映画「舞妓はレディ」を映画館で見に行ってきました。
9月初めに京都祇園でお茶屋遊びをしてきたばかりで、この映画絶対に見に行こうと思っていました。
周防正行監督の2年ぶりの作品で、田舎から出てきた女の子が舞妓を目指すという成長物語だ。竹中直人や高嶋政宏のパフォーマンスに笑えるが、ときにはお涙ちょうだいの場面もあり予想以上に楽しい映画でした。娯楽として抜群の出来です。
「舞妓はレディの」のテーマソングを聴き「マイフェアレディ」をもじっているんだなあと気づく。周防組の常連が出演している中で新人上白石萌音が主人公の舞妓を演じる。
京都にある「下八軒(しもはちけん)」は、小さいけれども歴史がある花街(かがい)。だが、舞妓が百春(田畑智子)ひとりしかいないのが悩みのタネ。しかもその百春も、舞妓になってもう10年が経とうとしていた。
そんなある日、下八軒に「舞妓になりたい」という少女・春子(上白石萌音)がやってきた。彼女が扉をたたいたのは、八軒小路の老舗のお茶屋・万寿楽(ばんすらく)。唯一の舞妓の百春と、芸妓の豆春(渡辺えり)、里春(草刈民代)を抱えるこのお茶屋に春子がやってきたのは、百春のブログを見たからだった。
新しい舞妓が欲しいとはいえ、コテコテの鹿児島弁と津軽弁を話す、どこの馬の骨ともわからない春子を引き取るわけにはいかず、万寿楽の女将・千春(富司純子)は彼女を追い返そうとする。
だが、たまたまその場に居合わせた、言語学者の「センセ」こと京野(長谷川博己)が春子に興味を抱いたことから、彼女の運命は一転する。「春子の訛りでは舞妓は無理だ」と言う、万寿楽の客で老舗呉服屋の社長・北野(岸部一徳)に対し、京野は「絶対に春子の訛りを直してみせる」と宣言
「春子を一人前の舞妓にしたら、京野のお茶屋遊びの面倒をすべて北野がみる」という約束を取り付けてしまう。
かくして、その賭けのおかげで、春子は晴れて万寿楽の仕込み(見習い)になることに。しかし、仕込みになったからといって、すぐにお座敷にあがれるわけではない。春子を待ち受けていたのは、厳しい花街のしきたりと、唄や舞踊の稽古の日々。そして何より春子が苦戦したのは、訛りの矯正だった。
舞妓になりたい一心で、懸命に稽古や言葉の矯正に励むが、師匠からは「違う違う」と叱られ、先輩芸妓からは「いつになったら、ちゃんとできるの?」と責められる。ついには、京野の弟子・秋平(濱田岳)から「君には舞妓は似合わない」と、とどめを刺され、ショックを受ける。
果たして春子は、一人前の舞妓になることができるのか? (作品情報より)
こういう映画大好きです。
まったく違うんだけど、最近では三池監督の怪作「愛と誠」をみて笑いまくったのを思い出す。ミュージカルというよりコメディタッチの娯楽だと思ってみた方が気が楽だ「マイフェアレディ」というよりも「ブルースブラザース」の中でのコミカルな歌が連想された。
1.富司純子
アメリカ映画「SAYURI」ではお茶屋の女将は桃井かおりだったが、富司純子こそ京都らしい女将らしい風格を持つ。まさに京都育ちの彼女ならではの役柄だ。これ以上の適役はないだろう。今まで映画で歌うなんてことはなかったんじゃないだろうか?東映任侠映画のお竜さんはあくまで主題歌だ。決してうまくはないが、いい感じだ。
彼女の父上である東映の敏腕プロデューサー俊藤浩滋が、長年にわたり「おそめ」という祇園の売れっ子上がりの女性と暮らしていたのは本にもなっている有名な話だ。
2.田畑智子
「さんかく」「ふがいない僕は空を見た」は好きで、どことなくコミカルな要素をもつ彼女には好感をもっている。でも「何で彼女なの?」とずっと思っていたが、調べると祇園の老舗割烹の娘だという。知らなかった。店の場所を地図で追うと祇園のど真ん中だ。なるほど、そういうことだったのね!!
