先日の私の記事、へコメントを下さった「みずのおもて」さんの『カイロス・みずのおもて』というブログを拝見致しました。
19年前に中学3年生の娘を白血球ガンで突然亡くした母の悲しみがつづられたブログです。
URLはhttp://84815811.at.webry.info/です。思わず姿勢を正して読んでしまいました。
「みずのおもて」さんへメールを送り、その美しい文章の一部を5回の連載記事としてこちらのブログに掲載することをお許し頂きました。今迄の4回の記事の題目は以下の通りです。クリックすると記事が開きます。
中学三年生の娘を亡くした母の悲しく、美しい文章(2)「告知」
中学三年生の娘を亡くした母の悲しく、美しい文章(3)お兄ちゃんへの手紙
中学三年生の娘を亡くした母の悲しく、美しい文章(4)頼子さん、家族と一緒に最後のキャンプへ行く
- お母さんから、亡くなった頼子さんのお写真を掲載するように送って下さいました。上の写真です。尚、写真掲載に関する私の気持は先日の、人の存在の証明 という題の記事に書いておきました。
さて今回の完結編では頼子さんの母親の書いた追悼集をご紹介し、その中から一文を引用し以下に掲載したいと思います。
追悼集は新教出版社から1995年6月5日に初版が出ました。「遠く広き国へ」ーわが子を天に送ってー橋本郁子編著 です。
この追悼集は下のような4部で構成されています。
I、闘病の記録
II、頼子について書いていただいたこと
III、残された作品と回想
IV、頼子を天に送って
中学校3年生の娘を失った母の悲しみが切々と綴られた文集です。頼子さんがどんなに良い子だったかということが判ります。
一番驚く事は、苦しい闘病生活にもかかわらず頼子さんが常に明るく生きていたことです。彼女はキリスト教の信者でした。
最後まで希望を持っていました。病床で英検三級の試験も合格しました。
その平安な、静かな精神は何処から来るのでしょうか?
悲しむ父母へ何時も変わらない明るい態度で接していたのです。
その様子は同級生の追悼文からも伺えます。そこで今回はその同級生の追悼文を転載し、この5回にわたる連載記事の完結と致したいと存じます。
====同級の3年2組の生徒からの追悼文===========
「私たちは、先月十日、級友である橋本頼子さんを病気のために失いました。橋本さんは今年の一月から入、退院を繰り返し、ほとんど学校に来ることができませんでした。三年生になっても、二組の教室に一度しか顔を出すことができませんでした。もちろん授業は受けられませんでした。しかし登校できなくなってからは、通信教育を受けて勉強して、受験に備えていたそうです。
橋本さんは自分の病気のすべてを知っていました。それでも勉強する意慾を失わず、生きる希望を絶対に捨てないで、病気と必死に闘っていました。そして病魔に犯され、立っているのがやっとという状態のとき、家族にささえながら英検三級を受けました。そして二次試験まで合格しました。この試験は中学三年終了程度のレベルですから、いかに彼女が病床でもがんばったかが分かると思います。
そのことを聞いたとき、私たちはそこまで勉強しようとした彼女にただただ胸をうたれました。私たちはそんな橋本さんの意志を引き継ぎ、橋本さんの分まで何事も最後までがんばることを心に誓います。
私たち三年二組は、この劇を橋本さんへ贈りたいと思います」
==学校祭での劇、「ぼくらの十五分間戦争」の上演終了後に読み上げた追悼文です==
頼子さんは短い人生の後、天に昇って、必ずやイエス様のそばで安らかに眠っていると私は信じています。この5回にわたる連載記事をお読み頂いた方々へ深い感謝をお送りします。
そして是非、頼子さんのご冥福を祈ってあげて下さいますようにお願い申し上げます。(完結)
======みずのおもてさんから以下のコメントを頂きました==========
後藤和弘様
5回にわたりまして、私の拙いブログを皆様にご紹介いただきまして、誠にありがとうございました。
当事者といたしましては、特にその渦中にありましては、主観的な観点から事態を見つめることしかできず、他の方々には不可解と思われることもあるかと存じますがそのようなところを超えてのご厚意に、深く感謝いたします。
また拙著をもご紹介下さいましてありがとうございました。
ネットの力と申しますか、本日とても思いがけないことがありました。
後藤様に4回目の記事でお取り上げ頂きましたが、新舞子浜のキャンプでお世話になった、福島県いわき市の志賀留蔵さんのお孫さんにあたる方から、本日メールを頂いたのです。
偶然ブログを読んで下さったとのことでした。ブログを読んで下さる方は限られた人数ですのに、とてもおどろいております。
志賀さんは98歳で、今もご健在で、警察官の菊地さんもお元気でご活躍とのことでした。本当に嬉しく感激致しました。
いろいろな弱さや至らなさから、いっとき途切れてしまったかと思うような人とのつながりを、もう一度紡ぎなおしてくださるのは何の力によるものなのか、ふと手を止めて考えてしまいました。
どうもありがとうございました。
またブログにお邪魔させて頂きます。
=====投稿 みずのおもて | 2012/09/23 20:21 ===========