おはようございます。今日は日曜日なので宗教に関する軽い小文を書いてみたいと思います。
今日の主題は宗教と科学は対立するものでないし、矛盾するものでもないということです。難しい屁理屈を展開するつもりはありません。
北極星信仰とハッブル宇宙望遠鏡で解明された宇宙を一例にして、宗教と科学は対立するものでないことを示したいと思います。
さて北極星信仰は日本では妙見信仰として、能勢の妙見様や各地に妙見堂があります。これは仏教とは異質の道教起源の信仰で中国から入って来たものです。
この宗教は北極星(北辰)と北斗七星に対する信仰であり、日本では仏教と混淆し、北辰妙見菩薩に対する信仰に変化しました。
一方、神道と混淆したのが「天御中主神」(アメノミナカヌシノカミ)です。
この北極星信仰は、その動かない星が北の空にあって宇宙の全てを支配する最高神すなわち天帝として崇める宗教なのです。そして北斗七星は天帝の依頼を受けて人間の行状を監視し、その生死や禍福を支配しているのです。
1番目の写真に北極星の写真を示します。
2番目の写真は北斗七星とカシオペア座と北極星の位置関係を示す写真です。
この北極星と北斗七星の信仰は推古天皇のころ日本へ入ってきたと言われています。
奈良の明日香にある高松塚古墳の天井に北斗七星が描かれ、北壁には北極星の象徴である玄武像(カメと蛇が絡み合った像)が描かれていたのは日本へ北極星と北斗七星の信仰が入ってきた証拠と言われています。
正倉院の御物にも北斗七星が描かれているので奈良時代には北辰信仰が入っていたと考えられています。
この北辰信仰が時代とともに仏教と混淆して、妙見信仰へと変化していったのです。
私的なことで恐縮ですが、私の祖父が住職をしていた兵庫県の曹洞宗の正林寺に行くために何度も乗った能勢電鉄の終点が能勢妙見さんでした。本尊さんは北辰妙見菩薩なのです。 ですから能勢の妙見さんのことは昔から知っていた懐かしい場所なのです。
この妙見信仰のお寺は能勢氏が1600年頃に建立したものです。そして能勢氏は日蓮宗の信者だったので法華経の守護神の北辰妙見菩薩をご本尊にしたのです。
3番目と4番目の写真に能勢妙見の写真を示します。写真は、http://www3.ocn.ne.jp/~tohara/nose-myouken.htmlからお借りしました。
この北極星は宇宙の中心であり、宇宙の全てを支配する最高神であるということは近代天文学では否定されています。
特に1990年に宇宙へ打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡は宇宙の実態を非常に広範に解明したのです。そこでこの宇宙望遠鏡について簡単にご紹介いたします。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%96%E3%83%AB%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%9C%9B%E9%81%A0%E9%8F%A1)
この宇宙望遠鏡は、地上約600km上空の軌道上を現在でも周回しています。
長さ13.1メートル、重さ11トンの筒型で、内側に反射望遠鏡を収めており、主鏡の直径は2.4メートルもあります。
大気や天候による影響を受けないため、地上からでは困難な高い精度での天体観測が可能なのです。
5番目の写真に地球の上を飛んでいるハッブル宇宙望遠鏡の写真を示します。
6番目の写真はこの宇宙望遠鏡で撮った星空です。
これまでにスペースシャトルが何度かこの望遠鏡を訪れ、宇宙飛行士が観測装置を補修したり、新しいカメラや分光器を取り付けるなどしてきました。
7番目の写真は宇宙飛行士がこの宇宙望遠鏡を修理している光景です。
この望遠鏡のお陰で数多くの発見がなされました。一つだけ書けば、太陽系以外の恒星の周りに惑星が存在する証拠を初めて得たのです。
そして宇宙は大きなスケールに渉り均一であることも判りました。
従って北極星が宇宙の中心だという妙見信仰は完全に否定されてしまったのです。
しかし北極星信仰をしている人々にとってはそれはどうでも良いのです。理性ではそうですかと受け入れますが、心では北極星が宇宙の中心にいて宇宙の全てを支配していると信じているのです。これは理性と心の違いです。理性は頭脳にありますが信仰はハートにあるのです。ですから科学と宗教は矛盾もしませんし、対立もしないのです。
余談ながら私はカトリックを信じています。上に書いたように科学で否定されていることでも聖書に書いてあることは全て信じています。
特に新約聖書に書いてある奇蹟は全て信じています。昔の私の職業は化学者でした。当時からカトリックでしたが、科学と宗教の矛盾を感じたことが一切無かったのです。
ご理解下さいとは申しません。ただ今日の小文を読み流してほんの少し考えて頂ければ嬉しく存じます。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
