後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

中国人は日本を恨まず、尊敬すらしている

2017年10月14日 | 日記・エッセイ・コラム
先日の10月11日に、「豊かな朝鮮文化を少しだけ知ろう!」という記事を掲載しました。そして韓国にある世界遺産を紹介しました。その上で朝鮮に古代からあった郷歌のことや百済、新羅、高句麗の三国時代の『三国史記』や『三国遺事』のことも紹介しました。
日本に萬葉集や古事記や日本書紀、源氏物語があったように百済、新羅、高句麗の三国にも同じような文学作品や歴史書があったのです。
今日は中国の世界遺産を紹介し、続けて中国人は本音として日本を恨んでいないどころか尊敬すらしている様子を書きたいと思います。
1980年代に私を招待してくれた北京鋼鉄学院の故周栄章教授と東北学院の金応培教授の本音の対日感情をご紹介したいと思います。

さて中国には2017年7月現在、52件の世界遺産が登録されています。そして世界遺産登録の前段階となる暫定リストは、59件もあるのです。その全てを示すと長すぎますので36の文化遺産だけを下に示します。
36の文化遺産(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C%E9%81%BA%E7%94%A3 )
万里の長城(1987年)
北京と瀋陽の明・清王朝皇宮(1987年、2004年拡大)
莫高窟(1987年)
秦始皇帝陵及び兵馬俑坑(1987年)
周口店の北京原人遺跡(1987年)
承徳の避暑山荘と外八廟(1994年)
曲阜の孔廟、孔林、孔府(1994年)
武当山古建築(1994年)
ラサのポタラ宮の歴史的遺跡群(1994年、2000年・2001年拡大)
廬山国立公園(1996年)
麗江古城(1997年)
平遥古城(1997年)
蘇州古典園林(1997年、2000年拡大)
頤和園(1998年)
天壇(1998年)
大足石刻(1999年)
青城山と都江堰(2000年)
安徽南部の古村落—西逓と宏村(2000年)
龍門石窟(2000年)
明・清王朝の皇帝墓群(2000年、2003年・2004年拡大)
雲崗石窟(2001年)
高句麗前期の都城と古墳(2004年)
マカオ歴史地区(2005年)
殷墟(2006年)
開平楼閣と村落(2007年)
福建土楼(2008年)
五台山(2009年)
「天地の中央」にある登封の史跡群(2010年)
杭州西湖の文化的景観(2011年)
上都遺跡(2012年)
紅河哈尼棚田群の文化的景観(2013年)
シルクロード : 長安-天山回廊の交易路網(2014年)
大運河(2014年)
土司遺跡群(2015年)
左江花山の岩絵の文化的景観(2016年)
歴史的共同租界、鼓浪嶼(2017年)

他に12の自然遺産と4つの複合遺産や5つの文化的景観などがあります。
さて写真に1981年に周栄章教授が私を案内してくれた文化遺産の写真を示します。

1番目の写真は私が一番好きな頤和園の風景です。

2番目の写真は北京にある天壇です。

3番目の写真は北京の北の承徳にある避暑山荘です。

4番目の写真は西安の郊外にある秦の始皇帝の陵墓の傍にある兵馬俑の巨大な博物館です。

5番目の写真は北京の南にある北京原人の洞窟の傍にある発掘品の博物館です。

6番目の写真は北京城(故宮、紫禁城)の写真です。

7番目の写真は明の13稜の入り口にある発掘品の展示館への楼門の写真です。

この他に周栄章教授は万里の長城や古い関門や農村の普通の農民の家の中まで案内してくれたのです。
私はそれまでヨーロッパの文化遺産はかなり見ていました。しかし中国の文化遺産は私を圧倒したのです。
北京の場末の北京ダックが美味だという店で冷えていないビールを飲みながら周栄章教授は本音の対日感情を吐露し始めました。
「日本人は偉い!明治維新で近代化して欧米の植民地政策を撥ね飛ばしたのが偉い!」、と言うのです。
彼は共産党軍とともに天津市を国民党軍から解放して、その後の行政の仕事をした共産党員でした。
「私は日本人を恨みに思っていません。真珠湾攻撃も欧米植民地政策に立ち向かった自然な行為です。そして敗戦後も工業技術の向上に努力し、日本はまた一等国に返り咲いたのです」と言います。
そして「この日本の歴史は中国人に自信を与えたのです。」と、このような勢いで日本を褒めてくれたのです。
しかし私が満州国の建国や南京虐殺の話を持ち出しました。そうしたら革命で追放された愛新覚羅溥儀皇帝がもう一度皇帝になろうとするのは自然で、そんな例は中国の歴史に何度もあると言ったのです。
「南京虐殺はいけませんが、それより非道な話は日清戦争のあとの21ケ条の過酷な要求です」と言うのです。

さて現在の中国はGDPが世界2位になり軍事力も強大になりアメリカに対峙するほどになっているのです。
一方、日本のGDPは世界3位です。そして日本は先進八ケ国首脳会議のメンバーになっているのです。日本は唯一のアジアの非白人国として先進八ケ国首脳会議に入っているのです。
18世紀以来、欧米の植民地主義に苦しんで来た中国人の本音としては、常に欧米に対抗して『中国・台湾・日本・韓国・北朝鮮』の漢字文化圏がどのように競争するかという考えを持っています。

これが私の中国観です。この文脈で私は尖閣諸島問題も慰安婦問題も北朝鮮問題も考えています。そうすると中国が北朝鮮を陰で支援していても不思議ではないと思えるのです。
このような視点で私は日本と中国・台湾・韓国・北朝鮮との関係を時々考えています。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)