映画とライフデザイン

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映画「もらとりあむタマ子」 前田敦子

2014-07-17 05:24:05 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「もらとりあむタマ子」は元AKBの前田敦子主演の映画だ。

「マイパックページ」「苦行列車」などの山下敦弘監督がメガホンをとる。
前田敦子はAKBを卒業後、映画出演がめだつ。最近では蜷川幸雄演出「太陽2068」で初舞台を踏んでいる。単なるタレント活動でなく、将来を見据えていろんなことに挑戦しているのは好感が持てる。

「もらとりあむ」と言えば、小此木啓吾教授の「モラトリアム人間の時代」をすぐさま連想する。自分の学生時代によく読まれた本だ。猶予期間としての学生生活をさす意味で「モラトリアム」は当時の大学生が使った言葉だ。今は学校出ても仕事しないでいる連中と意味が変わっているかも。

「もたとりあむ」の名の通り、前田敦子はだらけた生活を送る主人公を演じている。華やかな世界にいたAKB時代の前田敦子らしからぬ役だが、この役が妙にあっている気がする。もしかしたら素地で演技ができているのかもしれない。
口を開けばいつも言い合いばかりしている父と娘だけど、男ヤモメの父親に再婚話が持ち上がると複雑な心境になる。父娘の交情を描く映画って素敵だ。娘を持つ自分からするとジーンとくる場面もいくつかある。

(秋)タマ子(前田敦子)は東京の大学を卒業したものの、父(康すおん)がスポーツ用品店を営む甲府の実家に戻ってきた。家の家業を手伝うわけでもなく、無気力な日々を送る。「就職活動してるのか?」という父の言葉に
「その時が来たら動く。少なくとも今ではない!」

(冬)大みそかを迎え、夜こたつに当たっているタマ子はケータイを操作しながら年越しそばを食べる。善次の義姉・よし子(中村久美)がおせちを届けに来てくれた。タマ子の姉も夫と一緒に間もなく実家へやって来るはずだ。タマ子は「母さんから連絡ないね」と言って、今でも連絡を取り合う離婚した母の近況を善次に話す。

(春)美容院で髪を切ったタマ子は、履歴書を送るつもりのようだ。面接用の洋服をねだられた善次はいいよと答える。買ったばかりの洋服を着て、タマ子は写真館の息子である仲のいい中学生の仁(伊東清矢)に履歴書用の写真を撮ってもらう。「これ、絶対誰にも言っちゃダメだからね!」そそくさと写真館を後にするタマ子。

(夏)いいことでもあったのか、善次はちょっとうれしそうだ。次の日の夜、善次の兄・啓介(鈴木慶一)の家で、タマ子は善次がアクセサリー教室の先生をよし子に紹介されたことを知る。タマ子は父の再婚話に今までになく心揺れる。最初は中学生の仁に下見に行かせる。仁から様子を聞いた後、アクセサリー教室に一人で足を運ぶ。タマ子は先生の曜子(富田靖子)と初めて顔を合わせるが。。。。


長まわしが中心だ。カット割が激しい映画と違い、自然な感じがする。
ここのところ、映画界では熊切和嘉や呉美保など大阪芸術大学出身者の監督が目立つ。山下敦弘もその一人だ。共通するのが長回しの使い方である。じわりじわりと心に響く映画をつくっている気がする。

1.中学生の男の子
これがいい味出していた。伊東清矢君である。
どこにでもいる田舎の中学生である。
田舎の友人たちとはなじめない主人公にとっては、格好の話相手なのだ。
履歴書用の写真をこっそり撮らせたり、父親のお見合い相手がどんな女性なのか?アクセサリー教室に探りをいれさせようとする。そんな中学生でも一緒に歩く恋人もどきの女の子がいる。主人公が用があると言って、2人が親しくしているところに割り込み、男の子に用事を頼む。まったくもって自分勝手だ。
オダ賃代わりにナポリタンを主人公が男の子に食べさせるシーンがある。いい感じだ。

2.富田靖子
久々に見た。父親がお見合いをした相手である。メガネをかけている姿を見たときに富田靖子とはまったくわからなかった。最後のエンディングクレジットで初めてわかった。主人公から見ると、ある意味「敵」である。性格が穏やかで美形となると、ただ事でない。戸惑う主人公がいじらしい。

3.前田敦子
「もし。。ドラッカーの。。」で最初に見た時とちがって、自然な姿で演技をしている。AKB時代からすると女優として格段の進歩をとげている。もともとファンではなかったが、好感を持つようになった。
この映画で、彼女の食事シーンが何度も出てくる。父親と一緒の時も多い。いかにも家庭料理なんだけど、この食べ方がかわいい。最後にかけて、父親からある言葉をかけられる。主人公に大きな動揺はない。でもこの言葉を自分は言えないよなあ。


ちなみにこの映画エンディングロールが終わるまで、目を離さないように
突如前田敦子が登場する。

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