575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

戦死者から戦没者へ   遅足

2010年03月05日 | Weblog
  戦没者といひかえしとき
     戦死者のするどき眸(まみ)はみえなくなりぬ

小池光さんの歌です。

同じことや、ものでも、言葉を言い換える。
よくあることです。
とくに新しいものを売り出そうとすれば、カタカナ。
性能に差はないので、意味よりもムード、
商品の格を上げることが重要視され、
言葉が奉仕してきました。

この歌も、そんな言葉の言い換えの持つ
空気の変化をとらえた歌でしょうか。

戦争が終って時間が流れると、戦死した人への思いも
自然に変化してゆき、戦死者は戦没者となっていく。

しかし、戦死者は、それ以上、歳をとらないのですから
いつまでも戦死者なんでしょうか。

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春愁や歩けるが華四人組   朱露

2010年03月05日 | Weblog


       七十数年の男四人が飽きもせず歩く。
       午前二時間午後二時間山野を跋渉す。
       風呂に入り喜々として居酒屋へ直行。
       次回の予定を確認しあって散会する。

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オウレン 草女

2010年03月05日 | Weblog
 仲間に誘われて、岐阜薬科大学の薬草園を見てきた。ここが一般に公開されるのが、金、土、日であることが多く私は今迄参加できなかった。しかし、話題にのぼるたびに、訪れたいと思いが募り、今回少々無理をして行ってみた。期待に反して、咲いていたのはセリバオウレンとバイカオウレンのみで、がっかりであった。                  セリバオウレンは、瀬戸市の神社でも、定光寺の土手でも観察でき、毎年見ている。だが、今回は薬草園長さんの講義が面白かった。

 以下受け売り。黄連または黄蓮と書くが、実に大切な薬草であった。根、正しくは根茎にベルベリンと呼ばれるアルカロイドを含み、これが消炎の薬効を持つ。胃痛、下痢ばかりでなく結膜炎、はやり目、口内炎、高血圧予防、鼻血、その上精神安定にも効く。根茎の中の維管束が固まった箇所や石細胞にベルベリンはある。                  ベルベリンは鮮やかな黄色で、これが黄連の名前の由来になっている。セリバオウレン、コセリバオウレン、キクバオウレンにはベルベリンが多く含まれる。(中国産にはかなわない)他のオウレン、例えば、高山性のミツバオウレンなどは根茎が大きくならず使い物にならない。しかも中央構造線より北に産するセリバオウレンなどにはベルベリンがほとんど
ないという。                                    なぜ?と質問した人へ その答えを出したらすぐに博士号がもらえるよという返事だった。またその薬草園のセリバオウレンは丹波のセリバオウレンの種子で、蒔いて40年はたっている。なぜ丹波かというと、丹波は地下水も含めて水利用が難しく稲作ができない土地が多く、藩はセリバオウレンの栽培に力をいれた。日光が余り当たらず、冬は雪の下になって適当な温度を保ち、やや酸性土壌がいいそうだ。条件が良く、博学な指導者がいたのだろう。しかし黄連として利用できるまでに7~10年の時間がかかる。自然のなかでは15年の年月が必要だそうだ。朝鮮人参もその位かかる。よく効くものは簡単に手はいらないらしい。
 これ等の話の中で、一番残ったのは中央構造線。かねてからの不思議なのだ。ます
ますミステリアスなものになった。
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