映画とライフデザイン

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映画「私が愛した大統領」 ビル・マーレイ

2014-04-03 05:18:41 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「私が愛した大統領」はビル・マーレイ主演の2012年の作品だ。
ニューディール政策などで有名な第32代アメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトの伝記ドラマ。ルーズベルト大統領の一番の理解者として彼を支え続けた女性デイジーとの深い絆と、第2次世界大戦前夜に英国王ジョージ6世夫妻が渡米した際のエピソードの裏側を描く。

ビルマーレイとローラリニーという芸達者を中心に、のどかなアメリカの郊外の町を舞台に静かに映画が進んでいく。世界史における最重要人物の真実の姿に迫る。

1930年代末期のアメリカが舞台だ。第32代大統領フランクリン・デラノ・ルーズベルト(ビル・マーレイ)が忙しい執務の合間に安らぎを覚えるのは、一番の理解者である従妹のデイジー(ローラ・リニー)とドライブに出かける時間だけだった。1939年6月、ナチスドイツが徐々に欧州を侵食しつつあっ た時、英国王ジョージ6世(サミュエル・ウェスト)とその妻エリザベス(オリヴィア・コールマン)がアメリカを訪問して、ニューヨーク州ハイドバークにあるルーズベルト邸に立ち寄ることになった。ルーズベルトとジョージ6世はディナーを家族とともにとった後、大統領の執務室で2人だけの時間を持った。お互いにハンデキャップを持つ2人は意気投合し、お互いの秘密を知ることになる。一方でデイジーがある行動をとるが。。。。

アメリカは大統領は2期までとなっている。ところが、戦時中ということもありルーズベルトは4選を果たす。普通に学校で勉強をした日本人なら、小学校の社会の時間でフランクリンルーズベルトの名前を知ることになる。占領下にあった日本であるから、ルーズベルトを称賛するというのは当然のことであったと思われる。日教組系の教師からも、ニューディール政策というのは称賛の的だった。彼の肖像からは、彼が小児麻痺であるというイメージは全く浮かばない。畏怖の念を持って崇拝する存在だった。でも真実の彼の姿はここで映されているような人物なんだろう。

ビルマーレイと言えば、「ゴーストバスターズ」を始めとしたコメディ役者だ。「ロストイントランスレーション」「ブロークンフラワーズ」などで見せる枯れ切った姿の彼が好きだ。普通に見れば、ビルの写真と一般に出回るルーズベルトの写真とは似ても似つかないが、ここで演じるルーズベルトに全く違和感がない。さすがである。

映画「英国王のスピーチ」でジョージ6世のドモリのことを知った。さすがに現女王の父上だけに映画界も欠点をつくのは遠慮がちだったのかもしれない。あの映画を機に一気に今回の構想が浮かび上がったのであろう。1939年と言えば、ナチスの侵攻はもうどうにもとどまらない状態にあった。英国首相ネヴィル・チェンバレンは、ドイツと宥和政策をとっていると周辺から批判されていた。もはや英国はアメリカに頼るしかなかったのである。モンロー主義以来の対外不干渉政策がアメリカの基本方針であれど、もはやそうもいっていられない状態にもあった。有名な開戦のスピーチの前にはこういう逸話もあったのである。

ここでのジョージ6世も素敵な存在だ。ディナーで皿が割れたり、ウェイトレスが給仕する手を滑らせたりするのも軽いジョークで場を和ませたりしていた。その後のルーズベルトとの指しの会談でも自分の欠点をあらわにしながらの会話も好感が持てる。兄の「王位をかけた恋」で予期せず得た地位であれど、さすが大英帝国に君臨する国王である。自国の状況を把握して、ホットドックを食べるシーンもいい感じだ。

クリントンの浮気が大騒ぎになったが、ルーズベルトにもこんな一面もあったのだ。ヒラリークリントンがこの映画を見たらどんな感想を示すであろうか?聞いてみたいものだ。

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