後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

米国の安全保障を脅かす華為技術有限公司と女社長の逮捕劇

2018年12月17日 | 日記・エッセイ・コラム
最近のマスコミで話題になっている海外ニュースにカナダでの中国人女性の逮捕劇があります。アメリカがカナダへお願いして逮捕して貰ったです。
日本では対岸の火事のように気楽に眺めいますが、この事件は日本の安全保障と経済活動に大きな影響を及ぼす根の深い重大な事件なのです。
今日は何故この事件が非常に大きな問題かを簡単に説明したいと思います。
日産のゴーン会長の逮捕よりもはるかに重大な事件なのです。
さてカナダで逮捕された中国人は孟 晩舟(もう ばんしゅう、46歳 )です。彼女は華為技術有限公司(通称、ファーウェイ)という中国の大会社の副会長で最高財務責任者を務めています。彼女の実父の 任正非が作った会社ですので、孟 晩舟は副会長と言ってもアメリカの華為技術社のトップなのです。
逮捕の理由は孟 晩舟が不正な方法でイランと取引したという容疑です。
しかしそれは口実に過ぎないようです。
アメリカの本当の目的はアメリカから、そしてアメリカ陣営(日本も含む)から華為技術社製のノートパソコンやスマートホンやタブレットを完全に排除することにあるのです。
特にアメリカ政府は FBIやCIA、そして陸軍、海軍、空軍、海兵隊が華為技術社製のノートパソコンやスマートフォンやタブレットを使用すること厳禁したのです。
その理由は簡単です。華為技術社がノートパソコンやスマートフォンを製造する過程で部品などへ不正なプログラムやチップを秘かに組み込むことが出来るのです。すると中国軍は容易にアメリカの軍事情報にアクセス出来るのです。
不正なアクセスの方法は素人の私のは分かりません。しかし明快に分かっていることがあります。
私が今使っているパソコンは富士通が製造したものです。不思議なことに毎週一回くらいの頻度で富士通のパソコン関連の製品の宣伝情報が自動的に送られてくるのです。
そのような仕掛が製造中に組み込まれているのです。これは日本の法律では禁止されていないようです。こういう仕掛になっていることは、私が打ち込む情報は容易に富士通の技術者が見ることが出来ることを示しています。
もう一つあります。パソコンの安全の為に私はロシア製のカスペルスキー社のセキュアリティ・システムを使っています。ですからロシアは容易に私の情報を見ることが出来ます。
カスペルスキー社のセキュアリティ・システムは安価で性能が良いので世界中に普及しているようです。
そこで最近、アメリカ政府は、FBIやCIA、そして陸軍、海軍、空軍、海兵隊がカスペルスキー社のものを使用することを禁止しました。

今回、アメリカは排除の対象にしているのは華為技術社製のものだけでなく、中国の国営企業の中興通訊会社(ZTE)の製品も対象にしています。中興通訊も大企業でスマートフォンやタブレットがアメリカや日本でよく売れています。
日本でも多くの人が使っているのでこの2社の製品を日本から排除しようとしたら大混乱が起きるのが必定です。
しかし日米安保がある以上日本はアメリカに追随しなければいけません。
早速昨日、菅官房長官は日本政府調達においては、この2社の製品は購入しないと発表したのです。

カナダでの中国人女性の逮捕劇は日本の安全保障と経済活動に大きな影響を及ぼすのです。
この事件に比べれば、ゴーン会長の逮捕と解任は小さな事件なのです。
この華為技術社の問題はブッシュ大統領やオバマ大統領が対策を講じてきました。
さてトランプ大統領が今後この問題をどのように取り扱うでしょうか?
日本にも重大な問題ですので注意深く見守りたいと思います。

今日の挿し絵代わりの写真は先週行った山小屋の薪ストーブの写真と近辺の甲斐駒岳や雑木林の風景写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)










===参考資料======================
(1)孟 晩舟の父親の任正非は、華為技術有限公司の最高経営責任者を務める。
https://ja.wikipedia.org/wiki/孟晩舟
逮捕の理由、
2018年12月1日、バンクーバー国際空港で メキシコから香港に向かう途中で、孟は、米国の引き渡し要請でカナダの当局によって逮捕された。
12月7日 逮捕状は2018年8月22日にニューヨーク州東部地区連邦地方裁判所によって発行されたことが判明した。
カナダの裁判所の検察官によると、孟は「複数の国際機関を欺くための陰謀罪で告訴された」と発言。令状
同日孟はバンクーバーでの保釈に出席した。
2018年12月11日、バンクーバーの裁判所は、‪パスポートの提出とGPS機器により24時間体制で監視下に置くことを条件‬に、保釈金1000万・カナダドル(約8億5000万円)で孟晩舟が求めた保釈申請を認めた。‬

