2021年観た映画201本(DVD、Netflixと名画座含む)7年ぶりに200本超えた。
その中で10作ピックアップする。優劣つけがたいがサブで10作をピックアップしてみる。
これは自分の好みが入る。映画の質がいい悪いは別である。
(観た順番で、内容はクリックして確認ください)
1.すばらしき世界
2.水を抱く女
3.いとみち
4.インザハイツ
5.サマーフィルムにのって
6.ドライブマイカー
7.由宇子の天秤
8.花椒の味
9.ファイター、北の挑戦者
10.ラストナイトインソーホー
前年は日本映画でいいものがなかった。逆に5作も入ってしまう。今年は西川美和監督の新作「すばらしき世界」が口火を切った。念入りに映画の材料を取材をして、娯楽作品として観客を楽しませようとする要素に満ち溢れている。そのほかにも若手監督のよくできた作品が目立った。「いとみち」では普通の青森の女の子がメイドカフェに勤める設定で、津軽三味線という小道具も効果的に効いていい作品になった。父親役豊川悦司の存在を横浜聡子監督が巧みに使っていた。「サマーフィルムにのって」も好感がもてた。高校生にして大映の監督三隅研次を崇拝する時代劇オタクという主役に加えて周囲の高校生の特異なキャラクターの設定に成功している。
もはや日本を代表する映画監督かつ論客になりつつある濱口竜介監督も2作披露してくれた。村上春樹の短編集にある「ドライブマイカー」では題名作品に加えて、2つの作品からエッセンスを引用してすばらしいシナリオにした。途中演劇の部分が長すぎる気もしたが、あの短編集をここまで映像化してくれたことに感激した。もう一作「偶然と想像」の方がいいという人もいる。もちろん水準を大きく超えるが、室内劇中心で明らかな低予算の作品なので映画としての膨らみがあると自分には思えない。ここまで名が売れたら次回はもっとぜいたくして作って欲しい。
瀧内公美がいい女優になってきた。「火口のふたり」で大胆な演技をしてから前年の「アンダードッグ」も含めてこのところ脱ぎっぱなしであった。そうしているうちに「由宇子の天秤」というインテリの役をもらった。この映画のストーリー展開は先を読ませぬ巧さがある。でも若干長回しが長すぎるかな?という印象をもつ。それでも春本雄二郎監督は光石研をはじめとした演技の職人を絶妙に使い、今後に期待できる監督だ。
「水を抱く女」のミステリータッチに若干ホラー的要素を加えた展開には思わずドキドキした。クリスティアン・ペッツォルト監督はこれまでニーナホスという1人の女優とのコンビが主だった。今回女優をかえて、テイストも若干変わったのがいい結果を生んだ。「インザハイツ」はラテン版「LALALAND」といった感じで、観ていて気持ちが高揚した。古い映画からの引用も多々あるが、ひたすら楽しい。たぶん他の評者はピックアップしないと思う「花椒の味」はまったく仲のよくなかった父娘の関係だったのに、父が死んで2人の異母妹が現れて父の経営した火鍋店をやるという設定だ。ここで娘が亡き父を想う気持ちに同化した。デモとコロナでしばらく行けていない香港が舞台ということも自分にはプラス要素だ。
「ファイター、北の挑戦者」は脱北者の若い女性がボクシングで身を立てようとする話だ。女性のボクシング映画には「ミリオンダラーベイビー」と「百円の恋」という素晴らしい傑作がある。脱北者の苦悩が映画の要素に加えられた脚本が良く、どこにでもいるような女の子が演じているのも良かった。そして「ラストナイトインソーホー」が実に良かった。60年代のロンドンを魔界のように仕立て上げ、2人の美少女をピックアップして悪夢と現実を渡り歩く。照明設計も美術も音楽もみんな良く、デイヴィッドリンチ監督やヒッチコック、パルマなど古今東西の映画作家の要素を盛り込んだ素敵な作品にしてくれた。今年一年の洋画ではいちばん好きだ。
1.わたしの叔父さん
2.世界で一番幸せな食堂
3.春江水暖
4.キャラクター
5.一秒先の彼女
6.17歳の瞳に映る世界
7.少年の君
