのギャップも1つの見所にも思えてくる。
⒋歴史的なダンス①:ナイトフィーバー
映画のポスターで右手を大きく上に上げるトラボルタに惹かれてどれだけの数の若者がディスコに向かったであろう。この時代にコンテンポラリーだった自分はなんて幸運だったのであろう。トラボルタが戦場たるダンスフロアに入り込むと、いきなりステップダンスでみんなと歩調を合わせる。
自分が高校生だった昭和50年代初頭、東京のディスコはまだ不良の溜まり場の域を超えてはいない。その頃のディスコは赤坂のビブロス、ムゲンという別格を除くと、みんなが曲に合わせて同じ踊りを踊るステップダンスが中心である。でも、映画が公開された1978年(昭和53年)はそうではなかった。割と自由に踊っていた。でも、みんな同じようにステップを踏む曲がいくつかある。その一つが邦題「恋のナイトフィーバー」である。要は映画のステップの再現だ。
軟派大学生や就職が決まりそうなませた女子高校生がナンパ島とも言われる伊豆七島に向かう。新島や神津島や式根島でみんな民宿に泊まるわけである。どこの島にも臨時に設営したディスコがある。そこで東京と同じように踊るわけである。まあ、誰にとっても青春の素敵な1ページであろう。ナイトフィーバーを聞いた回数は何百万回といっても大げさではない。1978年3月から5月にかけて8週にわたって全米ヒットチャート1位だ。
⒌歴史的なダンス②:ユーシュッドビーダンシングとビージーズ
この映画でトラボルタがもっとも躍動的なソロダンスを踊る時に、you should be dancing が流れる。ビージーズがディスコタッチの曲で見事不死鳥のように蘇る曲だ。
自分が小学生の頃、1968年日本でも「マサチューセッツ」が流行った。洋楽が好きな兄貴のいる友人に教えてもらい好きになる。TVで洋楽を流す番組で随分とかかっていた。その後1971年映画「小さな恋のメロディ」が日本で大ヒットした。同時期に「ある愛の詩」が流行っていたニクソンドルショックの年である。その中で流れる「メロディフェア」も日本だけで大ヒットする。でも、アメリカでは同時期に「傷心の日々」が全米ナンバーワンになるのに、日本ではシングルカットされていない奇妙な現象になった。
その後ビージーズの存在すら頭にない高校生時分に、突如ディスコのリズムで流れるビージーズの甲高い声に気づく。これは衝撃だった。実はJive Talkinという曲がディスコタッチでヒットしたのであるが、印象が薄い。you should be dancingを聞いてまだ頑張っているなとうれしくなった。1976年9月の全米ヒットチャート1位だ。でも、それは本当の意味でのフィーバーの序奏曲にすぎなかった。
ダンスフロアにいるみんなも後ろに下がって、トラボルタのダンスに見入る。これも歴史的なダンスだ。ものすごい超絶技巧を使っているわけでない。ノリのいいロックのリードギターの響きに魅せられるような気分なのかもしれない。
ポスターのトラボルタの姿に合わせて、フィーバーのポーズをディスコでみんなとるようになる。あと5年以上早く生まれていたら学園紛争の洗礼を受けたのであろうか?こればかりはわからない。
⒍歴史的なダンス③:モア・ザン・ア・ウーマン
トラボルタとステファニーがコンテストで踊る曲である。サタデーナイトフィーバーLPレコード1枚目黄金のA面の4曲目だ。ある意味映画の中で見どころと言える場面であろう。ディスコのダンスフロアで見つけたマンハッタンで働く女性に惹かれる。これまで見たことないタイプの女性だ。ダンス教室で偶然再会してトラボルタが猛アタック!いやいやステファニーが受け入れた後で、一緒にレッスンし、コンテストに登場する。
タバレスがもう少しアップテンポな同じ曲を歌っているのはダンス教室でかかる。ここではしっとりとビージーズが歌う曲に合わせる。名曲である。鮮やかに2人でステップを踏んだ後、ダンスのクライマックスでトラボルタとステファニーがディープキスをする。キスのあとでうっとりした目をしたステファニーがイキイキとみえる。見所のひとつだ。ただ、この後で踊るプエルトリコの2人がラテンミュージックに合わせて華麗なダンスをするのだ。でも、トラボルタはそっちの方が上手いとトップ賞を譲ってしまう。