今日の主題は宗教と科学は対立するものでないし、矛盾するものでもないということです。難しい屁理屈を展開するつもりはありません。
北極星信仰とハッブル宇宙望遠鏡で解明された宇宙を一例にして、宗教と科学は対立するものでないことを示したいと思います。
さて北極星信仰は日本では妙見信仰として、能勢の妙見様や各地に妙見堂があります。これは仏教とは異質の道教起源の信仰で中国から入って来たものです。
この宗教は北極星(北辰)と北斗七星に対する信仰であり、日本では仏教と混淆し、北辰妙見菩薩に対する信仰に変化しました。
一方、神道と混淆したのが「天御中主神」(アメノミナカヌシノカミ)です。
この北極星信仰は、その動かない星が北の空にあって宇宙の全てを支配する最高神すなわち天帝として崇める宗教なのです。そして北斗七星は天帝の依頼を受けて人間の行状を監視し、その生死や禍福を支配しているのです。
1番目の写真に北極星の写真を示します。
2番目の写真は北斗七星とカシオペア座と北極星の位置関係を示す写真です。
この北極星と北斗七星の信仰は推古天皇のころ日本へ入ってきたと言われています。
奈良の明日香にある高松塚古墳の天井に北斗七星が描かれ、北壁には北極星の象徴である玄武像(カメと蛇が絡み合った像)が描かれていたのは日本へ北極星と北斗七星の信仰が入ってきた証拠と言われています。
正倉院の御物にも北斗七星が描かれているので奈良時代には北辰信仰が入っていたと考えられています。
この北辰信仰が時代とともに仏教と混淆して、妙見信仰へと変化していったのです。
私的なことで恐縮ですが、私の祖父が住職をしていた兵庫県の曹洞宗の正林寺に行くために何度も乗った能勢電鉄の終点が能勢妙見さんでした。本尊さんは北辰妙見菩薩なのです。 ですから能勢の妙見さんのことは昔から知っていた懐かしい場所なのです。
この妙見信仰のお寺は能勢氏が1600年頃に建立したものです。そして能勢氏は日蓮宗の信者だったので法華経の守護神の北辰妙見菩薩をご本尊にしたのです。
3番目と4番目の写真に能勢妙見の写真を示します。写真は、http://www3.ocn.ne.jp/~tohara/nose-myouken.htmlからお借りしました。
この北極星は宇宙の中心であり、宇宙の全てを支配する最高神であるということは近代天文学では否定されています。
特に1990年に宇宙へ打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡は宇宙の実態を非常に広範に解明したのです。そこでこの宇宙望遠鏡について簡単にご紹介いたします。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%96%E3%83%AB%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%9C%9B%E9%81%A0%E9%8F%A1)
この宇宙望遠鏡は、地上約600km上空の軌道上を現在でも周回しています。
長さ13.1メートル、重さ11トンの筒型で、内側に反射望遠鏡を収めており、主鏡の直径は2.4メートルもあります。
大気や天候による影響を受けないため、地上からでは困難な高い精度での天体観測が可能なのです。
5番目の写真に地球の上を飛んでいるハッブル宇宙望遠鏡の写真を示します。
6番目の写真はこの宇宙望遠鏡で撮った星空です。
これまでにスペースシャトルが何度かこの望遠鏡を訪れ、宇宙飛行士が観測装置を補修したり、新しいカメラや分光器を取り付けるなどしてきました。
7番目の写真は宇宙飛行士がこの宇宙望遠鏡を修理している光景です。
この望遠鏡のお陰で数多くの発見がなされました。一つだけ書けば、太陽系以外の恒星の周りに惑星が存在する証拠を初めて得たのです。
そして宇宙は大きなスケールに渉り均一であることも判りました。
従って北極星が宇宙の中心だという妙見信仰は完全に否定されてしまったのです。
しかし北極星信仰をしている人々にとってはそれはどうでも良いのです。理性ではそうですかと受け入れますが、心では北極星が宇宙の中心にいて宇宙の全てを支配していると信じているのです。これは理性と心の違いです。理性は頭脳にありますが信仰はハートにあるのです。ですから科学と宗教は矛盾もしませんし、対立もしないのです。
余談ながら私はカトリックを信じています。上に書いたように科学で否定されていることでも聖書に書いてあることは全て信じています。
特に新約聖書に書いてある奇蹟は全て信じています。昔の私の職業は化学者でした。当時からカトリックでしたが、科学と宗教の矛盾を感じたことが一切無かったのです。
ご理解下さいとは申しません。ただ今日の小文を読み流してほんの少し考えて頂ければ嬉しく存じます。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)