8.サマーオブソウル
9.ONODA
10.悪なき殺人
一転して日本映画が一作のみ。日本のクライムサスペンス映画のレベルは韓国と比べると低いが「キャラクター」はその見方を変えるほどよくできていておもしろかった。ここにピックアップしていないが「あのこは貴族」も良かった。自分の母校のことも語られていて懐かしい思いになった。
コロナ禍でアメリカ資本の映画が少なく、欧州や中国系の映画が増えてくる。「わたしの叔父さん」と「世界で一番幸せな食堂」はいずれも北欧産でよく似たやさしいムードをもつ。いずれも自分の肌合いに合った映画だ。それに似た感じで中国映画「春江水暖」も心地よい。台湾映画「1秒先の彼女」はファンタジーの要素を持つがコミカルな主人公の存在が笑えてしまう。中国映画「少年の君」は現代中国受験事情がこれを観てよくわかり、裏社会的要素を加えてニュースだけではわからない中国事情がつぶさにわかった。
「サマーオブソウル」は1969年のソウルミュージックフェスティバルの映画化である。こんなすごいフィルムが残されているとは思わなかった。個人的にはフィフスディメンションがでてきたときにいちばんドッキリ。「ONODA」は小野田少尉のフィリピン生活を描いている。日本人が作れないフランス人による日本映画という内容だ。サスペンス系では緻密に映画の設計がされているフランス映画「悪なき殺人」は今年一押しだ。
前年公開の作品で今年見た中で、前の年に観たなら絶対入れていたのは「37セカンズ」と「異端の鳥」
いずれもすごく良かった。
特別に日本映画外国映画でそれぞれ3つ選んでみる。
日本映画
1.すばらしき世界
2.いとみち
以下はどうしようかと一日考えて同着
3.由宇子の天秤
3.ドライブマイカー
外国映画
1.ラストナイト・イン・ソーホー
2.インザハイツ
3.水を抱く女
2007年から手書きでノートに観た作品の題名を書いている。いよいよ2900を超えた。
3000を目標にしてきたが、2022年にようやく達成できそうだ。果たして死ぬまでに5000いくだろうか?
その中で10作ピックアップする。優劣つけがたいがサブで10作をピックアップしてみる。
これは自分の好みが入る。映画の質がいい悪いは別である。
(観た順番で、内容はクリックして確認ください)
1.すばらしき世界
2.水を抱く女
3.いとみち
4.インザハイツ
5.サマーフィルムにのって
6.ドライブマイカー
7.由宇子の天秤
8.花椒の味
9.ファイター、北の挑戦者
10.ラストナイトインソーホー
前年は日本映画でいいものがなかった。逆に5作も入ってしまう。今年は西川美和監督の新作「すばらしき世界」が口火を切った。念入りに映画の材料を取材をして、娯楽作品として観客を楽しませようとする要素に満ち溢れている。そのほかにも若手監督のよくできた作品が目立った。「いとみち」では普通の青森の女の子がメイドカフェに勤める設定で、津軽三味線という小道具も効果的に効いていい作品になった。父親役豊川悦司の存在を横浜聡子監督が巧みに使っていた。「サマーフィルムにのって」も好感がもてた。高校生にして大映の監督三隅研次を崇拝する時代劇オタクという主役に加えて周囲の高校生の特異なキャラクターの設定に成功している。
もはや日本を代表する映画監督かつ論客になりつつある濱口竜介監督も2作披露してくれた。村上春樹の短編集にある「ドライブマイカー」では題名作品に加えて、2つの作品からエッセンスを引用してすばらしいシナリオにした。途中演劇の部分が長すぎる気もしたが、あの短編集をここまで映像化してくれたことに感激した。もう一作「偶然と想像」の方がいいという人もいる。もちろん水準を大きく超えるが、室内劇中心で明らかな低予算の作品なので映画としての膨らみがあると自分には思えない。ここまで名が売れたら次回はもっとぜいたくして作って欲しい。