(2)華為技術有限公司、
https://ja.wikipedia.org/wiki/ファーウェ
ファーウェイは、1987年に携帯電話のインフラ整備に必要な通信機器を開発するベンダーとして中国・深圳に設立された、世界有数のICTソリューション・プロバイダー。最近は、SIMフリースマートフォンなど、端末を手がけるまでに急成長を遂げた。
1987年 - 任正非をはじめとする元人民解放軍所属の軍事技術関係者が集い創業[19]、携帯電話のインフラ整備に必要な通信機器を開発するベンダーとして中国・深圳市に設立。
2010年2月 - 米国の主要ビジネス誌「ファストカンパニー誌(英語版)」にて、Most Innovative Company Ranking(世界で最も革新的な企業ランキング)にて、Facebook、Amazon、アップル、Googleに続き第5位、2016年には13位に選出された。
2016年3月 - 世界知的所有権機関(WIPO)が発表した、2015年度の特許の国際出願件数によると、同社の出願数が2年連続で首位となった。特に、第3.9世代移動通信システムにあたるLTEや第4世代移動通信システムにあたるLTE-Advancedの標準必須特許に関しては、長年モバイル業界を主導してきたエリクソンやノキアを抑え、クアルコムに次ぐ2位の特許保有企業となっている。
2015年 - スマートフォンの出荷台数が1億台を突破し、サムスン、アップルに次いで世界第3位[
2016年7月 - 日本のSIMフリースマートフォンの分野において、ファーウェイの『HUAWEI P9 lite』が販売台数で第1位となる。(※この記録は、後継機の『HUAWEI P10 lite』が発売されるまでの11ヵ月間、一度も破られなかった)。また、メーカー別の販売台数でもファーウェイがシェア32.4%を記録し、第1位となる.
(3)アメリカとの対立
2000年代から米国のジョージ・W・ブッシュ政権やアメリカ合衆国議会などからファーウェイが国際連合から経済制裁を受けているイラクのサダム・フセイン政権やアフガニスタンのタリバーン政権に通信機器を支援しているとして安全保障上の懸念が出されており、イランでは反体制派の監視や政府の検閲にも利用されるなど同国市場で独占的な地位を築いていた。2016年にはイラン、シリア、北朝鮮などへの輸出規制に違反したとして米国政府から召喚が行われた。
2012年10月、米連邦議会下院の諜報委員会(The House Intelligence Committee)は、ファーウェイと同業のZTEの製品について、中国人民解放軍や中国共産党公安部門と癒着し、スパイ行為やサイバー攻撃のためのインフラの構築を行っている疑いが強いとする調査結果を発表し、両社の製品を合衆国政府の調達品から排除し、民間企業でも取引の自粛を求める勧告を出した。また、2018年1月8日にラスベガスで開催されるCESで正式に発表されるはずだった米キャリアのAT&Tとのパートナ契約が白紙撤回された。白紙撤回の理由は公表されていないが、安全保障上のリスクを懸念する米国政府からの圧力という説が有力。2018年4月、米国防総省はZTEとファーウェイが製造した携帯電話やモデム[71]などの製品について、軍の人員、情報、任務に対して許容不可能なセキュリティー上の危険をもたらすとして、米軍基地での販売を禁じ軍人には基地の外でも中国製品の使用に注意するよう求めた。
5Gにおける技術競争
これらのアメリカ側の動きには、国家安全保障上の理由だけでなく、中国大手二社を市場から締め出し、通信分野の次世代技術5Gの実用化でライバルとなる中国を封じ込めようとする思惑が指摘されている。中国とアメリカ(および北欧)の通信大手は5Gを巡って激しい開発競争を繰り広げており、ファーウェイとZTEは北欧のエリクソンやノキアと並び先行している。2010年代で主流の4Gではアメリカ企業の技術が席巻しているが、5Gではファーウェイなどの中国企業が主導権を握るとの見方もある。