ここでは他にいないので30になっても舞妓のままでいる不自然な状態だ。芸妓になるときの黒い着物での踊りを映画で披露できたのは、祇園生まれの彼女にはこの上ない喜びだったのだろう。
3.草刈民代
着物姿がきれい。常に洋装が似合う彼女しか知らなかったが、色とりどり着がえる着物がよく似合う。七変化で日本舞踊を優雅に踊る姿は、まさに「一芸は百芸に通じる」というべきじゃなかろうか?
予告ですごい刺青をみせるとおもいしや、顧客の前で見せる芸だった。
こういう形で肌を見せるとゾくっとする。美女はいいねえ。
イタリアかぶれのような高島政宏と草刈民代の踊りには本当に笑えた。コミカルな動きがおかしい。すぐ後ろに3人が見つめている。この踊りをみて「ブルースブラザース」の中でアレサフランクリンが亭主と絡みながら「THINK」を歌うときの滑稽なバックの動きを連想した。同じくらい腹を抱えた。
4.上白石萌音
2人の現役AKBガールと一緒の稽古をしている場面がある。どうみても主人公の方がアカぬけていない。でも800人のオーディションを勝ち抜いている。むしろ田舎っぽさを残すという設定にもピッタリいくのは上白石萌音と判断したのであろう。
まさに芸達者のお姐さんたちを相手にここではよく頑張っている。応援してあげたいと思わせる何かがある。恥ずかしながら、彼女の正体があらわになる最終局面では涙腺が熱くなった。
次の活躍を期待したい。
京都の大学教授なら辰巳琢郎なんてキャスティングもあったろう。この映画の設定では祇園でブイブイ言わせている雰囲気はないけど、長谷川博巳でいいんじゃないだろうか?竹中直人と渡辺えりは「シャルウィーダンス」のダンスのペアだ。あの時同様、かつらがネタになる竹中のパフォーマンスはいつ見ても楽しい。
最後はインド映画のように踊りで締める。いやフェリーニスタイルなのかもしれない。
細部をつつけば、現実との矛盾点はきっとあるかもしれないが、本当に楽しい。
映画に映るお茶屋の前の赤ちょうちんをみて、また祇園へ行きたくなった。
9月初めに京都祇園でお茶屋遊びをしてきたばかりで、この映画絶対に見に行こうと思っていました。
周防正行監督の2年ぶりの作品で、田舎から出てきた女の子が舞妓を目指すという成長物語だ。竹中直人や高嶋政宏のパフォーマンスに笑えるが、ときにはお涙ちょうだいの場面もあり予想以上に楽しい映画でした。娯楽として抜群の出来です。
「舞妓はレディの」のテーマソングを聴き「マイフェアレディ」をもじっているんだなあと気づく。周防組の常連が出演している中で新人上白石萌音が主人公の舞妓を演じる。
京都にある「下八軒(しもはちけん)」は、小さいけれども歴史がある花街(かがい)。だが、舞妓が百春(田畑智子)ひとりしかいないのが悩みのタネ。しかもその百春も、舞妓になってもう10年が経とうとしていた。
そんなある日、下八軒に「舞妓になりたい」という少女・春子(上白石萌音)がやってきた。彼女が扉をたたいたのは、八軒小路の老舗のお茶屋・万寿楽(ばんすらく)。唯一の舞妓の百春と、芸妓の豆春(渡辺えり)、里春(草刈民代)を抱えるこのお茶屋に春子がやってきたのは、百春のブログを見たからだった。
新しい舞妓が欲しいとはいえ、コテコテの鹿児島弁と津軽弁を話す、どこの馬の骨ともわからない春子を引き取るわけにはいかず、万寿楽の女将・千春(富司純子)は彼女を追い返そうとする。
だが、たまたまその場に居合わせた、言語学者の「センセ」こと京野(長谷川博己)が春子に興味を抱いたことから、彼女の運命は一転する。「春子の訛りでは舞妓は無理だ」と言う、万寿楽の客で老舗呉服屋の社長・北野(岸部一徳)に対し、京野は「絶対に春子の訛りを直してみせる」と宣言
「春子を一人前の舞妓にしたら、京野のお茶屋遊びの面倒をすべて北野がみる」という約束を取り付けてしまう。
