後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

さっぱり面白くない7枚の写真をお送りします

2018年02月27日 | 日記・エッセイ・コラム
今日、お送りする7枚の写真は美しい花々の写真ではありません。見て感動するような絶景の写真でもありません。
とにかく詰まらない写真です。日本の宗教に関する写真ですので、宗教に興味の無い人にとっては全く面白くない写真です。
しかし日本民族の文化的風景として気軽にご覧頂けたら嬉しく思います。
それでは早速、先週2、3日かけて撮った写真を示します。

1番目の写真は昔農道だった三叉路の交差点に立っている庚申塔です。小金井市の教育委員会の書いた説明板に江戸末期の寛政6年、1794年に建てられたとあります。
この庚申塔には時々、花が供えてあるので、現在でも信仰の対象になっているのでしょう。
この庚申信仰は実に奇妙です。中国の道教の庚申信仰が日本に伝承されたものでした。
その信仰とは人の体内に住む三匹の虫にまつわる俗信です。旅人の安全を守る馬頭観音や道祖神とは全く違うのです。しかもこの俗信の内容が時代とともに、どんどん変化して行ったのです。
なお詳しくは、2017年03月16日掲載の記事、「あなたはご存知ですか?実に奇妙な庚申塚のことを」をご覧下さい。

2番目の写真も近所の自動車道路の脇にある弁財天を説明している石碑です。
インドのヒンズー教の女神の弁財天の傍から有難い水が湧いているのです。

3番目の写真はその弁財天を祀った祠の写真です。
昔の三叉路の交差点に立っていて、後ろはコンビニ店の広い駐車場になっています。
写真の左手前に寿福水の水道の蛇口が写っています。近所の人がここから水を汲んで行きお茶やコーヒーを淹れて飲んでるようです。

4番目の写真は府中市の鎌倉期に出来た高安寺の境内にある薬師様や観音様やいろいろな如来や菩薩の像です。この寺は曹洞宗なのでご本尊はお釈迦さまです。ですから釈迦像は別格に大きく作ってあります。
しかし宗派によっては釈迦如来も薬師如来も観音菩薩も同じ大きさで並んでいる場合もあります。日本の仏教ではどの如来、どの菩薩を信仰の対象としても良いのです。つまり多神教的なのです。

5番目の写真は高安寺の本堂の前に立っている曹洞宗の開祖の道元さまの像です。本尊の釈迦如来と同じように信仰の対象です。

6番目の写真は高安寺に一画にある地蔵菩薩の像です。
このお寺を参りに来た人はまず、薬師様や観音様やいろいろな如来や菩薩の像に手を合わせて拝みます。次に本堂の前の道元さまに手を合わせて拝みます。本堂の前に進み釈迦如来に合掌します。そして帰りがけにお地蔵さんを拝みます。

7番目の写真は東村山市にある鎌倉期創建の臨済宗建長寺派の正福寺の境内にある地蔵堂の写真です。
正福寺地蔵堂 は1952年3月29日に国宝に指定されました。東京で国宝の建物はここだけだと自称しています。調べてみると成程、東京内は国宝の建物はほとんどありません。京都や奈良に集中しています。
その理由で正福寺では地蔵堂を非常に大切にしています。
この地蔵堂は禅宗様仏殿の代表作の一つだそうです。尾垂木の墨書から室町時代の応永14年(1407年)の建立と分かりました。同時代の建築である鎌倉の円覚寺舎利殿と規模・形式が近似しています。内部には本尊地蔵菩薩像のほか、多数の地蔵菩薩の小像が安置されているのです。
ですからお寺にお参りに来た人々は本堂の本尊の千手千眼観音菩薩よりもこの地蔵堂の本尊地蔵菩薩像の方を大切にしているようです。それは毎年この地蔵堂を中心にしたお祭りから私が勝手に考えたことですが。

今日お送りしました7枚の写真で示したいことは、日本民族はいろいろな神様や仏様たちに守られている幸せな民族だということです。
このように多神教的な文化風土で穏やかに暮らしている民族です。
そんな独特の民族文化を描きたいと思い7枚の組写真をお送りいたしました。
その他の不思議な信仰について皆様のお教え頂ければ嬉しく思います。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)