後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

水辺の風景(2)とにかく、なにも無い風蓮湖の寂寥

2012年09月22日 | 日記・エッセイ・コラム

風蓮湖は白鳥の飛来地として有名です。下にあるような写真をよく見かけます。そのせいで何故か素晴らしい湖という印象が心に焼き付いていました。そこで今回の北海道への旅の目的の一つにこのロマンチックな名前の湖を見に行くことがありました。

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野付半島のトドワラとナラワラを見たあとで国道を根気良く南下してて、ついに下のような看板を見つけました。ところが湖岸へ出る道がありません。向こうに見える森の先に風蓮湖がある筈です。車で行きつ戻りつしてやっと未舗装の細い道を発見しました。

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その悪路を心細く思いながら辿って行き、やっと湖岸に出ました。小さな漁船が着く桟橋があります。

兎に角、何も無い寂寥とした風景が広がっているだけです。東からの海風が強く湖面を波立せているだけです。

空は暗く曇り、時々冷い雨が落ちて来ます。下の写真が小雨の風蓮湖です。

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白鳥の写真から勝手にロマンチックで華やかな風景を想像していた私の愚かさを独りで笑いながら印象深い写真を撮ろうと努力して見ました。

北の国の湖の寂寥感を写真で表現したいと思ったのです。

下の2枚がその作品のつもりです。ズームを使わないで撮った写真と使って撮った写真です。同じ対象ですが写真の印象が違うようなので2枚掲載しました。

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一般的に北国の秋はこのように暗く曇った日々が多いのです。昔、ドイツに住んでいた秋にも同じような天気が毎日続いたのを思い出しました。

暗いから人々は家の中だけでも明るい雰囲気にしようとします。家族が寄り添って、支え合って暮らしています。重厚なドイツ文化の基礎には、長い冬の暗さと厳しさが横たわっているようです。そんな事を思い出すと、北海道の人々の粘り強い心の底が少し見えたような気分になります。

暗い日の風蓮湖の寂寥が北国の人々の心を教えてくれているようです。

華やかな夏の日々は一瞬に過ぎ去ってしまったのです。(続く)


この美しい雲の下に麗しい瑞穂の国がある・・・そして航空機の素晴らしさ

2012年09月22日 | 日記・エッセイ・コラム

今回の旅は北海道の東部の中標津空港へ降りて、帰りは女満別空港から羽田に帰るという飛行機に乗りました。往復とも窓際の席でしたので美しい雲のたたずまいを写真に撮れました。

雲の合間には緑の大地や青く光る海原が時々見えます。

そんな写真をお送りいたしますのでお楽しみ下さい。

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上の3枚は中標津へ向かいつつある機上から撮ったもので、下の2枚は女満別空港から羽田へ向かう時撮ったものです。

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このような旅客機から見た風景は多くの人々にとって見慣れたものでしょう。しかし私は何度見ても2つの事で興奮し、考え込んでしまいます。

その一つは1910年ごろのライト兄弟の飛行成功以前の人類はこの景色を見たことが無かったという事実です。勿論、ヨーロッパでは熱気球で空から見降ろした人も居ましたが、時速900km以上で高度10000mで移動する旅客機から流れゆく雲や地上の景色を見た人類はいなかったのです。

1960年にオハイオへ留学するとき初めて乗った旅客機は米国のノースウエスト社の4発プロペラ機でした。それから2年後の1962年には旅客機のエンジンはジェットエンジンに変ったのです。

そして私が興奮する2つめの原因はこの旅客機用のジェットエンジンの事なのです。

日本の技術力がどんなに世界一だと主張しても、この旅客機用のジェットエンジンだけは作れないのです。作れるのはアメリカのGE社とイギリスのロールスロイス社だけなのです。

その理由こそ現代の工業技術というものの本質を示しています。

ジェットエンジンは下の構造図のようにそれほど複雑な工業製品ではありません。日本でも試作品ならいくらでも作れます。

しかしそれを買ってくれる人が皆無なのです。

民間会社の旅客機に用いるジェットエンジンは絶対に故障を起こしてはいけない製品なのです。

エンジンの故障を何千回、何万回と経験し、その故障の原因の分析結果を記録し、改良に改良を重ねる実績を保有している会社が米国のGE社とイギリスのロールスロイス社だけなのです。

ですからこそ、この2社の旅客機用のジェットエンジンが売れるのです。

このように工業技術というものには経験というものが沢山詰まっているのです。

一方、軍用機のエンジンは軽くて出力が大であれば良いのです。故障率は重要ではないのです。ですから軍用機はいろいろな国で作っています。

下の構造図は、左が飛行機の前で、右が後です。あとはジット見つめていると多くの人がジェットエンジンの作動原理が理解できる筈です。

一つだけ理解すべきことは空気を吸気したらそれを高速で回転している羽根車で圧縮してから燃焼室へ送るという事です。このようにしないと高度10000m以上の空気の薄い空を飛べないのです。

そんな事をいろいろ考えて窓の外のGE社製の大きなジェットエンジンを飽きずに見ていました。

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(出典:http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/45/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%8B%95%E4%BD%9C%E5%8E%9F%E7%90%86%28%E8%A9%B3%E7%B4%B0%E5%9B%B3%29.PNG

話は飛びますが原子力発電所もアメリカのウェウスチングハウス社が完成した技術です。

今回の福島原発の爆破事故の原因の経過を一番、詳細に蒐集し、分析しているのはアメリカのウェウスチングハウス社の筈です。そして原発の安全性を向上させているのです。原発の小さな事故や大きな爆発事故の経験が次世代の原発の安全性につながっているのです。

日本は原発の新設は当分しませんが、アメリカのウェウスチングハウス社は中国やベトイナムやミャンマーでの原発の建設をするに違いありません。

それにしても原発の爆発事故は自動車や航空機の事故と比較の出来ない性質を持っています。

放射能の被害が広範で甚大なのです。関係のない多数の第三者が被害者になるのです。

ですからこそ私は原発はこの津波や地震の多い日本ではゼロにした方が良いと信じています。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。

後藤和弘(藤山杜人)