かくして、その賭けのおかげで、春子は晴れて万寿楽の仕込み(見習い)になることに。しかし、仕込みになったからといって、すぐにお座敷にあがれるわけではない。春子を待ち受けていたのは、厳しい花街のしきたりと、唄や舞踊の稽古の日々。そして何より春子が苦戦したのは、訛りの矯正だった。
舞妓になりたい一心で、懸命に稽古や言葉の矯正に励むが、師匠からは「違う違う」と叱られ、先輩芸妓からは「いつになったら、ちゃんとできるの?」と責められる。ついには、京野の弟子・秋平(濱田岳)から「君には舞妓は似合わない」と、とどめを刺され、ショックを受ける。
果たして春子は、一人前の舞妓になることができるのか? (作品情報より)
こういう映画大好きです。
まったく違うんだけど、最近では三池監督の怪作「愛と誠」をみて笑いまくったのを思い出す。ミュージカルというよりコメディタッチの娯楽だと思ってみた方が気が楽だ「マイフェアレディ」というよりも「ブルースブラザース」の中でのコミカルな歌が連想された。
1.富司純子
アメリカ映画「SAYURI」ではお茶屋の女将は桃井かおりだったが、富司純子こそ京都らしい女将らしい風格を持つ。まさに京都育ちの彼女ならではの役柄だ。これ以上の適役はないだろう。今まで映画で歌うなんてことはなかったんじゃないだろうか?東映任侠映画のお竜さんはあくまで主題歌だ。決してうまくはないが、いい感じだ。
彼女の父上である東映の敏腕プロデューサー俊藤浩滋が、長年にわたり「おそめ」という祇園の売れっ子上がりの女性と暮らしていたのは本にもなっている有名な話だ。
2.田畑智子
「さんかく」「ふがいない僕は空を見た」は好きで、どことなくコミカルな要素をもつ彼女には好感をもっている。でも「何で彼女なの?」とずっと思っていたが、調べると祇園の老舗割烹の娘だという。知らなかった。店の場所を地図で追うと祇園のど真ん中だ。なるほど、そういうことだったのね!!
ここでは他にいないので30になっても舞妓のままでいる不自然な状態だ。芸妓になるときの黒い着物での踊りを映画で披露できたのは、祇園生まれの彼女にはこの上ない喜びだったのだろう。
3.草刈民代
着物姿がきれい。常に洋装が似合う彼女しか知らなかったが、色とりどり着がえる着物がよく似合う。七変化で日本舞踊を優雅に踊る姿は、まさに「一芸は百芸に通じる」というべきじゃなかろうか?
予告ですごい刺青をみせるとおもいしや、顧客の前で見せる芸だった。
こういう形で肌を見せるとゾくっとする。美女はいいねえ。
イタリアかぶれのような高島政宏と草刈民代の踊りには本当に笑えた。コミカルな動きがおかしい。すぐ後ろに3人が見つめている。この踊りをみて「ブルースブラザース」の中でアレサフランクリンが亭主と絡みながら「THINK」を歌うときの滑稽なバックの動きを連想した。同じくらい腹を抱えた。
4.上白石萌音
2人の現役AKBガールと一緒の稽古をしている場面がある。どうみても主人公の方がアカぬけていない。でも800人のオーディションを勝ち抜いている。むしろ田舎っぽさを残すという設定にもピッタリいくのは上白石萌音と判断したのであろう。
まさに芸達者のお姐さんたちを相手にここではよく頑張っている。応援してあげたいと思わせる何かがある。恥ずかしながら、彼女の正体があらわになる最終局面では涙腺が熱くなった。
次の活躍を期待したい。
京都の大学教授なら辰巳琢郎なんてキャスティングもあったろう。この映画の設定では祇園でブイブイ言わせている雰囲気はないけど、長谷川博巳でいいんじゃないだろうか?竹中直人と渡辺えりは「シャルウィーダンス」のダンスのペアだ。あの時同様、かつらがネタになる竹中のパフォーマンスはいつ見ても楽しい。
最後はインド映画のように踊りで締める。いやフェリーニスタイルなのかもしれない。
細部をつつけば、現実との矛盾点はきっとあるかもしれないが、本当に楽しい。
映画に映るお茶屋の前の赤ちょうちんをみて、また祇園へ行きたくなった。