そんなストーリーはいつ見ても楽しい。
Netflixにサタデーナイトフィーバーが見れることに気づく。ロードショーしてすぐに観てからはや43年、あの衝撃をいまだ引きずっている。丸13 年ブログをやって、どこかで紹介した気もしたが、記事が見当たらない。ここで一旦振り返ってみる。ストーリーの大枠は頭に入っている。まあ、誰もが知っているストーリーなので、ネタバレも構わないであろう。
ステインアライブの曲に乗せてさっそうとジョントラボルタが登場する。おなじみのシーンだ。このシーンを見ているだけで気分は高揚する。ベトナム戦争も終戦に至った後の、能天気なアメリカの雰囲気がお気楽な感じで良い。
⒈ブルックリンのイタリアン移民とトラボルタ
家族の中での会話がどうだったかは覚えていなかった。久々見ると、へーそうだっけという感じだ。家族の仲は良いが、いくつも問題を抱えている。父親は失業中、兄貴は教会の神父だったが、やめてしまう。それを聞いて父母ともにがっかりだ。19才のトラボルタは塗装店で勤めている。ペンキ職人ではない。気楽な職場のようだ。すべては週末のディスコで踊ることにかけている生活だ。アルパチーノとブルースリーのポスターが貼ってある部屋でビシッと髪を決めていざ週末のディスコに出発だ。
⒉アネット(トラボルタにすり寄る女)
トラボルタとその不良グループにつきまとう女の子だ。コンテストもトラボルタと一緒に出ようと望んでいる。映画がはじまりすぐ「ディスコインフェルノ」でペアで踊る。常にトラボルタに抱いてもらいたくて仕方がない。トラボルタにその気はないが、無理やり車の中でやってくれアネットがと誘う。その時にトラボルタに聞かれる。避妊具あるのって?
仲間の1人がはらませちゃってということもあるが、トラボルタも妙に慎重だ。ないという言葉に興ざめする。それでも、アネットの方はあきらめない。別の機会にきっちりコンドームを用意する。その時は別のダンスパートナーに気持ちが向かっているので、トラボルタはその気にならない。
何気ないそのシーンだけど、今から40年以上前、この女の子の気持ちってよくわかるわよ。と当時20代になる寸前の数人の女の子に言われた。好きな男のためになんとかしてあげようという気持ちって当時青二才の自分には意味不明だったが、歳をとるうちにわかるのかな?
⒊ステファニー(トラボルタとコンテストにでる女)
トラボルタとその仲間が常連のディスコに突如現れた周囲と違うタッチのダンスを踊る女である。トラボルタも一気に惹かれる。でも、この男格下だわという蔑んだ目をトラボルタに浴びせる。ところが、ディスコのDJがやっているダンス教室で偶然出会うのだ。いったんはふられても猛烈アタック。結局パートナーになる。
マンハッタンで働いているらしい。やれキャットスチーブンスにあったとか、ローレンスオリビエにあって話したとか見栄っ張りである。近々マンハッタンに住むんだと自慢げに話す。トラボルタも「気取り屋」だと思っているが、まずはパートナーになってもらうのが先決と聞き流す。
こういう女のキャラを映画を見た大学生時代はよく理解できなかった。今となってみれば、なんじゃこの女偉そうにという感じである。そういう女を対比に登場させるというシナリオに深みを感じる。実は、トラボルタは突っ張ってそうで自分の立場を理解して意外に謙虚である。大学へ行って立身出世しようなんて気持ちも偉ぶっているところはまったくない。
この辺りのギャップも1つの見所にも思えてくる。
⒋歴史的なダンス①:ナイトフィーバー
映画のポスターで右手を大きく上に上げるトラボルタに惹かれてどれだけの数の若者がディスコに向かったであろう。この時代にコンテンポラリーだった自分はなんて幸運だったのであろう。トラボルタが戦場たるダンスフロアに入り込むと、いきなりステップダンスでみんなと歩調を合わせる。
