よく見るテレビ番組に「YOUは何しに日本へ?」というものがあります。成田空港や関西空港で日本に来た外国人に「あなたは何しに日本へ来たのですか?」と手当たり次第に聞くのです。すると外国人が千差万別、実にいろいろな目的で日本を訪問しているのです。
大体欧米系の人は日本のアニメに憧れて日本という国を見てみたいので来ましたと答えます。
あるいは日本へ空手、柔道などの伝統的な武術を習いに来ましたという人もいます。
又ラーメンが好きなので、作り方を有名店に弟子入りして修行したいと答える人もいます。
少し教養にのありそうな人には浮世絵を買いに来たと答える人もいます。
中国、韓国、台湾からの観光客は最も多いのですが、訪日の目的は観光なので驚くような奇想天外な目的で来る人は少ないようです。
そして日系のアメリカ人や南米人には自分の先祖のルーツを探しに来る人もいます。
「YOUは何しに日本へ?」の面白い点はただ来た外国人へ質問するだけてなく、外人に密着して訪問先に付いて行くことです。
そしてラーメン作りや伝統武術の修行の様子を長期間取材しているのです。
日系外国人のルーツ探しでは地方の市役所へ一緒に行って戸籍抄本を調べたりしてルーツ探しを手伝うのです。
この番組では人間のそれぞれの喜びや悲しみが国籍に関係なく明快に描き出されていることです。
その上、国々の文化の違いが比較文化人類学的に描き出されているのです。
こんな俗っぽくてしかも知的な番組は他にありません。
さて「YOUは何しに日本へ?」に出て来ない日本に来た目的をもう一つだけ追加したいと思います。
デーケンさんと言うドイツ人のことです。
彼は12歳の少年の時、日本の26聖人の中の同じ歳のルドビコ茨木の殉教のいきさつを知って日本に興味を持ってしまったのです。
実際に日本に来たのは27歳になってからでした。生涯日本に居てキリストの言葉を伝えたのです。
「YOUは何しに日本へ?」という番組では宗教がらみの目的は意識的に排除しているのかも分かりません。
もっと佛教やイスラム教やキリスト教の交流の為に来た外国人も取り上げて貰いたいと思っています。
その一例としてアルフォンス・デーケンのことを追加しました。
彼の物語は「人生の選択」という楽しい絵本として藤原書店から2018年12月に出版されています。
そしてデーケンさんの詳しいことは、
https://ja.wikipedia.org/wiki/アルフォンス・デーケン をご覧下さい。
それにしても「YOUは何しに日本へ?」という番組は面白い番組ですね。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
今日の挿し絵代わりの写真は歌川広重の版画です。7枚の絵を時間をかけてゆっくり眺めていると江戸時代の生活感がよみがえって来ます。それぞれの版画の説明は、https://amanaimages.com/…/feature/creative/ukiyoe140417.html にあります。