映画とライフデザイン

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映画「死刑にいたる病」 阿部サダヲ&白石和彌

2022-05-06 21:27:36 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「死刑にいたる病」を映画館で観てきました。


映画「死刑にいたる病」は当代きっての人気監督白石和彌とダメ男を演じたら天下一品の阿部サダヲが組んだクライムサスペンス作品である。櫛木理宇の原作を高田亮が脚本を書くというのも好材料だ。
ここ最近予告編を観た中では、いちばん行ってみたくなる作品で、連続殺人犯が「この殺しだけは自分がやっていない。」と語る阿部サダヲのセリフには興味をそそられた。どんな展開になるのかストーリーの先行きが気になる

大学に通う雅也(岡田健史)の家に、殺人犯として逮捕されていた榛村(阿部サダヲ)から手紙が届いた。中学時代榛村が営むベーカリーに通っていた関係で気になり、拘置所で榛村と面会する。

24件の殺人を犯して、そのうち9件が立件されている榛村が「9件の殺人のうち最後の殺人は自分がやっていない。事件の詳細を担当弁護士に聞いてもらって、手がかりを探してくれ」と雅也に依頼する。

弁護士事務所で資料をもらって、早速調査を始めると、榛村と雅也の母(中山美穂)と旧知の仲だったことがわかり、自らの周辺にも絡んでいくという話だ。


予告編での大きな期待は残念ながらトーンダウンした。
5点満点で甘くつけて3.5点って感じかな。前半戦で残虐度がエスカレートしそうになったが、抑えられた。12禁の映画としないと、観客動員に影響が出ると思ったのか、韓国が得意とするクライムサスペンスのレベルよりはスリリング度合いは弱い。これまでの白石和彌作品と比較すると、ストーリーの弱さもあるがこれはヤバいと思わせるシーンが少ない。

⒈阿部サダヲと出演者たち
阿部サダヲはいつもながらの怪演でドラマを引っ張る。17〜18歳の若い男女を人の良さそうなベーカリーの店主の顔で誘い出し、睡眠薬を飲ませて自宅で残虐行為をする設定は、いつもの阿部サダヲより過激である。爪をはがして苦しませるなんて、ヤクザの手口だ。

でも、岡田健史をはじめとした周囲が弱すぎかな?岩田剛典が最初からいかにも犯人っぽい感じで出ていて、怪しさを観客に誇示するが、それほどではない。強烈な脇役がいないので、インパクトが少ない。でも、中山美穂が少しづつこういう映画に出てくるようになったのはいい傾向ではある。


⒉強引な設定
宇都宮が舞台である。自分は転勤で5年間住んだことがあるので、よくわかるが、なんせ栄えているエリアは狭い街である。市の郊外に向けてすこし走ると、確かにこの映画のような森林地帯もあってむごい殺人が行われてもおかしくない。

ただ、首都圏の感覚よりいかにも田舎の高校生も多く、大学は数えるほどしかない。カフェ的なベーカリーがあっても少ないだろう。若者の殺しが何度も続くような設定には無理がある。


どんな凶悪犯でも、宇都宮を拠点に未成年を引きずり回しての殺人が出来そうな街ではない。街の真ん中で女性被害者を車に引きずりこんでという設定がありえない。雅也が逆上して、ゆきずりの一般人を痛めつけるシーンがある。この後、何にも雅也におとがめがないの?知っている町だけに、うーんと思ってしまう。あと、家庭内暴力で虐待された子が保護されるという設定がこの映画のテーマになっている。このDVについても無理がある。

ただ、最後の展開は意外?うっとうしいやつと思った人物が妙なセリフを言って終わる。この意味は今もよくわからない。


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