映画とライフデザイン

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映画「花椒の味」サミーチェン

2021-11-13 20:24:31 | 映画(自分好みベスト100)
映画「花椒の味」を映画館で観てきました。


花椒の味は2019年の香港映画である。デモの後はコロナ禍で大好きな香港にも行けないので、映画だけでも楽しみたい。現代香港の様子が垣間見れそうなので映画館に向かう。スター女優サミーチェン主演で、インファナルアフェアなどでコンビを組んでいたアンディラウが友情出演する。妹役で台湾と中国の女優も加わり、結果的によかった。

心地良い快適な時間が過ごせた。こういうムードがいちばん自分に合う。
急逝した父親に異母妹が2人いることが死後わかった姉が、父親が営む火鍋料理店を妹の協力を仰ぎながら引き継ごうとする話である。

香港、台湾、重慶と遠く離れた三つの街の現代の姿を映し出す。ストーリー展開に意外性はない。香港アクション映画の肌合いは当然皆無で、色恋沙汰も濡れ場もない健全な展開だ。それでも妙に安心感がある。父娘で情感こもる気持ちを交わしあう話にはどうも弱い。

香港の旅行会社で働くユーシュー(サミー・チェン)は、母と死別し、浮気がちだった父との関係は良くなかった。ある日、父が倒れたという連絡が入るが、病院へ駆けつけたときには既に亡くなっていた。父の遺品の携帯を探ると、台北に暮らす次女のルージー(メーガン・ライ)と、重慶に暮らす三女のルーグオ(リー・シャオフォン)という異母妹の存在がわかる。葬儀の日程を遠く離れた2人にも知らせる。

父の葬儀で3人は初めて会う。あっけらかんな三女の個性もあり、わだかまりなく気持ちを通じ合うことができる。


長女は父が営んでいた火鍋店をたたむつもりであったが、残された店員の強い要望で継続することにする。しかし、火鍋の秘伝のスープは父以外の誰も作ることができず、レシピはなかった。手探りでつくっても予約してきた常連客も味の違いに戸惑う。そんな時、帰国後それぞれに葛藤を抱えた次女と三女が香港にやってきて姉を助けるのであるが。。。


⒈3人の娘をつくった父親
亡くなった父親はもともとは台湾生まれであった。周囲に馴染めず香港に来たあとに家庭を持ち長女をつくる。ところが、台湾に帰郷して昔の恋人に再会し、次女ができる。それだけにおさまらず、重慶で三女ができてしまうのだ。

クールな出で立ちの台湾の次女はプロのビリヤードプレイヤーで身を立てていた。大きな大会にも出場する。母親は金満家と再婚し、異父妹もいるが一緒に暮らさない。どぎつく髪を染めた重慶の三女はネットでファッションの通信販売をしている。母親は再婚し別居、祖母と暮らしている。

そんな2人と父親は連絡を取り合って心が通じている。でも、2人とも本国で複雑な家庭独特の悩みを抱えている。


⒉サミーチェンと長女
反抗心の強い長女である。台湾に女をつくって、火宅の人だった父親のせいで母娘は肩身の狭い生活をしてきた。父親は長女にも強い愛情を持って接しようとするが、まったく通じない。今回2人の妹が来て、自分が知らない父親の一面を知り驚くのだ。求婚されている恋人(アンディラウ)はいても、相手が忙しくて一歩踏み出せない。


むしろ妹2人と父親との関係を眺めながら、父親への想いが変化していく。むしろ、生前に優しくしてあげられなかった想いが強くなる。そんな姿を見ていくと、娘を持つ父の立場からすると評価が高くなってしまうし、心地がよくなる。

派手さを抑えてものすごくナチュラルなサミーチェンも今までの中でいちばん良く見えた。

⒊相続と争族
この姉妹驚くほど、仲良く接するが、普通こんなにうまくいくだろうか?どうしても遺産の分配というのが気になってしまう。まったく離れている姉妹でも法定相続の遺留分に注目して、もめ事がスタートするのが日本の常。


どうにも香港の争族問題がよくわからないので、これについてはなんとも言えない。ただ、ここでは詳しく言えないが、自分も似たような問題を抱えているのでこの映画を見て別の思いを心に抱いた。



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