後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「高尾山の自然林の新緑の写真を撮りに行く」

2020年04月20日 | 写真
東京都の西の郊外にある高尾山にはケーブルカーやハイキングコースがあり多くの人で賑わう行楽地です。
しかしハイキングコースの周囲の森林の大部分は人間の手が入っていない自然林なのです。この意外な事実は高尾山の歴史に由来するのです。
この山は元来は修験道の霊場であり真言宗の高尾山薬王院の寺域なので森林が自然のまま保護されて来たのです。
中世には、八王子城の北条氏康と氏照がこの山を保護し、氏照による「本山の竹木の伐採を禁じる」という制札が薬王院に残されています。
江戸時代には幕府直轄領として八王子代官の大久保長安が山林保護政策をとり、その書状も薬王院に残されています。
明治維新の後も帝室御料林を経て国有林となり常に森林が自然林のまま保護されてきたのです。
高尾山は暖温帯系のカシなどの照葉樹と冷温帯系のブナ、ナラ、ホオノキなどが混じった森林で覆われています。
その上モミやツガなどの針葉樹林も混じっていて植生が豊かです。
私は昔から雑木林の風景が好きなのでよく武蔵野に散在する雑木林を見に行きました。しかし武蔵野の雑木林は農民が作った人工林なのです。
高尾山の自然林は珍しいのです。眺める度に嗚呼、自然林だと感動します。現在この山は明治の森高尾国定公園にも指定されキャンプやバーベキュー、植物の採取、鳥類の捕獲などが厳重に禁止されています。
昨日は快晴でしたので高尾山の自然林の新緑の写真を撮りに行きました。









日本の国土は森林に覆われています。その森林の53%は国有林です。
国有林は農林水産省の外局である林野庁が保護し各地方森林管理局によって管理されています。面積は2004年4月1日現在759万ヘクタールで日本の森林面積のおよそ3割を占め国立公園の約6割の面積です。国有林は山奥にありその多くは自然林です。ですから大都会に近接した高尾山の国有林の自然林は珍しいものです。
しかし注意深く観察すると自然林は意外に近い場所にもあります。
皆様の近所にも新緑が美しい自然林があると思います。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)