若い頃は趣味や道楽にふけることは悪いことだと信じていました。自分の専門の研究だけに集中し他のことには関心を持つべきではないと思っていました。
今から考えると実に狭量で堅苦しい考えでした。中学校の歴史の先生が道楽にふけることは悪いことだと教えたのです。趣味と道楽は違いますが中学生の私には違いますが分りませんでした。
ところが36歳の時、スエーデンの工科大学に行きました。招待してくれたエケトルプ教授は趣味の木造の古民家に住んでいて私を何日か泊めてくれたのです。そして海辺の質素な別荘へも案内してくれたのです。
その上で趣味は人間の視野を広げ幸せにすると熱心に説いてくれたのです。
あまり情熱的に趣味を薦めてくれたので私は2つの趣味を持つ決心をしました。
そんな訳で帰国後しばらくしてヨットの趣味を始めました。大学生の体育の時間に松島の海でちょっとだけヨットの経験があったのです。
ヨットを始めてみると、ヨットの世界には質素な暮らしをしながらお金を工面してヨットに乗っている人が多いのです。
趣味の世界には金持もそうでない人も完全に平等な世界なのです。みな平等なのです。そのことを知った私は狭量でなくなり視野を広げ幸せになったのです。私は36歳で人生観が激変したのです。
ヨットの趣味を25年間続けたおかげで私のものの見方が変わったのです。
それではヨットの趣味とはどのようなものか写真で示します。
1番目の写真は琵琶湖まで買いに行ったヨットです。YAMAHAの長さ19フィートの中古艇でした。
2番目の写真は2代目のヨットです。長さ26フィートの中古のアメリカ艇でした。場所はJR土浦駅に近い霞ヶ浦です。
3番目の写真は私がヨットを25年間係留していた霞ヶ浦の岸壁です。
4番目の写真は私が帆走している光景です。家内が撮った写真です。
5番目の写真は夕暮れのヨットの係留岸壁です。
さてそれでは何故、ヨットの趣味で私の視野が広がったか理由を書きます。
それまでは金持ちの人を差別していました。
しかし金持ちだけがしていると思っていたヨットの趣味には質素な暮らしをしながらお金を工面してヨットに乗っている人が大部分なのです。
趣味の世界には金持もそうでない人も完全に平等な世界なのです。
その上、海で豪華なヨットに乗っている人は小さなヨットに乗っている人をほとんど無償で豪華なヨットに招待してくれるのです。
海で豪華なヨットに乗っている人々は別世界の人だと思い込んでいた私の間違いを思い知ったのです。
ある人と親しくなりました。以前、法務省で国家公務員として働いていた人です。安定した職業をサラリと止めてヨット一筋です。そしてあるヨットクラブの指導教官として働いていました。
そうして全ての人との出会いに感謝している様子なのです。ああ、こういう人をジェントルマンと言うのだと感じました。
このようにヨットの趣味を続けながら親切な人に沢山出会いました。
そのお陰で私の視野がすっかり広がり人間を見かけによって差別しないようになったのです。
他人を差別しなければ皆と仲良くなれます。それが幸せと感じるようになりました。
スウェーデンの工科大学に招待してくれたエケトルプ教授に感謝しています。趣味の重要さを丁寧に説明してくれたエケトルプ教授に感謝しています。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)