後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「アメリカ人による銃乱射テロ、トランプ氏とクリントン氏は?」

2016年06月14日 | 日記・エッセイ・コラム
また悲惨なテロ事件が起きました。アメリカの国籍を持っているイスラム教徒がフロリダのナイトトクラブで自動小銃を乱射して49人が死亡し、さらに50人ほどの人が負傷しました。すかさず中東のイスラム国がこのテロを実行したという声明を出しました。
犯人のオマル・マティーンはその場で射殺されました。
この事件で驚くべきことは犯人がアメリカ人であることです。両親はアフガニスタンから移民して、犯人のオマルはアメリカで生まれたイスラム教徒です。
彼はイスラム国と直接の関係は無く、勝手にイスラム国に忠誠を誓い、アメリカでテロを実行したのです。この事情は移民を厳しく規制している日本からは理解出来ない驚きです。
もう一つの驚きは軍隊で使うような高性能の自動小銃を市民が合法的に購入出来ることです。
以前、アメリカのホームセンターの片隅で猟銃やピストルを売っているコーナーを見たことはありましたが最近は自動小銃も売っているようです。猟銃ならハンティングという趣味の道具ですが、自動小銃は殺人兵器です。これも驚きです。
今回のテロ事件で犠牲になった49人のため欧米各地では花束を供え、人々が祈っています。
多くの日本人も心の中で犠牲者の冥福を祈っているに違いありません。
アメリカ人は大きな衝撃を受けております。

この衝撃的な悲劇を受けて次期大統領候補のクリントン氏とトランプ氏は再発防止のための方策を発表しました。
クリントン氏は銃規制を徹底すれば銃乱射によるテロは防げると主張しました。
一方、トランプ氏はそれでは防げないと言います。銃規制の厳しいフランスでさえ度々大規模なテロ事件がおきているではないかと言うのです。
それよりもかねてから言っていたイスラム教徒の入国を禁止し、移民は規制すべきだと言うのです。
今回の事件の犯人の両親はアフガニスタンからの移民でした。ですからトランプ氏は移民の審査を厳しくして移民全体を規制すべきと言うのです。

ここからは私の個人的な意見です。
私はクリントン氏とトランプ氏の両方の政策は実行困難だと考えています。
まずクリントン氏の銃規制はアメリカのライフル銃協会という強大な政治団体の反対にあって実行出来ません。この団体は銃猟の普及の他にアメリカ憲法にうたわれている個人の武装の自由を守るためにも運動しているのです。
アメリカの多くの家庭では自衛のためにピストルがしまってあります。まず使うことの無いピストルですが書斎の机の引き出しなどにしまってあります。私もそんなピストルを見たことがあります。
アメリカではピストル保持は基本的人権の一つと考えている人が多いのです。
ですから銃器規制は掛け声だけで終わってしまいます。

一方、トランプ氏のイスラム教徒入国禁止と移民規制は本当にテロを防止出来るでしょうか?
アメリカのイスラム教徒は、少なくとも200~300万人、メジャーな宗教団体の見解では600~700万人はいると考えられています。
今回のテロもそのようにすでにアメリカ国籍を持っている犯人によって起こされた事件なのです。
いくらイスラム教徒入国を禁止したり移民を規制してもテロは防止出来ません。反対にトランプ氏の考えに反発してイスラム教徒によるテロが増える可能性があるのです。
その上、自由な入国と移民は「平等と自由」を旗印にして発展してきたアメリカにとっては止めることは出来ません。その理想的な主義主張を泥の川に捨てることが出来ないと考える人が多いのです。

アメリカが、そしてNATO同盟の諸国が中東で軍事行動を続けているかぎりイスラム教徒によるテロの悲劇は避けられなのではないでしょうか。

人々が人類の愚かさに目覚め、世界に真の平和が来るように祈らざるを得ません。

今日はフロリダのテロ事件で犠牲になった方々の冥福を祈って、タチアオイの花の写真を送りします。先週、青梅市の吹上しょうぶ公園で撮った写真です。