575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

水の地球すこしはなれて春の月    正木ゆう子

2010年03月13日 | Weblog
私の好きな一句。
作者が、この句の誕生について、こんな風に書いていました。
ふるさとの九州に帰った時のことだそうです。

   

あ、月と地球がいま並んで太陽に照らされている、と気づいた。
郷里、熊本の江津湖の水神様の石段に座っていた時だった。
厳密にいえば、月と並んで夕日に照らされているのは、
地球ではなく私の顔なのだが、私はすなわち地球の一部である。

夕日は今しも金峰山の方に沈みかけて、赤光を増した太陽が
私の顔をあたたかく照らす。
気配を感じて振り向くと、東に月が上がっていた。

月も私も同じ様に太陽に顔をむけている。
もしも宇宙から眺めれば、地球と小さな月とが、
仲良く並んで太陽に照らされているのが見えるに違いない。

        (十七音の履歴書・正木ゆう子)

私は頭でつくるんですが、この句は実体験から生まれている。
そこが句の力になっているんですね。

                   遅足




コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

角曲り頭上突然辛夷かな   朱露

2010年03月13日 | Weblog

       「辛夷」はカライじゃなくコブシです。  
       モクレン科で木蓮に似ているのは当然。
       どこが違うかと言われても非常に困る。
       紫木蓮はあるが辛夷は白に操を立てる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする