フィリピはアジアで唯一のキリスト教が国教の国家です。
キリスト教が普及する前、フィリピンの人々は、自然界に精霊が存在していると信じており、自然に向かって、お祈りをするような宗教があったようです。
しかし現在は 外務省のデータによると国民の93%がキリスト教徒で、そのうち83%がカトリックとなっています。イスラム教徒も5%います。
アジア全体の主要な宗教はイスラム教や仏教などです。インドのヒンドゥー教も主要です。
つまりアジア全体で見ればキリスト教徒はそれほど多いわけではありません。フィリピンがキリスト教国家なのはフィリピンの歴史が関係しています。
16世紀中頃にフィリピンがスペインの植民地になったことでフィリピンはスペインの宗教であるキリスト教カトリックへの改宗が進められました。
フィリピンはその後300年以上もスペインの植民地だったのです。アメリカの植民地時代はたった50年でしたのでプロテスタント教会の影響を受けませんでした。
フィリピンはアジアにおいて最も西洋の影響を受けている国です。しかもイグリシア・ニ・クリストというカトリックとは別の歴史や信仰の形をとっているフィリピン独自の宗教もあるのです。
イグリシア・ニ・クリストの信仰は、https://phil-portal.com/iglesianicristo/ に詳細な説明があります。概略を示します。
イグリシア・ニ・クリストの始まりは20世紀初頭。1886年にマニラ近郊に生まれたフェリックス・マナロというフィリピン人によって1914年に創始されました。 その後1963年に創始者フェリックス・マナロが死去すると息子のエラーニョ・マナロは非信者にも移動型無料クリニックなどの社会的奉公活動を施します。 1968年にハワイに教会を設立したのを皮切りに今日では世界100か国以上に約200万人の信者を持つ宗派にまで発展しています。
イグリシア・ニ・クリストは十字架のない教会です。特徴は、偶像崇拝の禁止、三位一体の否定、厳格な戒律などとカトリックとは随分違います。
今日はアジアで唯一キリスト教が国教のフィリピンの宗教事情を説明しました。特にフィリピン独自の新興宗教のイグリシア・ニ・クリストをご紹介しました。イグリシア・ニ・クリストはカトリックに似て非なるものです。
まあ、それもカトリックとすればフィリピンはカトリック教国です。アジアでは
珍しい国です。
挿絵代わりの写真はマニラと美しい海岸の風景写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)