瀧内公美がいい女優になってきた。「火口のふたり」で大胆な演技をしてから前年の「アンダードッグ」も含めてこのところ脱ぎっぱなしであった。そうしているうちに「由宇子の天秤」というインテリの役をもらった。この映画のストーリー展開は先を読ませぬ巧さがある。でも若干長回しが長すぎるかな?という印象をもつ。それでも春本雄二郎監督は光石研をはじめとした演技の職人を絶妙に使い、今後に期待できる監督だ。
「水を抱く女」のミステリータッチに若干ホラー的要素を加えた展開には思わずドキドキした。クリスティアン・ペッツォルト監督はこれまでニーナホスという1人の女優とのコンビが主だった。今回女優をかえて、テイストも若干変わったのがいい結果を生んだ。「インザハイツ」はラテン版「LALALAND」といった感じで、観ていて気持ちが高揚した。古い映画からの引用も多々あるが、ひたすら楽しい。たぶん他の評者はピックアップしないと思う「花椒の味」はまったく仲のよくなかった父娘の関係だったのに、父が死んで2人の異母妹が現れて父の経営した火鍋店をやるという設定だ。ここで娘が亡き父を想う気持ちに同化した。デモとコロナでしばらく行けていない香港が舞台ということも自分にはプラス要素だ。
「ファイター、北の挑戦者」は脱北者の若い女性がボクシングで身を立てようとする話だ。女性のボクシング映画には「ミリオンダラーベイビー」と「百円の恋」という素晴らしい傑作がある。脱北者の苦悩が映画の要素に加えられた脚本が良く、どこにでもいるような女の子が演じているのも良かった。そして「ラストナイトインソーホー」が実に良かった。60年代のロンドンを魔界のように仕立て上げ、2人の美少女をピックアップして悪夢と現実を渡り歩く。照明設計も美術も音楽もみんな良く、デイヴィッドリンチ監督やヒッチコック、パルマなど古今東西の映画作家の要素を盛り込んだ素敵な作品にしてくれた。今年一年の洋画ではいちばん好きだ。
1.わたしの叔父さん
2.世界で一番幸せな食堂
3.春江水暖
4.キャラクター
5.一秒先の彼女
6.17歳の瞳に映る世界
7.少年の君
8.サマーオブソウル
9.ONODA
10.悪なき殺人
一転して日本映画が一作のみ。日本のクライムサスペンス映画のレベルは韓国と比べると低いが「キャラクター」はその見方を変えるほどよくできていておもしろかった。ここにピックアップしていないが「あのこは貴族」も良かった。自分の母校のことも語られていて懐かしい思いになった。
コロナ禍でアメリカ資本の映画が少なく、欧州や中国系の映画が増えてくる。「わたしの叔父さん」と「世界で一番幸せな食堂」はいずれも北欧産でよく似たやさしいムードをもつ。いずれも自分の肌合いに合った映画だ。それに似た感じで中国映画「春江水暖」も心地よい。台湾映画「1秒先の彼女」はファンタジーの要素を持つがコミカルな主人公の存在が笑えてしまう。中国映画「少年の君」は現代中国受験事情がこれを観てよくわかり、裏社会的要素を加えてニュースだけではわからない中国事情がつぶさにわかった。
「サマーオブソウル」は1969年のソウルミュージックフェスティバルの映画化である。こんなすごいフィルムが残されているとは思わなかった。個人的にはフィフスディメンションがでてきたときにいちばんドッキリ。「ONODA」は小野田少尉のフィリピン生活を描いている。日本人が作れないフランス人による日本映画という内容だ。サスペンス系では緻密に映画の設計がされているフランス映画「悪なき殺人」は今年一押しだ。
前年公開の作品で今年見た中で、前の年に観たなら絶対入れていたのは「37セカンズ」と「異端の鳥」
いずれもすごく良かった。
特別に日本映画外国映画でそれぞれ3つ選んでみる。
日本映画
1.すばらしき世界
2.いとみち
以下はどうしようかと一日考えて同着
3.由宇子の天秤
3.ドライブマイカー
外国映画
1.ラストナイト・イン・ソーホー
2.インザハイツ
3.水を抱く女
2007年から手書きでノートに観た作品の題名を書いている。いよいよ2900を超えた。
3000を目標にしてきたが、2022年にようやく達成できそうだ。果たして死ぬまでに5000いくだろうか?