自分が高校生だった昭和50年代初頭、東京のディスコはまだ不良の溜まり場の域を超えてはいない。その頃のディスコは赤坂のビブロス、ムゲンという別格を除くと、みんなが曲に合わせて同じ踊りを踊るステップダンスが中心である。でも、映画が公開された1978年(昭和53年)はそうではなかった。割と自由に踊っていた。でも、みんな同じようにステップを踏む曲がいくつかある。その一つが邦題「恋のナイトフィーバー」である。要は映画のステップの再現だ。
軟派大学生や就職が決まりそうなませた女子高校生がナンパ島とも言われる伊豆七島に向かう。新島や神津島や式根島でみんな民宿に泊まるわけである。どこの島にも臨時に設営したディスコがある。そこで東京と同じように踊るわけである。まあ、誰にとっても青春の素敵な1ページであろう。ナイトフィーバーを聞いた回数は何百万回といっても大げさではない。1978年3月から5月にかけて8週にわたって全米ヒットチャート1位だ。
⒌歴史的なダンス②:ユーシュッドビーダンシングとビージーズ
この映画でトラボルタがもっとも躍動的なソロダンスを踊る時に、you should be dancing が流れる。ビージーズがディスコタッチの曲で見事不死鳥のように蘇る曲だ。
自分が小学生の頃、1968年日本でも「マサチューセッツ」が流行った。洋楽が好きな兄貴のいる友人に教えてもらい好きになる。TVで洋楽を流す番組で随分とかかっていた。その後1971年映画「小さな恋のメロディ」が日本で大ヒットした。同時期に「ある愛の詩」が流行っていたニクソンドルショックの年である。その中で流れる「メロディフェア」も日本だけで大ヒットする。でも、アメリカでは同時期に「傷心の日々」が全米ナンバーワンになるのに、日本ではシングルカットされていない奇妙な現象になった。
その後ビージーズの存在すら頭にない高校生時分に、突如ディスコのリズムで流れるビージーズの甲高い声に気づく。これは衝撃だった。実はJive Talkinという曲がディスコタッチでヒットしたのであるが、印象が薄い。you should be dancingを聞いてまだ頑張っているなとうれしくなった。1976年9月の全米ヒットチャート1位だ。でも、それは本当の意味でのフィーバーの序奏曲にすぎなかった。
ダンスフロアにいるみんなも後ろに下がって、トラボルタのダンスに見入る。これも歴史的なダンスだ。ものすごい超絶技巧を使っているわけでない。ノリのいいロックのリードギターの響きに魅せられるような気分なのかもしれない。
ポスターのトラボルタの姿に合わせて、フィーバーのポーズをディスコでみんなとるようになる。あと5年以上早く生まれていたら学園紛争の洗礼を受けたのであろうか?こればかりはわからない。
⒍歴史的なダンス③:モア・ザン・ア・ウーマン
トラボルタとステファニーがコンテストで踊る曲である。サタデーナイトフィーバーLPレコード1枚目黄金のA面の4曲目だ。ある意味映画の中で見どころと言える場面であろう。ディスコのダンスフロアで見つけたマンハッタンで働く女性に惹かれる。これまで見たことないタイプの女性だ。ダンス教室で偶然再会してトラボルタが猛アタック!いやいやステファニーが受け入れた後で、一緒にレッスンし、コンテストに登場する。
タバレスがもう少しアップテンポな同じ曲を歌っているのはダンス教室でかかる。ここではしっとりとビージーズが歌う曲に合わせる。名曲である。鮮やかに2人でステップを踏んだ後、ダンスのクライマックスでトラボルタとステファニーがディープキスをする。キスのあとでうっとりした目をしたステファニーがイキイキとみえる。見所のひとつだ。ただ、この後で踊るプエルトリコの2人がラテンミュージックに合わせて華麗なダンスをするのだ。でも、トラボルタはそっちの方が上手いとトップ賞を譲ってしまう。
そんなストーリーはいつ見ても楽しい。