ゴーンさんの保釈が決定し、10億円の保釈金を払えば今日中にでも拘置所から解放されることになりました。
3畳の不自由な独房から出られるので本人はさぞ喜んでいることでしょう。
私は江戸時代から連綿と続く日本の排他性、外人嫌いをつねづね悲しく思っていました。
ですから西川社長たち日本人幹部のクーデターまがいの裏切りを日本人の排他性のお陰だと理解しました。
そして日産再建の大恩人のゴーンさんに対して弓を引く行為は恩人に泥をかける行為であり日本人の美学に反すると感じていました。
その延長としてフランス人は日本人を非難し憎んでいると確信していました。
そこでゴーンさんを支援するような内容の記事を幾つか書いてきました。
しかし今思うと私は馬鹿でした。間違っていました。今回の事件は裁判沙汰になっているのです。裁判のことを知らない素人の私は沈黙を守るべきでした。
自分の感情論を記事にして掲載すべきではないと考えるようになりました。
そんな感情的な記事の例は次のようなものです。
(1)「西川社長一派のクーデターでゴーン会長が逮捕、この事件が面白い
三つの理由」 2018年11月21日 掲載
(2)「ゴーンさんんは天才、西川社長は賢い日本人、それぞれの悲しみ」
2018年11月24日 掲載
(3)「ゴーンさん逮捕が浮き彫りにした日本の3つの特殊性」
2018年11月29日掲載
(4)「ゴーンさんの再逮捕で留飲を下げる日本人、怒るフランス人、しかし」
2018年12月22日 掲載
(5)「 早春の花とゴーンさんの罪と罰」
2019年01月09日掲載|
これらの記事に加えてフランスに長く住んでお孫さんもいる日本人のMotoko Boutdumonde からフランス人の今回の事件に対する受け止め方をコメントとして投稿して下さいましたので以下にご紹介します。
このコメントによって私の間違いに気がついたのです。
(1)「ゴーンさんの再逮捕で留飲を下げる日本人、怒るフランス人、しかし」という私の記事に対するコメント;Motokoさんより、
おっしゃるようにフランスの人がゴーンの逮捕に怒っているかどうか、私には分かりません。マスコミは厳しく日本側を非難しているところもありますし、またはこの事件を日産とルノーの、アライアンスの中での勢力争いとして扱っています。ゴーンの肩を持った記事を書いているのはChalenge誌ですが、これはルノーがかなりの株を持っています。ゴーンは色々な人に裏切られて売られたのかもしれませんが、新聞などを読む限り無罪ということはあり得ないのではないでしょうか。
フランス人にとってこの事件は一大関心事ではありません。ゴーン逮捕に先立って始まった「ジレ・ジョーヌ」運動の方がどれだけ重要か分かりません。長く続いてマクロンを脅かしているジレ・ジョーヌのデモは、今は(一旦?)静まりましたが、フランス国民の85%もの支持を受けるまでに至った運動です。購買力の低下、国民の声を聞かない政府のやり方が主な理由になっています(ことの起こりは燃料税の増税)が、特に多くの国民が感じるのはある一部の人たちは信じられないほどの収入を得ているのに税金が免除されたということでしょう。この考えは正しいとは言えないのですが、感情論として通ります。ですから高所得者で権力の権化のようなカルロス・ゴーンが逮捕されても当然のように思えるのです。一般庶民の考えはなかなかマスコミには反映されないようですね。
(2)「 早春の花とゴーンさんの罪と罰」という私の記事に対するコメント;
Motokoさんより、
梅が美しいですね。もうそろそろ府中の郷土の森の梅林にも花が咲くことでしょう。もうあの梅林には行かれないかもしれませんが、とても懐かしいです。
さて、カルロス・ゴーンについて諸国のマスコミではいろいろ言われていますが、日本の司法制度と他の国との違いを指摘することなく感情論のような記事も見かけます。ある国の司法制度は他の国からとやかく言われるべきものではないと思います。日本には日本のやり方というのがあってしかるべきだと思います。
私は、あまりこの後藤さんの投稿と関係ないかもしれませんし感情論ではありますが、どうしてもゴーンに解雇された、または倒産させられた人たちのことを考えてしまうのです。ゴーンは拘留されていても毎日日本円で600万円ちかくの給与をもらい続けています。毎日、です。彼がベルギーや日本などで解雇した人たちはどんな思いでしょう?私が時々通訳に行ったこともあるルノーのテクノセンターではノルマの厳しさのため何人もエンジニアが自殺した時期もありました。その家族たちはどんな思いをしているでしょう?他の勾留者のように四畳半の独房で毎日ご飯3杯の粗食はそんなに大問題でしょうか?
ゴーンは絶対に自分の無罪を主張し続け、負けないでしょう。彼にとってそれ以外に救いはないのですから。
ゴーンの逮捕によって日本にあるアメリカとかの企業が恐れをなして撤退するとかいう噂は聞きました。やましいところがある企業はそうなのでしょうね…
=================================
この2つのコメントを見るとフランス人の本音が分かるようです。日本のマスコミには出て来ないフランス社会の実態です。
そしてゴーンさんの裁判はこれから始まるのです。注意深く見守って行きたいと思っています。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
今日の挿し絵代わりの写真はユトリロのパリ風景です。
3畳の不自由な独房から出られるので本人はさぞ喜んでいることでしょう。
私は江戸時代から連綿と続く日本の排他性、外人嫌いをつねづね悲しく思っていました。
ですから西川社長たち日本人幹部のクーデターまがいの裏切りを日本人の排他性のお陰だと理解しました。
そして日産再建の大恩人のゴーンさんに対して弓を引く行為は恩人に泥をかける行為であり日本人の美学に反すると感じていました。
その延長としてフランス人は日本人を非難し憎んでいると確信していました。
そこでゴーンさんを支援するような内容の記事を幾つか書いてきました。
しかし今思うと私は馬鹿でした。間違っていました。今回の事件は裁判沙汰になっているのです。裁判のことを知らない素人の私は沈黙を守るべきでした。
自分の感情論を記事にして掲載すべきではないと考えるようになりました。
そんな感情的な記事の例は次のようなものです。
(1)「西川社長一派のクーデターでゴーン会長が逮捕、この事件が面白い
三つの理由」 2018年11月21日 掲載
(2)「ゴーンさんんは天才、西川社長は賢い日本人、それぞれの悲しみ」
2018年11月24日 掲載
(3)「ゴーンさん逮捕が浮き彫りにした日本の3つの特殊性」
2018年11月29日掲載
(4)「ゴーンさんの再逮捕で留飲を下げる日本人、怒るフランス人、しかし」
2018年12月22日 掲載
(5)「 早春の花とゴーンさんの罪と罰」
2019年01月09日掲載|
これらの記事に加えてフランスに長く住んでお孫さんもいる日本人のMotoko Boutdumonde からフランス人の今回の事件に対する受け止め方をコメントとして投稿して下さいましたので以下にご紹介します。
このコメントによって私の間違いに気がついたのです。
(1)「ゴーンさんの再逮捕で留飲を下げる日本人、怒るフランス人、しかし」という私の記事に対するコメント;Motokoさんより、
おっしゃるようにフランスの人がゴーンの逮捕に怒っているかどうか、私には分かりません。マスコミは厳しく日本側を非難しているところもありますし、またはこの事件を日産とルノーの、アライアンスの中での勢力争いとして扱っています。ゴーンの肩を持った記事を書いているのはChalenge誌ですが、これはルノーがかなりの株を持っています。ゴーンは色々な人に裏切られて売られたのかもしれませんが、新聞などを読む限り無罪ということはあり得ないのではないでしょうか。
フランス人にとってこの事件は一大関心事ではありません。ゴーン逮捕に先立って始まった「ジレ・ジョーヌ」運動の方がどれだけ重要か分かりません。長く続いてマクロンを脅かしているジレ・ジョーヌのデモは、今は(一旦?)静まりましたが、フランス国民の85%もの支持を受けるまでに至った運動です。購買力の低下、国民の声を聞かない政府のやり方が主な理由になっています(ことの起こりは燃料税の増税)が、特に多くの国民が感じるのはある一部の人たちは信じられないほどの収入を得ているのに税金が免除されたということでしょう。この考えは正しいとは言えないのですが、感情論として通ります。ですから高所得者で権力の権化のようなカルロス・ゴーンが逮捕されても当然のように思えるのです。一般庶民の考えはなかなかマスコミには反映されないようですね。
(2)「 早春の花とゴーンさんの罪と罰」という私の記事に対するコメント;
Motokoさんより、
梅が美しいですね。もうそろそろ府中の郷土の森の梅林にも花が咲くことでしょう。もうあの梅林には行かれないかもしれませんが、とても懐かしいです。
さて、カルロス・ゴーンについて諸国のマスコミではいろいろ言われていますが、日本の司法制度と他の国との違いを指摘することなく感情論のような記事も見かけます。ある国の司法制度は他の国からとやかく言われるべきものではないと思います。日本には日本のやり方というのがあってしかるべきだと思います。
私は、あまりこの後藤さんの投稿と関係ないかもしれませんし感情論ではありますが、どうしてもゴーンに解雇された、または倒産させられた人たちのことを考えてしまうのです。ゴーンは拘留されていても毎日日本円で600万円ちかくの給与をもらい続けています。毎日、です。彼がベルギーや日本などで解雇した人たちはどんな思いでしょう?私が時々通訳に行ったこともあるルノーのテクノセンターではノルマの厳しさのため何人もエンジニアが自殺した時期もありました。その家族たちはどんな思いをしているでしょう?他の勾留者のように四畳半の独房で毎日ご飯3杯の粗食はそんなに大問題でしょうか?
ゴーンは絶対に自分の無罪を主張し続け、負けないでしょう。彼にとってそれ以外に救いはないのですから。
ゴーンの逮捕によって日本にあるアメリカとかの企業が恐れをなして撤退するとかいう噂は聞きました。やましいところがある企業はそうなのでしょうね…
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この2つのコメントを見るとフランス人の本音が分かるようです。日本のマスコミには出て来ないフランス社会の実態です。
そしてゴーンさんの裁判はこれから始まるのです。注意深く見守って行きたいと思っています。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
今日の挿し絵代わりの写真はユトリロのパリ風景です。