高齢になると時々病気をします。医者のお世話になります。
するとお医者さまは優しく病気の説明を丁寧にしてくれることに感心します。
昔の医者はぶっきら棒で威張っていました。治療したから、これで直ると言うだけで病気の説明などしないのです。
この十数年間に、お世話になった数人の医者は例外なく優秀で人柄も良いことに感動します。良い時代になったものです。
その感動を何度かブログに掲載して来ました。
今日は最近お世話になった整形外科の若い女のお医者さまについて書いてみたいと思います。ある総合病院の整形外科担当の先生です。
今迄経験しなかったことも含めて、3つ程の感動した理由を書いてみたいと思います。話を分かり易くするため個条書きにします。
(1)整形外科担当のこの先生は車椅子で患者の診断と治療を行っていたのです。
医者が車椅子だと骨折や怪我の患者達が勇気づけられるのです。腰椎を圧迫骨折した私は病院の玄関にあった車椅子に乗って診察室まで行きました。家内が車椅子を押してくれました。
車椅子に乗るのは初めてです。それに乗ると、嗚呼、私の人生も店仕舞いだと暗い気分になります。意気消沈します。
常日頃、もう83歳まで生きたので何時死んでも満足だとうそぶいていましたが、車椅子はいけません。
車椅子は面白い感じもしますが、意気消沈もするのです。
診察室の前で暗い気持ちで順番が来るのを待っていました。やがて自分の順番になり診察室に入ったら、何とそこには車椅子の女性のお医者さんがいたのです。
私はとたんに明るい気分になってしまったのです。
このお医者さまは、自分が車椅子なので整形外科医になって患者を勇気づけようとしているかも知れません。これは私の勝手な思い込みと思いつつも何故か感動しました。
(2)この先生は「車椅子の世界も素晴らしいものです」と言ったのです。
この一言は先生の人生観を一言で表現しているのです。老人になると人の何気無い一言でその人の人柄や人生観が分かるようになります。
「車椅子の世界も素晴らしいものです」は次のようなメッセージなのです。
身体障碍者は健常者と競争するのではなく、独自の幸多い世界を作りなさいというメッセージなのです。
私は車椅子に乗って意気消沈したことが恥ずかしくなりました。もう私の邯鄲の夢もお終いだと考えるのは軽率でした。
人間は最後の日まで幸せに生きなければならないのです。
このことを教えてくれたのがこの一言だったのです。これは初めての経験です。車椅子に乗ったお陰でもう一つの素晴らしい世界があることが分かったのです。
車椅子が好きになったので自分で購入しようと思い家内に相談しました。にべもなく却下です。「あなたが車椅子に乗ったら際限無く怠け者になりますよ」と笑ってお終いです。
(3)この先生の診断が丁寧で説明が明快なのです。
先生は医学部を卒業し、医師の国家試験に合格したのです。その前から車椅子の生活だったのかもしれません。
その事に感動します。
そして診断が丁寧で説明が明快なのです。
私は転んで腰椎を圧迫骨折しましたが、その骨折の様子をMRIとX線を使って実に丁寧に調べてくれました。
人間の腰椎の模型を示しながら、MRIとX線の撮影結果を明快に説明してくれたのです。歯切れの良い説明です。
人間の腰椎は臼の形をした5個の骨が縦につながって出来ていますが、今回は第二腰椎が圧迫骨折していました。
MRIの写真とX線の写真の説明を聞くと、素人の私でも第二腰椎が正常な形でないことが理解出来たのです。
この先生は間違いなく名医です。明るいご性格なのでご自分の身体のハンディを私に感じさせないのです。
こんな訳で私はまた良いお医者さんに巡り合ったのです。幸運でした。
お陰で現在はもとのように歩けるようになりました。骨折してから丁度2ケ月になります。
私はお医者さまを尊敬しています。尊敬するとお医者様は自分の能力をつくして誠心誠意患者の病気を治そうとします。それでも駄目ならこの世から静かに退席すれば良いのです。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
今日の挿し絵代わりの写真はヒイラギナンテンと日本の南天の実の写真です。ヒイラギナンテン属には約60種あり、中国から北米・中米にかけて分布しています。
日本に自生している南天は中国原産で、西日本、四国、九州に自生しています。古くに渡来した栽培種が野生化したものだと言われています。東北、中部、東日本でも自生しています。 山口県萩市川上の「川上のユズおよびナンテン自生地」は、国の天然記念物(1941年指定)になっています。
1番目の写真はヒイラギナンテンの実です。出典は、
https://plaza.rakuten.co.jp/yakamochi35/diary/201106010000/ です。
2番目の写真もヒイラギナンテンの実です。
出典は、http://mimimin.com/nanten/ です。
3番目の写真は赤いナンテンの実の写真です。
4番目の写真も赤いナンテンの実の写真です。
5番目の写真は白ナンテンの実の写真です。
南天の実と白ナンテンの実の写真の出典は、
https://s.webry.info/sp/0876542.at.webry.info/201511/article_29.html です。