甲斐の国はどちらを向いても山ばかりです。
山に囲まれた甲府盆地に立つと残雪に輝く山稜がぐるりと囲んでいます。
北の奥秩父の山稜から東を見れば富士山とその外輪山が見えます。さらに目を転じて南を向けば南アルプスの主峰、農取、間ノ岳、北岳が聳えています。その西は薬師、観音、地蔵の鳳凰三山です。右端にひときわ高い甲斐駒岳が残雪に光っています。
さらに北西には壮大な八ヶ岳が堂々と座っています。
昨日は久しぶりに甲斐の国へ小さな旅をして甲斐の山々の写真を撮って来ました。
写真をお楽しみ下さい。
1番目の写真は大月市の初狩から見た富士山です。強い西風に吹かれ山頂の雪が舞いあがり白い雲のようになっています。里には春が来ましたが富士山は厳しい冬なのでしょう。
2番目の写真は中央高速道路の甲府南IC付近から見た南アルプスの主峰、農取、間ノ岳、北岳です。昨日は雲がかかっていて山頂が明瞭に見えませんでしたが、何時もは農取、間ノ岳、北岳が明瞭に見える場所です。
3番目の写真は中央高速道路の須玉IC付近から見た八ヶ岳です。
中央高速道路が甲府盆地に入るとこのような周囲の山々の風景が車窓に見えるのです。
昔、元気だったころに登ったこれらの山々を見ると当時の登高の情熱を思い出し心が熱くなります。
4番目の写真は北杜市大武川沿いの道路から見甲斐駒岳です。河原に斜めに立つ鉄の柱の先端から鎖が垂れその端に大きな鉄球が付いている芸術作品は、地元にアトリエを持つ篠原勝之(クマさん)の作品です。
左の方はアサヨ尾根です。この写真には写っていませんがアサヨ尾根の東に地蔵岳などの鳳凰三山があります。
昨日は鳳凰三山も残雪に美しく輝いていました。
5番目の写真は見甲斐駒岳の山頂部分です。山頂付近は白い花崗岩で覆われているので雪の無い夏でも白く光っている美しい山です。
昨日の小さな旅はこ甲斐駒岳の山林の中の小屋に家内と一緒に遊び行く旅でした。
その小屋は甲斐駒岳を右手に見ながら石空川を遡った森の奥にあります。
6番目の写真は雑木林の中の小屋へ登る道の風景です。こんな道を車でゆっくり登っていると時々鹿や野猿に会います。
7番目の写真は森の奥にある私の小屋です。小屋の向こう側に水の涸れない清い小川が流れているのです。その小川の落ち葉の掃除をして綺麗な砂の川底を見えるようにするのが家内の仕事です。行く度に家内が没頭する楽しい仕事です。私は小屋の中でストーブを焚いています。
1974年に小屋を建てた時、私は赤い三角屋根の木造の小屋にしようとしました。そうしたら現地の棟梁が木造では数年すると腐って倒壊するから鉄筋コンクリートにしなさいと言ったのです。そう言って建てくれたのが写真のような小屋です。爾来45年経過しましたが小屋は建てた当時のままの姿です。
その後、小屋の周囲に作った木造の風呂場や焚火小屋やバンガローなどは朽ち果てて皆消えてしまいました。
45年前の棟梁の優しそうな顔を思い出して小屋へ行くたびに感謝しています。
昨日はそんなささやかな小さい旅をしました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)