映画とライフデザイン

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映画「ギリシャに消えた嘘」 ヴィゴ・モーテンセン&キルスティンダンスト

2015-09-06 06:06:17 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ギリシャに消えた嘘」は2015年日本公開のサスペンス映画だ。

公開当時仕事多忙で見に行けなかった映画の1つだ。「太陽がいっぱい」「見知らぬ乗客」という映画史に残るサスペンスの原作者パトリシア・ハイスミスの作品と聞けば、見てみたくなる人は多いだろう。題名から連想して地味系の欧州映画と連想してしまったのは軽率だった。帽子をかぶった主人公の顔をみてヴィゴ・モーテンセンと気づかなかったし、キルスティンダンストも洗練された女の雰囲気でポスターからは想像がつかない。


自分が一度も行ったことのないギリシャでのロケが中心で、遺跡をバックに出演者の服装も粋でバックの音楽が情感を高める。
見てみるとなかなかセンスのいい映画だ。

1962年。ギリシャのアテネでツアーガイドをしているアメリカ人青年ライダル・キーナー(オスカー・アイザック)は、パルテノン神殿を訪れた際、優雅な装いのアメリカ人夫婦、チェスター・マクファーランド(ヴィゴ・モーテンセン)と若く美しいその妻コレット(キルステン・ダンスト)と知り合う。


コレットの依頼でガイドを引き受けたライダルは、夫妻と夕食を共にして、楽しいひと時を過ごす。その夜、夫妻の元へ1人の探偵が訪ねてくる。チェスターは、ニューヨークで裏社会の連中を相手に投資詐欺を働き、大金を奪って逃亡中だったのだ。揉み合いの最中、誤って探偵を殺害してしまったチェスターは、偶然ホテルにいたライダルに嘘をつき、協力を要請。やむなくライダルは偽造パスポートの制作を知人に依頼し、後日、クレタ島で受け取る段取りを整える。


アテネを脱出し、船とバスを乗り継いでクレタ島に向かう途中で身の上話を語り合う3人。しかし、親しげにコレットと接するライダルに嫉妬の炎を燃やしたチェスターは、次第に酒を飲んで粗暴な言動を繰り返すようになってゆく。一方、ラジオのニュースでチェスターが探偵を殺害した事実を知ったライダルは、正当防衛が認められるからと自首を勧めるが、相手にされない。逃亡を助けて共犯者となったライダルも、既に後戻りできない。夫婦を殺人容疑で指名手配した警察が大規模な捜査を開始しているようだが。。。

1.ヴィゴ・モーテンセン
「ヒストリーオブバイオレンス」で演じた裏社会から堅気に変貌しようとした影のある男が最も印象深い。死んだ双子の兄弟になりすました1人2役で演じるアルゼンチン映画「偽りの人生」もよくできている。
サマースーツが似合う紳士で顔がバタ臭い。ヴィゴだと気づかなかった。


裏社会の男たちを相手に投資詐欺をやったら、ただじゃ済まないだろう。こういう時のマフィアにしろヤクザにしろメンツをかけて徹底的に追う。ニューヨークから遠く離れたギリシャにいても追手の探偵は見つけてしまう。しかし、探偵は功を急ぎすぎてヴィゴにやられてしまう。正当防衛だけど、取り調べを受ければ、姿を隠して逃げまくっている自分の正体もばれてしまう。とっさにガイドの手を借りて探偵の部屋へ死体を運ぶのだ。しかも、その場でホテルから脱出する。ここから逃走劇がはじまるのだ。

2.キルスティンダンスト
「スパイダーマン」のヒロイン役が出世作だけど、ソフィアコッポラ監督「マリーアントワネット」も新婚早々のかわいい姿が中心の演技だったのでかわいいイメージがこびりついている。彼女も一瞬気がつかなかった。


30代をすぎて少し色っぽくなったのかもしれない。下着姿が妖艶である。

3.パトリシア・ハイスミス
「見知らぬ乗客」は戦後のヒッチコックでは代表作の1つ。交換殺人を持ちかけられたテニスプレイヤーを窮地に陥らせるスリリングな展開が痛快で、最後のメリーゴーランドのシーンを最初に見たときはびっくりした。ルネ・クレマン監督アランドロン主演の「太陽がいっぱい」は、アランドロンの姿がかっこいいので、自分が少年時代は下敷きの中にこの写真を入れている女の子がいっぱいいた。でも、映画はその写真のイメージとは裏腹でドロドロしているし、本当の最後に悪巧みがわかってしまうのがミソ。

いずれも、犯人をあてるというよりも、悪さをした犯人が逃げ切れるかに焦点があてられる。「ギリシャに消えた嘘」もそういった意味では同じかもしれない。最近は悪さをしても逃げ切れる脚本が時折あるので、映画の最後までひやひやするが、パトリシア・ハイスミスの原作だと、一時代前の作品なので、結局つかまってしまうんだろうなあと自分は読みすぎてしまう。


4.アルベルト・イグレシアス
流れている音楽のタッチが不安を増長させるなかなかいけるものだ。何か違うなあと思っていたらアルベルト・イグレシアスの作曲だとわかる。スペインのペドロアルモドバル作品でエキゾティックな音楽を奏でている。こういう情熱的な音がギリシャの美しい景色をバックに流れるのはいい。風景の力と音楽の力がかみ合っている。

(参考作品)
ヒストリー・オブ・バイオレンス
ヴィゴ・モーテンセンがカッコよすぎ


見知らぬ乗客
パトリシア・ハイスミス原作でヒッチコックの演出が冴える。

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